第185話 稽古は一日にしてならず……だがみんなも武を極めるために努力するようです
剣道場を開いて国極さんに会うことになった。
「お主が私の門下生になりたいという奴らか……ふうむ確かに見どころはありそうじゃのう」
国極さんは見た目は良い人そうなお爺ちゃんに見えたが、俄然雰囲気から闘気の量からして一般人より少し上程度にしか見えなかった。
感じ取れるオーラも普通のものだし……こんな人が本当に達人なんだろうかと疑ったがそんなことも見透かされているようだ。
「あっ……拓郎さんも来てたんですか……」
「蒼威ちゃん……魔刀とマヤちゃんと想美ちゃんは……まだか」
「来たぞ」
「たくにぃー! おいっす!!」
「マヤちゃん……ここは道場だよ」
どうやら皆来たようだ。
「ふむっ……お主らはダンジョンというやつで鍛えた節があるようじゃな……まあそっちの三人は魔術師のようじゃがのう……」
「わかるんですか……魔術師だというのが……」
魔刀と想美ちゃんが警戒している。
だが国極さんは待て待てと言った感じだ。
「待ちなさい……私は魔術師の友人もいるしそこまで魔術師に嫌みがあるわけじゃない……まあ腐れ縁でなかなか決着をつけたがらない友人じゃがのう……」
「そうですか……ほっとしました」
想美ちゃんがほっとしているようだ。
その後国極さんが武は一日にしてならずと言った。
まあその通りだと思うのだが……なんで雑巾がけをさせられているのだ!?
今日は久々に使うのだからと稽古場の掃除が稽古だったりすると言われた。
水拭きの雑巾がけから窓ふきにモップでワックス掛けとか色々とした。
3時間かけて掃除したら疲れてしまった。
そうして国極さんはもう一人の門下生の山大竜星君という好青年らしき眼鏡君がおにぎりを全員分作って持ってきてくれた。
竜星君は大学生で昔からこの道場に通っているとか。
弓道も習っているとか……この道場では弓術も教えているのかと感心した。
他にも門下生はいるらしく、今日は休みだとか。
でも弟子はしばらく取らないと決めているのに国極さんは取ったらしいと言われた。
それって凄いことなんじゃないの……と思ったがまあ深くは考えないでいた。
国極さんもおにぎりを頬張る。
腹が減っては戦はできぬと言うからなと言う言葉があるようにみんな万全の状態だ。
そして午後1時くらいだがさて掃除も終わったし今日は剣術に関してと武術の基礎を教えると言って教えてもらうことになった。
ただ俺は基礎はパスされた。主に女性陣に教える形になるとか。
俺は竜星君と実践式の剣術をやることにした。
ただ……俺の圧勝だった。なんか悪いな……竜星君も動きは達人ではないがかなり良いものだったんだが、如何せん俺はスキルによるチートがあるから肉体能力とか反射神経も超人だからか。
なんとも言えない気分だ。
「ほお~竜星を倒したか…………ふうむならば私が相手をするとするか……」
「創玄さん直々にですか!? 流石に相手が可哀そうですよ……いえ増宮さんが絶対勝てないということではなくてですね……」
とまあ俺は創玄さんと一回剣術の試合をすることになったのだが。
まさかの負けだった。嘘だろと思った。あまりにも隙があるから騙された。だが超人的俺の動きでも追いきれないほどの神速と言える足さばきに腕の剣捌きが異常だった。
常人ではなかった。あまりにも達人の上をいっているそんな感想。ステータスをチート化しても辿り着けない領域があるなんて思いもしなかった。
試合後に創玄さんが俺に一言だけ言った。
「お主……たぶんだがかなりのステータス? とかいう奴の底上げをしておるな……まあでもかなり鍛錬は積んでいる跡があるようじゃな……まあ一番の有力株は拓郎お主じゃな、すぐにとはいえんがお主なら次期に強くなるようだわい」
これから週に3回通うことになる道場だが、なんとも言えない。
俺の成長にどこまで貢献するのかわからないからな……
みんなの成長も期待しないといけないし困ったものだ。
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