第160話 破壊の魔竜王現る!!
2022年10月25日。
サボっているのは悪いと思い、拓郎は日本橋ダンジョンを418階層まで攻略していた。
今日は火曜日だ。特に意味はないが、帰りにリスティやイルミナのためにダンジョン産のオーク肉とかの串焼きとか、アマアマスライムの粘液を使用したスイーツとかを持って帰ってやるか。
「なあ拓郎……私たちの最近の扱いが酷くないか?」
「なんだよアグニス……どうしたんだ?」
「そうだそうだ!! マリンの水魔法をぶつける相手がいない」
「確かに私も暴れ足りないなと思っていたところだ……」
「おいおいアルマまで何言って……」
「僕は結構頑張っているよ」
「そうね確かにあんまし活躍してないわよね」
「スラン……マイカ……」
なんか契約した武器と従魔たちがご立腹のようだスランを除いて。せっかく頑張って418階層まで進めたのに、敵が弱すぎるのが問題らしい。
実際出てくるモンスターもオークハードウィザードとかデスグレムリンとか出てくるが。
正直あんまし歯ごたえを感じない。
でも一緒に来れるのは雪兎とナナナとナナカぐらいでリスティですら遅れをとるレベルだけどな。
ボスがなかなか強敵で雪兎とナナナとナナカと一緒に潜る時があるが、こっちはリスティとミスズでなんとか攻略できるレベルだな。
シロンとクロンと蒼威ちゃんとかは自宅ダンジョンの205階層辺りで特訓している。
スランの分身体を念のために置いているが最近はマヤちゃんと魔刀も一緒に頑張ってるらしく。大分上達しているが。
とにかく俺は日本橋ダンジョンを進めていく。
次の日、一日で458階層まで来た。
出てくるモンスターは相変わらず雑魚ばかりで歯ごたえが無い。オークキングとかがついに雑魚レベルで登場するようになってしまったが大したことない。
コボルトキングも出てくる始末。だが弱い。
そして次の日、502階層まで進めた。
たぶん俺が現在の最高到達者なんだろうけどね……501階層で回転鉄板みたいなブリキループオメガなる無機質なモンスターが出現した。
魔法が効かずに剣による斬撃系も効かないときた。だが闘気を直接ぶつけるとなんとか倒せることに気が付いた。
なかなかの強敵だった。ただ物理攻撃は通るようだ。
アグニスが少しだけ戸惑っていた。
「なんで私の剣攻撃が効かないのだ!? こいつやるぞ!!」
「マリンの水魔法が効かない……どうしよう絶望だ…………」
「スランの酸攻撃は通るよ! やったー!!」
「私の禁術なら何故か効くようだな……ふふふ私もまだまだいけるようだ」
マリンが俺に泣きついて来た。何か結構可愛いな。
「ふえ~ん……私役立たずなのか? ご主人??」
「そんなことないぞ……お前はいづれ強くなるからな」
「そうなの……?」
「たぶんな!」
「なんか元気出た!!」
意外と単純な奴だな。マリンって。
しかし確かにマリンは水魔法の力こそ強いがそれしかないからな……アグニスとかアルマゲルは出鱈目な攻撃力に覇気迫る勢いに兎に角粘り強さもあるからな。
アルマゲルは特に禁術という本当の出鱈目な魔術で敵を葬り去るから侮れない。スランは物理攻撃が効きづらいし分裂とかでアドバンテージがある。
マイカは体当たりが強すぎるし女王魔法で敵を屈服させるし魔法の扱いがスランより上手いし万能性が高い。
そして突如として来訪するリスティとミスズ。
転移で来たようだ。
「拓郎来たのだ!!」
「タクロウ助けに来たよ……」
「私も来た…………」
まさかのテルネアスも一緒に来た。
どうやら体が鈍って大変らしい。
「拓郎は私なんか来て迷惑なんだ……」
ミスズがなんか寂しいことを言う。
「そんなことはないぞ」
「そうなんだ……なら問題なし」
ちょっとだけ可愛いことを言うなミスズは。
「私は拓郎のサポートをすることが義務付けられていますというのは冗談だけど…………まあやっぱり興味があるからなのかな? 拓郎はなんか普通じゃないからね…………」
テルネアスがなんか興味深いことを話すがよくわからないのでスルーした。
なんとかみんなで進んでいった。
506階層で今日は終えることにした。
そして次の日さらに進む。
イルミナも今度は連れていくことに。
「どうしたんだ? 私の力もいるとかあなたらしくない……まあいいけどね」
「ま~なんていうかレベルアップも兼ねてなってところだ」
510階層でデスリモコンとかいう変なリモコン巨大なやつとオークボマーが出現した。
デスリモコンはリモコンで操ってくるようだ。だが対魔結界を張れば余裕で防げたので問題なかった。
それよりオークボマーが厄介だった。魔力の爆弾を生成して投げてきたのだ。かなりの威力で回避がめんどくさかった。
でもテルネアスがなんか神星魔導銃で敵を葬り去った。
どうも未来の技術と自身の能力により創り出した銃らしくかなりの物だとか。
テルネアスさん本当にチートクラスですね。俺が言えたことではないがな。
515階層まで来たがなんか静かだな。
フロアもだたっぴろいけど一室しかないし……
そして突如として小さい竜が現れた。
なんだ? あんまし強そうじゃない……いやこいつはかなりの大物だな……
俺は一瞬あまりにも小さい竜なので見くびってしまったが、溢れるばかりの闘気と魔力と霊力を備えているのが理解できた。
そしてその竜の名前はアドラブルゴン。
称号に破壊の魔竜王というのが付いていた。
ネームド持ちに称号がかなりの物だという点で普通の竜ではないのがわかる。
アドラブルゴンが視界から一瞬で消えた瞬間、俺の右横から弾丸が飛んできた。」
俺はそれを右手の裏拳で弾き返した。
だが右手が少しだけ負傷した。
皮がめくれている。まさか傷をつけられるとは。
高速移動で竜の圧縮ブレスを喰らわされる。
全てかなりの殺傷能力で闘気による膜を張った防御に障壁を何重何十重にも張らないと防げない攻撃だった。
そして時たまに爪による攻撃で俺の皮膚を裂こうとする。
だがその一瞬の隙をついた。
俺はリーフルを装備していたしヒカリの光爆剣で切り裂いていた。
さらにアグニスが特攻してアドラブルゴンの翼を切り落としたところだった。
だがアドラブルゴンは回復魔法を使った。
みるみる回復していく。
部位欠損すらなかったように回復した。
やるなこいつ……
そしていきなりこいつは姿を消した。
まさか転移したようだ。
逃げたのかと思われたが……どうやら気配がダンジョンの外にあるようだということがわかった。
俺たちはすぐさまダンジョンの外に転移した。
そしてアドラブルゴンが暴れまわっているところを発見したのだ。
「やばいぞ……こんなドラゴンが日本橋で暴れまわったら……どうなるか」
「雪兎に連絡するのだ!!」
俺はすぐに雪兎に連絡した。
だがアドラブルゴンのブレスが街を襲う。
アグニスがすぐに止めに行くが間に合わないで被害が出てしまう。
俺はすぐに稲荷仮面の格好に変装する。
だがどうしようもできないレベルだこのドラゴンの強さは。
そして新たにアドラブルゴンには『破滅の轟竜王』と『壊滅の破壊竜王』の称号がついていた。
強烈と思える竜の息吹が日本橋の街に襲い掛かる。
殲滅の業火で焼かれる日本橋の街は未曽有の危機に直面する。
ここまで読んでくれたみなさんに感謝します。
これからも熱い展開の物語を書いていきます。
お読みいただきありがとうございます。