第156話 シャミーの幻想奇譚
ここはどこですか?
こんにちはシャム猫魔族のシャミーです。
みなさんどうして私がここにいるのか知ってますか?
皆さんって誰ですか……どういうことですか?
うえ~ん……どうしてダンジョン潜っててこんなところにいるんだろう?
何にもない荒野で人もいない……モンスターもいない。
ただモンスターはやっぱり出そう……です。
シャミーは理解不能だった。
荒野は行けど行けど荒野だった。
そしてたまに人がいるような気がするがやっぱりいない。
そして歩くこと歩くこと3時間。
ついに家を見つけた。
町だ……でも何故か人の気配はしないな。
でもそれでも希望を求めて行動を起こすのです。
私は町に入りました。朽ちてはいませんでしたが……でも寂しげで無味乾燥なそんな景色です。
そして町は砂漠に汚染されています。
砂漠がある。荒野がある。
砂の城ですか? そんな荒野の中にある町の中にある砂の城が目に映った。
とりあえず入るです。
シャミーは足を踏み入れた。
砂のお城に……砂城の領域に……どうやっても絶望なのか…………
●
中は異空間のようで砂が辺り一面を覆っているのに熱くない。
そして中は縦横無尽に広い。
微熱のように感情を揺れ動かす。
反動の中に手入れがある、高熱にうなされる子供のように世界を恨む。
シャミーは小剣を抜いた。
そして活動する心臓がきゅっとなるように緊張した。
握りしめられるように心臓が破裂するように危険が迫る。
サンドスコーピオンが迫る。砂のサソリだ。デカい、2メートルはある。
這いつくばって華麗に迫るサンドスコーピオン。
シャミーは動けないほどではないが、動きづらかった。砂に足が囚われる。
サンドスコーピオンは爪を立てて、迫る。
鬼のように迫るサソリは眼の尋常ではない迫力があった。
時間を振り絞るが、限界を振り絞っても、世界は止まらない。
サンドスコーピオンの爪がシャミーに当たる。
血がかなり出る。
血止めの薬を飲む。
傷薬も使う。
でも血が少しづつ出ていく、止まらない。
なんだが体が氷のように冷たくなってきた。
眼が重い……ダメダ動けない…………
シャミーがサンドスコーピオンに止めを刺されそうになっていた。
だがそこに一人の男性が現れた。
「苦しいか? でも死んじまったらそこで終わりなんだよ! だから死ぬんじゃねえっ!!」
大剣を背負いそのままサンドスコーピオンに振り下ろす男性。
そしてそのまま何度も振り抜く大剣を。
そしてようやくサンドスコーピオンを倒した。
シャミーを背負いダンジョンを出ていく。
男性は何者なんだろうか?
●●
起きた。
眼がこそばゆいほどに気怠い。
体が少しだけ楽だ。なんか少しだけ軽くなった。
焚火を焚いている男性が隣にいた。
「おおっ起きたか猫ちゃん」
「猫ちゃん!? 違いますよ私はシャミーって名前があるんですよ」
「だったらシャミーちゃん……気分はどうだい?」
「なんだが少しだけ楽です」
「治癒を使ったからな俺のスキルだ」
「あなたは……?」
「俺の名前は…………そうだなアラキって名乗っているな」
「名乗っているというのは?」
「記憶喪失なんだよ実は……本当の名前は思い出せないんだ」
「そうなんですか……それはお気の毒です」
なんか少しだけしんみりしてしまった。
このアラキさんはたぶん26歳でアラキと名乗っているらしい。
記憶喪失なのに年齢は不確定なのではないでしょうか……
まあ本人がたぶん26歳だと思うらしいと考えているならいいですけど。
そしてここで砂の城のダンジョンで素材集めや食料を探しているとか。
素材は買い取り屋が買い取ってくれるとか。
食糧は色々とあるらしい。
ここはどこなんですか……? と聞くと……
「ここは裏日ノ本の裏鳥取だ……仲間から聞いた間違いない」
「裏日ノ本……? 裏鳥取?? 裏とはいったい?? 表もあるんですかね?」
「俺も記憶が定かではないから仲間からの聞いたんだが表の世界はこうも世界は荒廃してなかったらしい」
「突如今年の6月くらいに裏日ノ本と呼ばれる世界が誕生したと言われているんだ……俺にもわからないが」
わからないことばかりだ。
アラキさんが言うには表の世界もあるらしいがそこにどうしてもいけなくなったらしい。
そして通称裏日ノ本に囚われることになったらしい。
どこに行っても荒野に砂漠だ。
裏鳥取はどうも物騒なんだよ。
モンスターもでるし。なんだが危なげだ。
とにかくよくわからない世界に来てしまったようだ私たちは。