第154話 ミスズ
約15年前水から生まれた魔物がいた。
その魔物は自身を何と呼べばいいのか不明で自分自身を謎だとした。
そしてその10年後水から生まれた魔物は自身がアクアスライムであることを知った。
そして敵を殲滅したり、水場を守ったりしたりして過ごしていた。
ある日、一人の魔王が零瞑の湖畔に紛れ込んでしまう。
そのころから少女の姿を取ったことが無い初の少女の出会いだった。
自身の名前すらなかった水の魔物は魔王の少女に出会った。
「お水さん……トロトロしている。なんか不思議……」
「あなたも何かが違う……不思議なのは私なのか」
「お水さん名前は?」
「名前は無い」
「じゃああたしがつけてあげようか?」
「いいのか?」
「う~~~んとね…………水から生まれた魔物だから……ミスズってのはどうかな?」
「ミスズ……なんだか温かみがあって不思議な名前だ」
水の魔物ミスズは擬態することも覚えて少女と仲良くなった。
その少女の名前はリスティなのであるのは当然としてそうなのである。
●
今日本橋ダンジョンの近くにある難波食巡りロードを歩いている。
今日はリスティと蒼威ちゃんと雪兎とナナナとナナカになんと心空が外に出た。
ずっと引きこもりだったのにどういう風の吹き回しだ?
魔夜間マヤちゃんと魔刀君も来てくれた。
想美ちゃんも来ている。
イルミナも一緒に来ているし、テルネアスも食巡りしたいと聞いていつも通り来ている。
飯を食ったら日本橋ダンジョンに潜り込むらしい。
シロンもクロンにお姉ちゃん元気とか~言っている。
「拓郎……日本橋ダンジョンはどこまで攻略を進めているんだ?」
「ああ……ええと現在180階層までだな」
「勝ったな、俺たちは192階層までだ」
「そうか自宅ダンジョンのほうを優先しているからちょっと遅れているな」
「なるほどなのん……ユキトは日本橋ダンジョンをどれだけ進めるのかなん?」
「ナナナは最近もっと強くなる傾向が見え始めたようだな……? 出鱈目なスキルを取得できるようなかんじがするらしいようだ」
「例えば胡蝶蘭!! 自身の体力と魔力と腕力と素早さと耐久を胡蝶蘭のスキルを展開しているときだけ40倍にする効果!! しかも蝶のような羽根を手にして蘭の花を使えるようになるんだよ!!」
「ナナナ……お前本当に出鱈目だよな……俺ですらチートの塊なんだけど女版主人公かと思えるぞ」
俺はそういう率直な感想を述べた。
「しかし私だってナナカだってユキトやナナナに負けず劣らずのスキルを得ました……アリアです響鳴少女アリアになる能力ですよ。まだ使ってないからこうかまではわかりません」
「拓郎……マヤも最近念動力の使い方をマスターしたよ」
「そうなんだ。よかったじゃねえか」
「雪兎とひけを取らないよ」
「それは言いすぎだろ」
雪兎が自分のほうが上だと言い放つ。
「まあマヤは自分のほうが上だと言いたいお年頃なんだよ……」
魔刀君がそんなことを言っている。
「それよりなんか腹が減ったのだ」
リスティがそんなことを言い出す。
「私にも供物を捧げてもらわないといけないな……雪兎?」
ルナがご飯はまだかと催促する。
「雪兎ご飯食べたいにゃ」
「拓郎ご飯食べたいにゃ」
シロンとクロンも催促する。
というわけでそこの定食屋でご飯にすることにした。
定食屋は色々な物があるのがお約束。
肉じゃが定食にチキン南蛮定食に……
とりあえず各自色々注文して食べた。
そして店を出て、茶店に入った。
食後の茶店は重要だろ?
そしてそこには王者のオーラのような謎の生物が鎮座していた。
「もしかしてミスズなのか!? 久しぶりなのだ! 会いたかったのだ!!」
「あらっリスティ……お久しぶり。ここでは美味しい水を飲んでいるところなの」
「もしかしてリスティのお友達?」
「うんミスズ……私の友達」
水の化身のような姿だ全身少女のような姿だが水のように透き通っている。
ミスズさん? ミスズちゃんか? はなんか可愛いけど灰汁が強そうなオーラを感じる。
「誰が灰汁が強いですって……透き通るような純水よ」
「さらっと心読んでくるのか……」
「テレパシーくらい基本技術よね、安心して悪用はしないから」
そしてなんか良い感じにリスティと話をして仲良くなったので日本橋ダンジョンに潜ることに。
雪兎はナナナとナナカとルナとシロンとミリアとクロマルと共に先に行ってしまった。
こっちはみんなで入ることにした。
そしてダンジョンの中で彼女のミスズの驚異的な力に驚かされることになる。
なんていうかリスティよりこの娘は強いなと感じました。