第153話 リスティは限界を感じたので、仲間と共に先を目指すようです
283階層……まだまだいける。
デトロイトハンターとかいう頭の良いモンスターを倒していた。
そして284階層のアダマントキラーが強敵だった。
グラストクラッシャーを繰り出してアダマントキラーを粉砕した。
戦慄の攻撃は普通に敵を破壊するに至った。
全時代的な敵しか出ないと残念がるが、攻略の感じがしない。
285階層の敵は……
ブライドグルエンコスのようだ。
虎のような見た目で猫のように耳が長いが体躯が異常にデカい。
4メートルはあろう。
そんな猫のような虎が5体も現れた。
リスティを異物として排除しようとするブライドグルエンコス。
獰猛な野生獣は破壊の限りを尽くすのではない。
自分たちにとって邪魔な存在を排除するために生きている。
ダンジョンでは魔物通しでも争いは起きる。
中には仲の良いグループとかもいるが……それはそれだ。
リスティは少しだけ限界を感じていた。
よって一度戻ることにした。
刈宮市の現在居候中の拓郎の家に帰っていった。
といっても転移で一瞬だが。
「リスティ3日ぐらいいなかったがどうしたんだよ……」
「拓郎! それはな……武者修行の旅に出ていたんだよ!」
「武者修行?」
「うん! でも限界を感じて帰ってきたわけなんだ!」
丁重に作り置きのカレーを食べだすリスティは嬉しそうに食べていた。
聞くと熊本ダンジョンに潜ってはや3日だという。
現在287階層まで攻略できているらしいが……
「なあその武者修行の旅に俺も同伴してもいいかな?」
「駄目なのだ! これは私の実力を上げるためにする旅なのだ! でも一人だと大変なのだ……うん拓郎も一緒だと嬉しいな」
なんか物寂し気な気がする……でもそれだとついでにとは言えない。
リスティがなんか悩んでいるんだから二人で行くのが碇石だよな……
というわけでリスティと二人きりで熊本ダンジョンに来たわけだが、なんというか久々だこういうのは。
ダンジョン自体の強さとかそういうのも見ておきたいわけだし。
なんというか凄まじい強さになりたいと願うリスティもあいまってなんか申し訳なくなったからだ。
そして287階層を進んでいる俺たちは……モンスターを倒しつつ288階層に歩を進めていく。
出てくるモンスターは獣系とか機械系が多い。
ゾストファントムにイマイラジーヘルムとか出てきたがなんとなく倒す。
289階層に歩を進めて、290階層まで来た。
ここまで素手で攻略を進めている。
レベルの差はリスティと俺とでは大分あるが。
現在俺のレベルは428でリスティは189もある。
必ずしもレベルが高ければ強くなると言うわけではないが、デカいほうが強い資質となるかもしれない。
攻撃手段は気を拳に籠めて殴ること。
もしくは蹴る。
もしくは魔法拳。炎や雷とか風の魔法を籠めて殴り飛ばしたり、蹴り飛ばすなどする。
なんというか普通だ。
効かない相手がいたらどうするかって?
もちろんそんなとんでもない硬い相手は逃げるが勝ちだ。
まあそんなことありえないのだが……
というかそういう相手は大抵魔法が効くのでなんとでもなるような……
とまあそんな感じで進んでいくが、ボスまでやってきた。
300階層のボスはどんなやつだろう。
開けると機械的な蜘蛛がいた。
レイジングスパイダーか……まあなんというか普通だ。
そして炎を拳に纏いながら殴り飛ばし。
リスティとの絆を確かめながら一緒に頑張りまくり倒した。
とまあそんなこんやで進みまくり、316階層にいる。
反則的に強い熊が現れたがなんとか倒した。
デビルベアーとかデビルギガベアーとか。
なんか熊多い。
素敵な熊が襲い掛かる~~~!!
なんとまあ強い強い。
いつも以上に最強の熊を俺とリスティが排除する。
これだと悪役はどっちになるんだと言わんばかりの現状だ。
実際子熊とかいるしそいつらも襲い掛かってくるし……一応子熊は殺さなかった。
でも親熊には容赦しない。
そして進む進む。
333階層まで来た。
そして唐突にボス部屋だ。
「開けるぞ……」
「うん拓郎!」
そして中にいたのは……亜熊魔王だ。
「よくぞ来たんだな……この迷宮の熊本迷宮の熊たちを倒しまくって暴れ回っていた愚か者どもよ……復讐の時間だ!!」
そこには悪魔のような亜熊魔王がいた。
熊の魔王か……まあなんとなく察する。
そして爪の真空刃を放ってきた。
俺たちは躱す。
だが爪による攻撃は抉るような破壊力で迷宮の壁を抉っていた。
そして神速の素早さで俺の背後に回る亜熊魔王。
俺に爪による攻撃を加えてきた。
しかしリスティが蹴り飛ばす。
「大丈夫なのだ! 私がいるのだ!!」
「ありがとうリスティ……行くぞ!」
そして熊を屠る。
なかなかの耐久力だった。
そして死に際に亜熊魔王は言い残したようだ。
「なんどでもなんどでも私が破れても第二第三の亜熊魔王がお前たちを倒すだろう……ふっふっふ……ぐふっ…………」
そしてドロップ品が亜熊魔王の肉に毛皮にディストルベアーキングナックルという武具だった。
拳にはめるタイプの武具か……リスティにあってるぽいのでそのままあげるとした。
さてリスティの機嫌もよくなってきたし、このままうちのダンジョンに潜るとするか。