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第135話 騒動の終幕、そしてレストラン再始動

「猫を殺す……嫌だ、そんなの僕は嫌だよ……!?」


「だったら、おとなしくしてもらうのねん」


 七星ナナナはおとなしくなったレストラン強盗を柱に持ってきた縄で括りつけて、安堵していた。


 良かった、この人は良い人なんだと……


 だが、問題は解決したのか?


 ミミさんが錯乱状態だ……しかもかなり衰弱している。


「セイカ!!」


「はいっ!? なんで僕の名前を知って……!?」


「私は相手の名前を見抜く目を持っているのさよ……だ か ら !! あんたはセイカ……この娘に何をしたんだよ教えなさいよね……!!!」


「ええとちょっと命令しただけで特に何かしたわけではなくて……いや本当ですよ……さっきの俺は演技で普段の僕じゃなくて……演技なんですよテレビで演技の勉強してて」


「あんた見たところ……乞食だよね……?」


「そうです僕は最近まで乞食してました。現在ホームレスです」


「ホームレスのあなたが……テレビ……?」


「小型の電池駆動のテレビが、ワンセグテレビがあるんですよ……この携帯の!」


「なるほどなるほどフューチャーフォンの旧式のやつね……でも電気は……?」


「太陽光発電とか……自転車発電とか……自作して……」


「部品は?」


「全部ゴミ捨て場から、拾ってきて……はい泥棒ですね完全に」


「なかなかの工作技術なのね……うちの同好会入らないと誘いたい」


「ええと僕は僕はただの薄汚い宿なしです……だからこれから警察が来て、逮捕されるんでしょ……だから君の誘いはもちろんむりです」


 するとそこにある人が入ってくる。


 マスターの岩頭さんだ。


「若造の坊主だな……そこの騒動の発信源の……それとナナナちゃんか……なんか妙な組み合わせだな……」


「ひいいい、ヤクザ!?」


「なんだてめぇ……? あんなはんぱもんより。俺のほうが上だぞ! てめぇはこの店の売上金に手を付けたんだからなぁ……それそうのう覚悟があってだよなぁ……?」


 そういうと岩頭は右ストレートでセイカの腹を殴った。


「ぐほっおおお……」


「こんなのあいさつ代わりだ……この程度でてめえを許した覚えはないぞ……」


 そういい、今度は張り手で右ほほを張り裂ける様にはたいた。


 次は足を足で蹴る。


 そのまま脳天に脳天でカチ割る。



 クサカベセイカは心底ボロボロだった。


「ちょっとなのん……顔が怖いマスター岩頭!! あまりやりすぎんじゃねえ……こいつはもしかしたらかなりの逸材かもしれんのに……さっきのミミに対して行った洗脳術も……こいつかなりやるやつなのねん……」


「だから危険なんだよこいつは……」


「星明っち……いたのね……」


 星明がいつの間にかいた。

 なんか心情的に大丈夫かと思われるように顔が高揚している。



 そしてもう一人、川村洋子さん……確か結構暗くてあまり話したことないが、経理のひとだったかな。

 その人がクサカベセイカに寄り添うようにして、かばうようにこう言った。


「セイカ君を許してあげて……お願いあたしからの頼みだから…………」


「あんたは……………………もしかして……? ようこさんなのか?」


「そうだよセイカ君……なんでなんでこんなことしたの……レストラン強盗なんて、悲しいよ、こんなことする人じゃないってあたしは知ってるのに……知ってるのに……でもでもなんで……」


 ようこさんは眼から大粒の涙を流してわたしたちに懇願するように許しを貰おうとしていた。


 当の本人……クサカベセイカは胸の内をあけるようにこう話した。


「僕は……もう後がないと思っていたんです。そして最近飼っている猫を車に引き殺されました……そいつはたぶんひき逃げで捕まってません、そして僕はどこかの螺子が外れて、可笑しくなってしまった。先ほどは演技と言いましたがもう一人の自分、想気が自分の中にいて、そいつが勝手にやったのは語弊がありますが……それでも僕は猫を殺された恨みがあったんでしょう……そんなことで許されるわけがないですね……」



「その通りだ!! 警察が許しても、この私が許さない!! 正義の使者! 正義仮面登場!! たっ!!」


 みんなの視線が正義仮面に映る。


 誰だこいつはっていう目だみんな……?


「あっ警察のおまわりさん!! 何でこんな時にいまさら!?」


「なぜに正体を一発で当てるんだ……僕はナマケモノの警察モドキだといっただろ……あんたやつらと一緒にしないでくれる……?」


「あの……あなたは警察官ですか?」


「そうです僕は警察官です」


「なら、この人の話を聞いてあげて欲しいのです……あたしはこの人の同行者でいいので……」


「わかりました!! 話は私の家で聞こうじゃないか……(にやり)」


「そうなのねん。話はこの警察官のお兄さんの家で聞くのねんねんねんなのんっ!!」


「まあそうだな警察を呼ぶ手間が省けたな……さて俺たちは仕事に戻るぞ……ミミ!!」


「私は一人……私は一人…………セイメイ君は私なんて見てない見てない見てない…………………………はっ!! 岩頭さん!! はい今行きます!!」


「ミミっ!! 正気に戻ったのか!!」


「ええっと、どうしたんですか? 星明君? わたしは最初から正気ですよ……?」


「はっなにいって!?」


 岩頭が後ろから星明の口に手を塞ぐ。


 そして岩頭がこっそり耳打ちする。


「知らねえほうが身のためだセイメイ……」


「岩頭さんあなた何か知っているんですか……?」


「さあな……ちょっとだけ本人から聞かされているだけだとしか言えねえな……」


 とまあそんなわけでレストランの業務はいつ戻りに稼働していくようだ。


 フェスティバル……アイドルフェスティバルも本番の準備にかねて本当に会場を借りてやるのは……あと7日後だ。今日は2020年7月25日の土曜日で来週の8月1日のお祭り本番に向けて大忙しだ。


 夏休みは始まったばかりだ。なおクサカベセイカはどうなったのかというと……


 警察官のふりをした名を佐藤丹士郎さとうたんしろうさん佐藤さんらしいがこっぴどく説教した。


 そして川村洋子さんは学生時代の彼の経歴……いじめをうけていたけどこんなふうにあたしを助けてくれたというエピソード……といっても昔から助けてくれて自分は高校3年の途中で高校を中退したが、という話に大いにもりあがった。


 とりあえずナナカも呼んでみんなで茶を飲むお菓子を食べた。


 セイカさんはもうしない絶対にレストラン強盗どころか犯罪しないと誓っていた。


 誓約書も描いたらしい。


 そして七星家のナナナ権限で研究所……カナさん主催のラボに放り込んだ。

 かなり腕がいいらしい。


 今は雑用だけど将来かなりの技師になれるとか……


 なおナナナとナナカとルナちゃんのコーデでかなりの美少年? 年は21歳なんだけど……イケメンと言うより中性的な見た目になった……というか好みだとルナちゃんが言ってた。


「セイカのお兄ちゃんルナの第二婦人にしてあげるね……」


「僕は奥さんですか? 男なのに……!?」


「でもあんたこんなにイケメンなのにもったいないモデルでも紹介してあげようか?」


「ナナナさん僕に職も暮れて寝床も暮れて、これ以上あなたの一族に返せるものなんてないのに……そんな僕のためになんで……うぅっ……(号泣)」


 星花は泣いている。大粒の涙を流していた。


 そして連絡が来た。


 電話で。


「おい嬢ちゃん……なんか一人ぐらい逸材いないかね……岩頭だ! 何っクサカベセイカだと…………まあいいこっちは猫の手も借りたいぐらいだ。


 現時点、7月28日火曜日。花曜日とも言う。


 クサカベセイカ処分保留につき保釈。

 精神不良につき、保釈。


 カウンセリングを受けたのちに、七星レストランに引き取られる。


洋子「会えたね!! セイカ君、あたしずっと待ってたの……だからお願いあたしをお嫁さんにして……ダメかな?」


星花「よろこんでお引き受けします!!!」

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