ランズ・エンド防衛戦1
ジャポン皇国 北100km オーホッホ海 護衛艦いずもCIC
1800年代のヨーロッパでは主流であっただろう木造船10隻と、それを護衛する日本の護衛艦2隻がジャポン皇国の北方面にある旧ダージリン王国の人類防衛ラインであるランズ・エンド防衛基地に食料物資を届けるために
進んでいる。
今回の護衛任務は、ジャポン皇国に国交樹立のために向った みずほ型巡視船の護衛を勤めてる第一護衛隊群第5護衛隊+α
護衛艦いずも
護衛艦こんごう
護衛艦あけぼの
護衛艦ありあけ
護衛艦あきづき
この5隻が海上警備行動に従事している。
日本はジャポン皇国と国交樹立ができたため、エドワンにみずほ型巡視船と護衛のため3隻の護衛艦を停泊させてる。
念のため、護衛艦いずもには陸上自衛隊の部隊が一緒に乗り込んでいる。
これにはわけがあった。
衛星からコアラ大陸と皇国の地図などは調べられるが、リアルタイム情報などの最新情報を得るのは非常に難しい。
かといって哨戒機などの派遣も検討されたが、未知の場所であるため
国交樹立後に周囲の状況調査をするために無人機スキャンイーグルを運用してる陸上自衛隊にお鉢が回ってきた。
そのためスキャンイーグルを運用できる陸自隊員が一緒に乗り込んでいる。
現在、いずも型の広い甲板からスキャンイーグルを発艦させランズ・エンドとその周辺情報収集に従事してもらってる。
「順調に進んでるようだな、ただし護衛対象の木造船の遅さに合わせなきゃならないのは大変だが・・・」
「艦長、そこは仕方ありません。この世界の文明レベルは1800~1900年代前半と調査結果が出てます。ただ、魔池とよばれる我々でいうところの電池に近い装置で15ノットという
中世ヨーロッパ時代の戦列艦など真っ青になるほどの速力を出してることです。それは地球の文明レベルの規定に合わせる必要はないのかもしれませんね。」
そんなこと艦長と部下が雑談をしていた。
そして、通信士から報告が入った。
「艦長!同乗している陸自から連絡が入ってます。」
「つなげ」
「陸自Aです。スキャンイーグルで情報収集中のランズ・エンドに向ってる無数の魔族らしきアンノウンを確認!映像とデーターを送ります。今現在のイーグルからの映像です。」
そしてモニターにスキャンイーグルが現在捉えてる情報が映し出された。
「こ・・これは・・・」
CIC内部の一部が驚愕した。
それもそのはずだ。
無数の数にしたら10~20万だろうか、大軍勢がランズ・エンドに向かってるのであった。
「この軍勢は何日ぐらいでランズ・エンドに到着するんだ?」
艦長の問いかけに対して
「おそらく進行速度からして5日ごろかと、われわれがランズ・エンドに到着するころの翌々日には軍勢と防衛戦を展開してるかと思われます。更にいえば食料不足で体調も万全でない軍隊ですから突破される危険性は非常に高いです。」
確かに剣や弓が主流で魔法というイレギュラーを入れたとして、あの軍勢にはかなわないだろ・・・。
「通信士、エドワンで停泊してる「みずほ」に状況報告、その旨女皇経由でランズ・エンドに魔信で急いで報告をしてほしい。そして本国にも状況の報告で可能であれば支援要請をしてほしい。」
「十中八九、あの防衛基地にいる連中は突破されて全滅される。皇国や大陸2カ国はその推測のもと我々に助けを求めてくるはずだからな。おそらくだが」
「りょ・・了解です!」
通信士は急ぎ言われた作業の実行を開始した。
それから日本政府が国際貢献で害虫駆除退治の名目で展開中の護衛艦に防衛戦参戦と本国からの航空部隊派遣を決定した。
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ランズ・エンド防衛基地 作戦司令部
私はこの防衛基地の司令長官ドレークだ。
今しがた、皇国から緊急魔信が入ってきた。
内容は、魔族の大軍勢がランズ・エンドに向かってきてるとのことだ。
数少ないペガサス隊の2機を偵察に向かわせたところ、西方100kmほどのところに総数不明、少なく見積もっても10万以上の魔族の大軍勢と100機近くのゴブリンライダーらしき存在を確認できた。
だが、この防衛基地にいる残存兵力は1万も満たない。
2~3日前に魔信での皇国側との定期報告で皇国と我が王国含めた大陸2カ国との国交を結んだ国があるとあったな。
国名は・・ニホン国
西方にある列強アトランティア国の機械戦艦らしき船でやってきたとあったが、それがわれわれの食料物資を海で運んでくる為の護衛で伴ってやってくるんだったな。
ただ、私が知らない国だから新興国家の可能性もある。もしかしたら文明レベルが我々よりも低すぎる可能性だってある・・。
だが大型機械船でやってきたとあったのだから、もしかしたらアトランティアの支援のもとで独立した国の可能性もある。それなら戦力になりうるだろうな。
アトランティアは中立国家で覇権主義国家ではないため信用はできる。
そして作戦会議が始まった。
防衛基地各部隊の隊長が一同に集まった大事な会議だ。
「諸君、本日皇国から魔信にて魔族の大軍勢が防衛基地に迫ってると報告があった。偵察部隊のペガサス2機を向かわせたところ。西方100kmに20万以上の大軍勢とゴブリンライダーを多数発見したとのことだ。
この会議が終わり次第、第一種防衛体制を発令する。」
そして防衛戦の作戦概要を説明した。
「喜べ諸君、明日には皇国から食料船がやってくる!おなか一杯にして万全の状態で防衛戦に挑めば、我々は勝てるだろう。」
私のこの発言に各隊長は大喜びをした。それはそうだ、この半年まともな食事は食べられず魚や草や魔物の肉などを焼いたりお湯で沸騰させたりしたのしか食べてないのだから。
そして私はニホンという国が食料船を護衛してやってくる旨も伝えた。
「そして、この基地に食料船が向かってくるにあたって皇国と我が国含めた大陸2ヶ国はニホンという新興国家と国交を結んび、そのニホンの船が護衛をしてやってくる。
確定事項じゃないし、私の推測だが、そのニホンなる国の船も防衛戦に加わってくれる可能性はある!この基地の人員は1万も満たないのだ。加勢してもらえそうな勢力や組織があれば積極的に取り込もうじゃないか!」
「おぉ!友軍になってくれる可能性か・・」
「ニホン・・・聞いたことのない国だ。信用できるのか?」
「未開の蛮国に助けを求めないといけないほど我々は疲弊しているのだな・・・」
各隊長が様々な意見や感想を述べて、会議は終了した。
そして翌日、まさか鉄でできた大型の機械船を見て驚愕することになるとは予想外だった。
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日本国 防衛省
「護衛艦いずもからの報告と、皇国からの国交樹立の条件の政府の容認を含めて海外派遣を実施します。」
無数の魔族の集団に対しての対応はランズ・エンド防衛基地だけでは不可能と政府は判断をして、防衛省に害虫駆除退治という名目で自衛隊派遣を決定をした。
東京から2000km先に自衛隊派遣をする準備と時間が圧倒的に足りず、航空宇宙自衛隊による空からの攻撃を主体として、ジャポン皇国に展開中1個護衛隊群で巡視船護衛除くランズ・エンドに展開中の艦から艦砲と哨戒ヘリによる機関銃による掃討作戦の展開で決まった。
残存する敵部隊への地上戦は防衛基地に展開してる現地の騎士などに対応を当たらせる予定だ。
ただし、2000km先の場所に戦闘機で派遣は難しいので、その中間に近い位置で空港がある硫黄島と沖縄の那覇基地からランズ・エンドまでは約1000kmのため日本が保有する戦闘機の行動半径に十分に対応できる。
「そのため、最初は空からの面制圧爆撃で行います。合計64機です。F-15XJ戦闘機にMk82無誘導爆弾を20発とAAM-5を4発と増槽を1つ搭載を10機、護衛のF-35にはMk82無誘導爆弾を10発とAIM-9Xを4発を搭載したのを6機。F-35の場合はステルス機能は除外して翼下パイロンにも武装させます。
そして、F-15XJの10機とF-35の6機の合計16機のグループを4つ設け、各2グループを硫黄島と那覇基地から順次に向かわせます。
ジャポン皇国に展開中のいずも型護衛艦には艦載機としてF-35Bが搭載されてるが、これはランズ・エンド防衛戦が終わった際の不測の事態が起こった場合対処可能要因として今回は作戦には参加させない。その代わり哨戒ヘリのSH60Kはフル稼働させる。」
更に続く
「この攻撃で魔族の何割かは撃破でき、敵航空部隊の掃討も完了する予定です。
次に、護衛隊群のランズ・エンド防衛基地から艦砲にて防衛基地に迫る残存兵力を叩きます。更なる効果を上げるため哨戒ヘリSH-60Kに機関銃を取り付け掃討を試みます。ここまで来ると敵の個体数も1000前後になる予定ですので、残りは防衛基地の人間に対処させるつもりです。
我々としては、哨戒ヘリの機銃攻撃と艦砲を持って残存兵力殲滅する心積もりでいます。」
更に続く
「この作戦に関して、関係してるダージリン王国のアールグレイ王女とジャポン皇国のオイニ女皇からは事前に許可を貰ってます。」
「それから、防衛戦役後ですが・・」
防衛会議はまだまだ続くのであった。
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旧ダージリン王国 ランズ・エンド防衛基地 西方100km
私は魔王軍対人類殲滅部隊ダージリン方面軍総司令のクロウフォードだ。
現在、ダージリン王国の9割は占領できた。後はランズ・エンドにある防衛基地さえ押さえれば完全占領になる。
そして魔王様の新たな領土の完成だ!
それに今回の部隊編成は
ゴブリンロード率いるゴブリン部隊10万
ゴブリンライダー部隊が100機
レッサーデーモン率いるデーモン部隊2万
グレーターデーモン率いるデーモン部隊1万
合計13万と100機による圧制による究極の極みだ。
だからこそ、ランズ・エンドに立てこもる人類など些事に等しい。
「ふ・・・ふふふ、見えるぞ。私が総司令から4大魔人様と肩を並べられる階級に昇格できることを、あぁ~俺はなんて幸運だ。
人類というひ弱な存在を潰すだけで昇格できるなんて。魔王様には頭が上がらなくなりますね・・。」
クロウフォード率いる大軍勢は野心に満ち溢れてる司令官の独り言を流し聴きしつつ、東にあるランズ・エンド防衛基地へ向かってるのであった
だからこそ、三日後に地獄がやってくるとは思わず・・・・。