首都防衛4
遅くなり申し訳ございません。
アトランティア国 首都ビーナス 沖合130km
4隻の空母から発艦した飛行機群
本来はアトランティア国の残存艦隊を沈めるべきだが、艦隊司令からじきじきに
艦隊決戦にて沈めると強い意志で言われ、航空隊は海軍本部に残る残存艦と本部そのものの破壊を命じられた
アトランティア国主力艦隊の多くを沈めた航空隊は空母に戻り、爆装と燃料補給を行い再度飛び立ったのであった
「各隊、我々の目的はアトランティア国の海軍本部に残ってる艦をすべて沈めることと本部の破壊だ
今回は首都攻略は行わない、攻略はいずれ行う、そして我々の支配下にする!」
「「了解!」」
「隊長!前方の港付近に残存艦4隻を双眼鏡で確認!、大きさから重巡洋艦1と駆逐艦2と補給艦1とみられます」
パイロット達はニヤリと笑った
獲物を見つけたと
「こちらワンワン2の偵察員、敵の重巡洋艦と駆逐艦の大砲は1門のみ
双眼鏡からですが、各艦の砲の大きさは12cmらしき豆砲1門のみです」
「12cm砲・・副砲の間違いじゃねーのか?」
「いえ、他に主砲らしき大型砲は見当たりません
更に対空機関砲らしきのも見当たらずになります」
各護衛艦にはファランクスと呼ばれる近距離防衛の20mm機関砲を搭載してるのだが
偵察員から見た感じでは白い寸胴のものが被さってる何か程度で脅威にはならないだろうと報告を飛ばした
「おいおい~敵さんの高級官僚向けのクルーズ船か!」
「「「ワッハハ」」」
「各隊、残存艦を一気に叩く!
ワオーン隊は低空から! 我々ワンワン隊は高高度から一気に仕留める」
「「了解!」」
各隊が攻撃開始しようと思った矢先、目的の4隻の残存艦の内3隻から大量の煙が発せられた
「まさか自爆!?」
「いや、何か打ちあがったぞ!!」
そして無数の物体が急速にこちらをやってきたが・・
我々を無視して更に後方へと、ものすごいスピードで向かって行ったのであった
「なんじゃありゃ?」
「もしかして・・ロケットか!アトランティア国は我が帝国の数世代前の文明レベルの国家と聞いてるぞ」
「た・・隊長!ロケットらしきのがこちらに向かってきてます!」
なぁ!?
「全機、敵艦からのロケットを回避しつつ攻撃開始せよ!」
各部隊は散開しつつ攻撃を開始しようとしたが・・・
「こちらワオーン2、ロケットが、ロケットが意思があるかのようにこちらに向かってきてる、よけきれない!!」
ズドーン!!!
ワオーン2の報告とともにワオーン隊すべてにロケットが当たり全滅した
「なぁ!?馬鹿な!、ロケットが意思を・・誘導式か! ありえん! ありえん!まだ帝国では構想段階だぞ!くそおお」
「隊長!、こちらワンワン2偵察員!空母と戦艦がロケット攻撃を受けております!」
後方の水平線に浮かんでる我々の艦隊から大量の煙が上がってるのを目視で確認が取れた
通信機にて重巡洋艦1隻からの連絡があった
「攻撃隊!攻撃隊!、こちら重巡洋艦の艦長だ、空母と旗艦含めた戦艦がロケット攻撃らしきものを受けた
空母は沈み旗艦含めた戦艦の艦橋にロケットが当たり、司令の生存絶望的!本作戦は完全失敗だ
臨時艦隊司令を私が行うことになり、命令を下す即時こちらに戦闘機を引き返せ
海上に着水次第我々が回収を行う、回収が完了次第撤退する」
だが、ワオーン隊が全滅、それでなくても今なお、誘導式ロケット攻撃を受けてワンワン隊が全滅しつつあるのだ
もう残ってるのは10機程度しかない
「艦長、その命令は承服しかねる!我々の全滅は時間の問題、なら!敵艦に一矢報いる!
なお、帰還希望者はだれもいませんでした!」
「・・・わかった、こちらは撤退を開始する、アトランティア国の残存艦からの砲撃が開始されてこちらも被害受けつつあるためだ
」
「了解しました、艦長ご武運を!」
「そちらもだ」
そして通信が途切れた、運がいいことに誘導式ロケット攻撃も止んだようだ
「残存する機は、爆弾抱えたままでも敵艦に攻撃を当てろ!一隻も落とせなかったら我々にとっての屈辱だ!」
「「了解!」」
生き残った10数機は、高高度から一気に攻撃を開始した
「敵艦、主砲こちらに向けてます・・回頭が早い・・・」
「たかが1門の豆砲で、俺たちを止められるわけないだろう!」
うおおおおおお
機関銃の射程まで近くまで来てるのだが、敵艦の主砲が発砲した
ドン! ドン! ドン!
砲弾の発射音が鳴るたびに航空機に当たっていってる
なぜだ・・・なぜ当たる・・
あれ・・なんだ!?あの旗は!事前に報告にあったアトランティア国の軍艦旗と違うぞ!?
まさか・・まさかまさかまさか
我々が戦ってるのはアトランティア国ではない別の国・・?
我々は根本的に勘違いをしてるのでは・・!?
そんな思いをしながらワンワン隊隊長は
あさひ型護衛艦の主砲Mk45 mod4 日ノ本製鋼所ライセンス生産の砲から発射させた榴弾を受け死亡した
・・・
・・
・
首都防衛戦から5日後
アトランティア国 首都ヴィーナスにあるホテルの1室
ダックスフンド帝国からの侵攻阻止には成功したものの、アトランティア国の海軍主力艦が全滅という甚大な被害を受けた
日本の護衛艦3隻からの支援が無ければ、空路と海路両方の攻撃によって首都ヴィーナスは甚大な被害を受けた可能性があった
それに対して首都を守り切ってくれた日本にアトランティア国の多くの国民が支持をした
トップである大統領が直々に日本の外務省職員がいる場所へやってきて直接国交樹立を改めて署名と声明を発表した
外交官ミネルヴァとの署名は破棄された上で、大統領と日本国外交官の間で改めて交わされた
アトランティア国歴史上類をみない、大統領が直接国交樹立を宣言するという異例の事態になった
その日のギルド新聞含めて多くの国が日本という国を認識するようになった
「まさかの展開で怒涛の忙しさでしたが、日本の国益に大いに貢献できる展開となり嬉しい限りですね
この国の大統領が登場するとは予想外でしたし、更に大統領自身と国交樹立を正式に交わすとは予想外でもありました」
大統領との署名に際して
・日本国大使館の設置場所の敷地賃貸料を100年免除
・日本国の商業ギルド、商人、商会などがアトランティア国で商売を始める際に収める税金の10年免除
・双方話合いのもと、アトランティア国へ軍事力強化支援
・相互の留学生受け入れ
などなど、日本にとってメリットの大きいことであった
大使館設置場所は、首都ヴィーナスの中でも非常に立地の良い場所を貸していただけた
後日こちらに来る護衛隊に陸自の施設課隊員と民間の建築会社の会社員が大使館建造のために乗船の上くる予定だ
建物自体はプレハブ構造で本国でほぼほぼ出来上がったのを現地で組み立てる予定とのことで2カ月ほどで建設可能だ
気がかりになってるのは、今いる護衛艦隊と後日やってくる護衛艦隊合わせて1個護衛隊群になるが
その分空いた日本の海上防衛力が気がかりだが、本国は問題ないと返事を貰ってるため信用することにした
それに、アトランティア国の海軍壊滅的状態なため一時的でも海上防衛に従事要請をアトランティア国から受けたため
日本国は平和安全法制に基づき、アトランティア国へ護衛艦隊を平和維持のため派遣することが決定
付随して大使館建造要員、更に約100人の学者や民間人と護衛のための自衛官などなど
コアラ大陸への防衛兵器輸出のために準備していた防衛装備の宣伝など乗せた上で向かってきている
そのような出来事が発生してる間の束の間の休息である
「これからの双方の発展に我々が寄与できればと思いますが、先輩は在アトランティア国日本国大使に就任で本決まりですね」
今回の件の功績によって三浦は全権大使にすることがほぼ決定された
後は本国に戻ってからの対応が終わり次第とアトランティア国大統領が認めたらの話である
幸いに異世界では信任状捧呈式と同じような、似たような形式があるために国交樹立の際は比較的地球時代のやり方で対応できるということが判明している
「嬉しい限りだが、そのためには一度日本に戻り天皇陛下から信任状を御受け取りしないといけない、更に外務大臣から辞令を受けないといけない、やることがいっぱいあるみたいですよ
それも含めて、後続の方々の対応が終わって一緒に帰国して再度来訪だから、なんだかんだで1年後とかになるだろうね就任は
そもそもだが仁君、君は何者だい?若手エリートに関しての情報は僕の耳に入るはずが入ったことないし
今回の国交樹立も本来は護衛に自衛官を付けないといけないが、私達二人だけだったという不思議さ
気になるんですよ、そろそろ教えてくれてもいいのではないですか?」
スパイ映画にありそうなワンシーンであったが、三浦としても仁王という存在に疑問符を持っていた
外務省では一度も会ったことがない男であり、いつのまにか派遣団の中にいて先輩と呼ぶ男が不思議でしょうがない
「さすが先輩です、気づいちゃいましたか・・・
ですが僕は本当に外務省職員で国交樹立派遣団に正式に認められてますが表向きです
実は防衛省の人間なんですよ、所属とかは国防機密に該当しますので言えませんが
この世界は覇権主義国家だらけと文明レベルがあべこべ過ぎるということで
多角的に水面下で調査するように命じられてるだけです
後今回に関しては先輩の護衛も任務の内の一つですのでご安心を」
仁の返事を聞いた三浦は安堵の表情を浮かべた
「やはり防衛省の人間でしたか、外務省とそりが合わないはずだが転移後は協力関係になったというわけですか
何はともあれ疑問が解決できたので良しとしましょう
私が全権大使になっても、部下でいるんですよね?」
「本国からは別途指示は受けてはおりませんので、このまま部下で居続ける予定です
正式に先輩の護衛のため自衛官の派遣はありますので、僕が先輩の護衛に関してはお役御免になるかと思います」
「それは残念だ、それでは後続の護衛艦隊がやってくるまでホテル生活を満喫するとしましょうか」
「はい!」
そして後続の護衛艦隊がやってくるまでホテル生活を満喫しながらアトランティア国について知っていくのであった
・・・
・・
・
評価者数 71 人
ブックマーク登録 259 件
ご高覧頂きありがとうございます
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の更新は間章を入れてから次の章へと進んでいく予定です
相変わらず遅い更新になりますがよろしくお願いいたします
間章に関しては可能であれば年末年始に投稿する予定です




