首都防衛3
遅くなりました
11月の投稿も月末ギリギリになるかと思います
ご了承ください
アトランティア国 西側 沖合300km 戦艦アルサシアン 艦橋
皇帝の意思によりアトランティア国を屈服させる目的で
16隻の帝国が誇る精鋭艦を派遣することが決定された
その旗艦である、最新鋭戦艦アルサシアン
主砲である38cm(47口径)砲を連装砲塔4基を前後に配置
15㎝連装副砲、105㎜連装高角砲、37㎜連装機銃など多彩な武装を搭載した
ダックスフンド帝国最新鋭にして最強の戦艦だ
「通信士、爆撃機編隊との連絡はどうだ?」
「いえ、未だ連絡が取れず、もう2日間通信ができません本国も通信ができないと報告があり
おそらく撃墜されたとみるべきかと」
「ふむ」
16隻の艦隊総司令官であるハラウド・コールだ
もともと彼は、旧世界の敵国であるジェントルマン連合王国出身の将校だが
ダックスフンド帝国の栄光に憧れ、祖国を裏切り今の地位に付いた
それによってジェントルマン連合王国の情報が多くダックスフンド帝国へ流れ
連合王国からは災厄の裏切り者と呼ばれている
「そうなると、我々がアトランティア国の首都ヴィーナスに攻撃を行わないと目的が達成できないな」
「その通りでございます司令、ですが・・」
参謀として立ち振る舞いをしてる戦艦アルサシアンの艦長であるウィーンの発言だ
「言ってみろ」
「はっ!、首都防衛を担う艦を潰す必要はあります。それだけでも弾薬が多く消費されます
そうなると首都爆撃に至るための弾薬が不足してしまう恐れがあります。
昨日の8隻の艦は、ヴィラナスドーターの戦列艦と違い近代的な艦ばかりでした
我が帝国の2~3世代前の戦艦が2隻は発見できており
脅威であるのは確実です
それらが更に首都防衛を担ってると予想されます、魚雷だけで沈めるのは困難かと思いますので
大量の爆弾又は砲弾も消費する必要性が出てきます」
「確かにそうだな、爆撃機編隊も恐らく撃墜されたとみていい
危険を冒してまで首都ヴィーナスを爆撃する意味が爆撃機編隊の撃墜によって失われた
それであれば後退したほうが良いだろうが、ここは発想の転換だ」
疑問に思った艦長が司令に問い合わせた
「発想の転換とは?」
「首都爆撃は行わない、だが首都の海軍基地にいる戦闘艦すべてを沈める
沈め終わったら、そのまんま北上して昨日の8隻の派遣元の海軍基地にも攻撃を仕掛ける
これだけでもアトランティア国の海上戦力は大幅に失われるだろ
そして帰還する
この結果が帝国への恐怖を覚えて、向こうから降伏するという流れはあるんじゃないか?」
「なるほど、それであればわが軍の被害も必要最小限に済みます
昨日の8隻の件で、海軍にとっては転移後初めての戦死者を出してしまいました、この屈辱を恐怖に変えて与えることに意義はあります」
通信士から報告が入った
「司令、艦長!レーダーより感あり、前方100kmほどに大艦隊です
総数は・・32隻です!」
「主力が来たか!これを沈めれば我が艦隊を阻むものはない!全艦戦闘準備開始!前方の大艦隊を殲滅せよ!」
「「「了解!」」」
期待と確実な勝利に燃える司令であった
・・・
・・
・
時間は少し戻る
アトランティア国 首都ヴィーナス 海軍本部
「ここが海軍本部の司令部であります」
なぜか外務省職員の私達がミネルウァ様に連れられて海軍本部の司令部へと向かいました
相手から見れば、爆撃機撃退のお礼も兼ねて情報を与えてくれるようです
その可能性もあれば、防衛省の制服組1人は連れてくるべきでしたと後悔はすでに遅しです
私も先輩もミリタリーゲームで鍛えた知識などありますから上辺だけでも取り繕うことは可能でしょう
「他国の人間である私達を国家中枢の1画に入れてよろしいのですか?未だ困惑ではあります」
「大丈夫です、爆撃機撃退のお礼でもあります、大統領、副大統領、海軍大臣も認めてます
大統領というのは分かりやすく言うと王様、皇帝に似た立ち位置で国のトップであります」
アトランティア国は大統領制つまり議会制国家の可能性はあると二人は推測した
それであれば、話合いなど行いやすい環境かもしれないと更に考察した
「歓迎は納得しました、私達をこの場所何を見学すれば良いのでしょうか?」
「それは、二方の情報にあったダックスフンド帝国の艦隊の件です
恥ずかしながら、昨日我が国のサントリーニ県にある海軍基地所属の8隻の艦隊が帝国の大艦隊と戦ったのですが
全滅してしまいました
海を泳ぐ爆弾という意味不明な攻撃で我が国の最新鋭戦艦2隻含めて沈められたという屈辱があります
現在、帝国の大艦隊は海軍本部まで後6時間ほどの距離にあります
昨日、司令部では本部所属の主力32隻の派遣を持って大艦隊殲滅を決定しまして、3時間前に32隻は出航しました
つまり、その海戦結果を見届けをしてほしいのです」
見届けのために、私達をこの国に足止めしたというわけですか・・
観戦武官かなぬ観戦文官ですね
海を泳ぐ爆弾・・魚雷ですよね、魚雷の概念がない
大丈夫か?
「その帝国の大艦隊の編成はわかりますか?」
「それでは、私が説明しよう」
仰々しい服装の方が現れた
「私は海軍本部司令部の司令長官ラーンと言う、日本国の使者達よ
軍人代表として爆撃機撃退に関して感謝を言う、ありがとう!
本来であれば、海軍大臣であるエーギル大臣が言うべきなのだが
今回の件で議会側への対応のため私が代理として述べることになったことに対して申し訳ない」
「お気になさらず、私達はあくまでも友好的に国交を結ぶことができた国の国民が犠牲を強いるのが確実という事態に
我が国が何もせず傍観というわけにはいかないためであります。
もしかしたら内政干渉に当たるかもしれないことに対して申し訳ない」
そして双方イヤイヤ~こちらこそ~と日本特有の双方の謝罪合戦になりかけたが
先輩が気をきかせてくれた
「ラーン様、今回の大艦隊の編成はいかように?」
「おぉ~そうだった、失礼した
帝国の大艦隊は合計16隻で空母が4隻、戦艦が2隻、後は巡洋艦もしくは軽巡洋艦か駆逐艦になる
補給艦の報告がなかったため、司令部としては攻撃だけを行った後占領など考えず帰還する流れで動いてるのでは?と推測している」
「なるほど、爆撃機の攻撃と併用することで何かしらのアクションをダックスフンド帝国側に起こしたいという意味でしょう
そこから先は、越権になりますし我が国が関知すべきことではなく貴国の政治で対応すべき案件ですね」
「うむ、助かる
今回は我が国を救ってくれた貴国に対して、我が国の艦隊の強さをアピールするとともに
列強国としてすばらしさを実感してほしい」
列強国としてのすばらしさ?
文化的プレゼンスや軍事的プレゼンスの意味合いなんだろうか?
「今回、海を泳ぐ爆弾なる兵器が使われてサントリーニ基地の艦隊が全滅したと報告は受けてる
それに対して、現在近隣の陸軍基地で稼働できる戦闘機を多く動員させて
空母艦載機に対応させる
こちらの派遣済艦隊の内の6隻は空母である
つまり空母からの艦載機と陸軍航空隊の戦闘機による飽和攻撃で確実に帝国の航空機を殲滅できると確信している」
「その海を泳ぐ爆弾は、おそらく魚雷だと推測します、対応策はあるのでしょうか?」
「ギョライ?貴国は何か知ってるのか?」
「海を泳ぐ爆弾、我が国では魚雷を呼びます
船底などへ攻撃を行い、船の竜骨を折り沈める
大型艦に対して非常に有効的な兵器です、射程はわかりませんが3~10kmはあるんじゃないでしょうか?
専門家ではないため凡そ数値でしか答えられませんが」
真っ青になるラーン司令長官であった
「そ・・そのようなのが兵器としてあるのだと!?
そのギョライになる兵器が大量に使われたら32隻だって無事だとは思えなくなる・・・
何か対策はないのか!?」
「対策は航空機から魚雷が投下されたら面舵か取舵を切って回避するしかないかと
誘導式の可能性は否定できませんが、とりあえず回避することをお勧めします
後は魚雷搭載の航空機は低空を飛行して迫りますので優先的に叩くかが考えられます
軍人ではないため専門的には答えられず、知ってる限りでは、その2点になります」
その会話に割り込んできた若い方がやってきた
「失礼します。お話し中申し訳ございません
今、派遣中の艦隊司令より帝国の大艦隊と大量の航空機を確認した、これより攻撃を開始するとありました」
「使者殿、今の助言を前線に報告してもいいだろうか?戦闘が開始されたとはいえ将兵の生存率を上げたい」
「かまいません、対応できることで生存率を上げるのであれば良い判断かと思います」
「ううむ、通信士今すぐ艦隊に通達
海を泳ぐ爆弾に関してだ
低空を飛行して迫る航空機は最優先に攻撃、仮に海を泳ぐ爆弾が迫ってきたら面舵を思いっきり切って回避せよと」
「了解!」
別の通信士が報告してきた
「敵の戦艦、巡洋艦に攻撃を行ってる空母艦載機からですが
黒い花火が空中に咲、咲いた瞬間近くの友軍機がどんどん落ちていくとありました」
「黒い花火だと!?なんだそれは!」
そして、なぜか私達の方向を見て目をウルウルしそうな感じで質問してきた
「近接信管搭載の砲弾でしょうか?通常の砲弾と違い
航空機の付近を通過する場合、その通過する瞬間に反応して爆発するシステムです
ダックスフンド帝国なる帝国は非常に高度な技術力を持つ国家と私達は現段階で推測します」
「な・・!?そんなのが兵器としてある・・だと!?
ばかな・・・・」
項垂れる司令長官であった
「報告します!、先ほど陸軍航空隊が帝国の空母艦載機とドックファイトが開始されましたが
敵の航空機は、我が国が開発中の単葉機と報告があり
性能面の差により劣勢でございます」
「単葉機だと!?
この列強国であるアトランティア国より技術力が上の国家だというのか・・・
そういう兵器類はアングロサクソン帝国ですら実現してないぞ!」
報告すべてが劣勢関連なのとわかり
司令部の雰囲気が悪くなりつつあり、更に司令長官も顔色が険しくなってきてる
戦闘開始されて2時間頃経過したのち
陸軍航空隊の戦闘機、空母艦載機が全滅したと報告から始まり
多数の艦が魚雷によって沈められて
残存する艦は残り10隻も満たない状態になった
更に帝国の大艦隊に対して有効的なダメージを与えることができず
巡洋艦もしくは類似する艦2~3隻に対して小破レベルのダメージしか与えてないとあった
サントリーニ基地から援軍を要請するにしても到着まで1日はかかるため不可能
陸軍航空隊にこれ以上の応援を呼べば別方面の防空が手薄になってしまうため援軍が送れず
海軍本部基地の艦は全部派遣してしまったため、現在日本の4隻の船しかない状態だ
そして司令長官が希望にすがるよう私達を見て、なんと部下など周りが入る前で恥を忍び土下座をしたであった
「日本国の使者殿よ!恥も外聞も捨てる
助けていただけないか!、このままでは艦隊が全滅してしまう
残りの艦もいつ沈められるか想像がつかないが、すぐであろう
だが、あの爆撃機を全滅させた日本国の巡洋艦であれば対応できるのではないか?
できるのであれば、この通り、我が国を救ってください!」
恥も外聞も捨てた立場のある成人男性の土下座はある意味すごいことだ
一昨日国交樹立を結んだばかりの国の使者に土下座で頼むことは普通はできない
なんたってアトランティア国は、この世界では列強国であるとのことで
意地とプライドがあるであろう状態に本気で助けてほしいと意欲はまじまじとわかる
「わかりました、こちらの艦隊司令に確認を取ってみます
対応できるかどうかは、こちらの艦隊司令の判断になります」
「頼む!頼み申す!!!」
そして、外務省職員の仁が持ってる通信機はなぜか電源がオンの状態であったが手に持ち通信を開始した
・・・
・・
・
アトランティア国 海軍本部 港 護衛艦あしがら CIC
「仁という外務省職員は若いながら優秀だな
海軍本部の司令部という中枢に入ってから通信機の電源を入れて
会話などの情報の一切をこっちに流してくれるとは
だが、想定通り太平洋戦争後期頃の技術と日中戦争開始頃の技術では
大人と子供レベルであったな
レーダー、敵艦隊の識別はできそうか?」
「約100kmほどの距離ですがギリギリ識別はできました」
外務省職員仁から通信入った
「こちら仁、艦隊司令
一昨日の爆撃機の対応条件を適用の上で敵艦隊に対して対処は可能でしょうか?」
「こちら艦隊司令、可能ではあるが全部を海に沈めるのは不可能です
誘導弾の数が不足のため難しい、だがアトランティア国の残存艦隊の協力があれば可能です」
「了解しました、対処をお願いいたします」
「承知した」
通信を切った後艦隊司令から指示が下った
「諸君、現時刻をもって侵攻してくる艦隊に対して対応を開始する、
まずは空母を片付ける
空母4隻に対して17式を各1発づつ使い攻撃を行う
その後、戦艦2隻に関しては超音速対艦誘導弾を各2発と17式を各1発づつ使用して対処する
残りの艦に関しては17式各1発づつ使用で対応する
戦闘可能な残存艦隊はアトランティア国の艦隊に対応させる
空母の航空機に対しては各艦で対応
20km圏内に入った場合は主砲をもって対処する
これらすべては、補給艦を護衛しつつでもある
以上だ
各艦艦長は状況開始せよ!」
「各艦行動開始せよ!」
「配置に付けます」
「水上戦闘よーい!」
状況が動きCIC内では慌ただしくなった
この防衛戦闘がのちにアトランティア国海軍近代化歴史の幕開けであった
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ご高覧頂きありがとうございます
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PVに関して約16万のアクセス
非常に嬉しい限りです
ありがとうございます。
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首都防衛含めたアトランティア国編は次もしくは、次の次で終わる予定になります
サクサクと展開を進めたいと思います
よろしくお願いいたします




