首都防衛2
アトランティア国 サントリーニ県 海軍基地
アトランティア国のサントリーニ県
広大な国土を持つアトランティア国の東側海岸沿い一帯にある県の一つだ
「海軍本部からの報告では、サントリーニ県の海域付近にダックスフンド帝国の艦隊が通ってるとあり
現在基地に配備してる18隻の艦のうち戦艦含めて8隻を派遣中、まだ見つからず
陸軍基地では、先のダックスフンド帝国の工作員による戦闘機破壊によって稼働できる機がほぼなく
奇跡的に首都ネプチューンに一時的に滞在してた東部海域偵察航空隊のエンジェル隊は無事でした
先ほどエンジェル隊から通信があり、ダックスフンド帝国の艦隊捜索を行うとありました」
「ご苦労、引き続き状況の報告を行ってくれ」
「はっ!」
私は東部海域海軍基地司令長官だと自己紹介しつつ
この基地に配備されてる艦は18隻であり、アトランティア国の東部海域から敵対勢力の侵攻を阻止するための
守りびとである
部下の報告通り、やっかいになりつつあるダックスフンド帝国が本格的に侵攻を開始したらしい
大量の爆撃機がヴィラナスドーターから首都ネプチューンに向かっていったと報告があり
なおかつ、そのルート付近にある陸軍基地の戦闘機が全部事前に破壊されたと最悪な報告もあった
だが、その大量の爆撃機隊は”どこかの部隊”によって排除されたらしい
”どこかの部隊”はわからんが感謝しないといけないなと思ったんだが
海軍本部からダックスフンド帝国の艦隊が東部海域を通って首都ネプチューンに攻撃する可能性があると報告があり
現在に至ってる
だが、安心してほしい
この基地所属の艦は戦艦から駆逐艦まで一通りそろっている
残念ながら空母は定期検査でドック入り中であり、艦載機はオーバーホール中である
空母が不在であっても、あのアングロサクソン帝国ですら最重要に警戒するに至る戦力を保有している基地だ
相手は列強国でない、我が国と同じ機械文明国家らしい
だが、格下のヴィラナスドーターを征服して慢心に至ってるだろう、技術力は我が国が圧倒的に上だ
なぜなら列強国の一国であるからだ
これは自負だ!
だから安心と余裕のもと、ダックスフンド帝国の艦隊を簡単に排除しましたと報告を待つばかりだ
「司令!エンジェル隊が敵の艦隊を発見したと報告がありました!」
「見つけたか!派遣中の艦すべてに通達、殲滅せよ!と」
「はっ!」
慢心してる格下相手に全力を出さないといけないのは大人げないが
いきなり首都を狙うの無謀だろうと思わせないとな
そして東部海域にはサントリーニ海軍基地があり、勝てない相手だと認識させないと
・・・
・・
・
アトランティア国 東部海域 旗艦 戦艦チンボーツ 艦橋
「こちらエンジェル1、敵艦隊発見!敵艦は16隻!空母4隻と戦艦2隻を中心とした大艦隊の確認が取れた」
「16隻!?偵察隊の間違いじゃないのか?」
「間違いありません、空母4隻を中心とした大艦隊です!」
「クソッ・・・ご苦労エンジェル隊!このままサントリーニ基地に帰還してくれ!我々が全力を持って敵艦隊を殲滅する!」
「了解、ご武運を」
艦隊司令部としての役割を担う艦橋では重苦しい雰囲気になっていた
ダックスフンド帝国は機械文明国家とわかっており、格下のヴィラナスドーターを滅ぼしたぐらいだから
ある程度の技術力はあるだろうと思ってたが、まさか空母4隻に戦艦2隻があると報告に驚きを隠せなかった
良くて巡洋艦を中心もしくは全部が駆逐艦レベルの大きさの艦という予測が司令部全員の認識であったからだ
「まさか、ダックスフンド帝国に空母と戦艦を作れる技術があるとは、下手したら我々と同等の強さということになるんじゃないか?」
「それですと、今回我々の艦隊だけでは殲滅は非常に難しいかもしれません、ここはサントリーニ基地から更に残りの艦を招集させた上で全力をもって当たらないといけないかもしれません」
「そんな悠長な時間はない。こちらの偵察機が艦隊を発見したということは
敵艦隊も偵察機を発見して我々の存在について予測を立ててるかもしれん、いや空母から艦載機が発艦されてる可能性もある」
「だが、空母4隻に搭載されてる艦載機の数では、我々を撃破困難かと
それに、この戦艦含めて最新型が2隻も派遣されてる、艦載機程度問題ない。航空機では戦艦を落とすことは不可能なんだから」
「「確かに」」
重苦しい雰囲気から楽観的な雰囲気に変わった
そして
「司令、見張りから偵察機らしき航空機を発見したとのことです」
「来たか!全艦に通達!対空戦闘用意!!」
「了解、対空戦闘よーい!」
そして8隻の艦の乗組員がせわしなく動き始めた
ほどなくして偵察機らしき航空機がやってきた、艦橋にいる艦隊司令は双眼鏡でそれらを見ていた
「複葉機を実用化してるのは戦艦と空母の報告から予測できたが、ん!?
あ・・・あれは、翼が1枚だと・・まさか単葉機か!」
「司令!単葉機とはなんですか?」
「陸軍曰く、スピードを上げるには複葉機の2枚の翼ではダメらしい、全金属の翼で1枚にすることでスピードを上げることができるとかで現在開発中の次世代の戦闘機と聞いたことがある」
艦橋にいた全員が驚いた
現在開発中の次世代の戦闘機、つまりダックスフンド帝国は我が国では開発なのを実用化して戦力化しているということだ
艦橋の外では速射砲や単装砲の轟音と共に鳴り響きながら発射してるが単葉機に当たらず、常識の範囲内であった我が国最新鋭の戦闘機シグルーン10型Ⅱのスピードよりも速いのだ
下手したら時速500kmほどは出てるんじゃないかと
そして、偵察機は我が艦隊を一周したのち下がっていった
「対空警戒は厳となせ、偵察機が下がったということはすぐに攻撃隊がやってくるぞ!」
「基地に伝達、敵艦隊の空母艦載機は我が国の研究開発中の次世代戦闘機を実用化しており最大の脅威である、
我々は奮闘努力によりこれを殲滅して見せると」
「了解!」
「司令!前方に大量の戦闘機群が!」
「来たか!複葉機も交じってるとみると単葉機に統一はできないのは技術力が低いかもしれん、それならまだ我が国と同じなのかもしれないな
対空戦闘開始!敵航空機を殲滅よせ!」
「「了解!!」」
ドドドド!!!!ドドドドドドドドド!!!!!
凄まじい弾幕を8隻の艦が張っているが当たらず
必死に当てようと頑張ってる将兵の姿が見てわかる
悔しいと
そんな思いすら抱かせる暇はなかった
敵の単葉機が高高度から一気に艦に向かって垂直に落ちてきてるのだ
最初は自滅を前提とした攻撃か?と思ったが
爆弾を落として、すぐ水平飛行に戻っていった
「司令、あの攻撃方法は我々は知りません、なんでしょうかあの攻撃は!?」
「知るわけがないだろ!文句言うのであれば敵機の1機でも撃墜してみろ!」
「も、申し訳ありません!」
大量の単葉機による垂直の爆弾投下によって
外周の駆逐艦と巡洋艦が大量に被害を受けた
「駆逐艦タイハ、駆逐艦ボトン、巡洋艦チーボツ、巡洋艦カイテイ大破!
旗艦と戦艦ゴーチンは無傷であります、残り2隻の駆逐艦は被害を受けつつあります」
「くそ・・なぜ当たらない!」
「艦長!大量の複葉機が低空でこちらに向かってきてます!」
「近づけさせるな!」
「了解!」
大量の複葉機が海面ギリギリを飛んで我が艦に突っ込もうとしていた
あまりにも滑稽、複葉機が低空で来ても戦艦に一切のダメージを当たることはできないのに
「艦長!単葉機が我が艦に垂直で向かってきてます!」
「っち、複葉機は無視しろ!脅威になってる単葉機を優先で落とせ!!!」
「了解!」
ドドドドドドドドド
大量の弾幕を張って、奇跡が起きた
1機の単葉機に当たったのだ
「「うぉおおおおおおお」」
嬉しい光景だったが、すぐに絶望に変わった
残りの単葉機が爆弾を落としていったのだ
ドカーン!!!
ドカーン!!!
最悪なことに最新鋭戦艦である我が艦の艦首にある45口径30.5cm連装砲塔に当たってしまったのだ
「艦長!艦首の主砲が使い物になりません!」
「くそおぉぉ!おのれええ」
「艦長!複葉機が爆弾を海に投下して逃げかえっていきます」
「ふん腰抜けだなまったく、だが主砲が主砲が・・・」
「司令!このままでは旗艦含めて艦隊決戦できず負けてしまいます」
「ううむ・・・」
悩ましい、まさか航空戦力でここまでの被害を受けるとは予想外もいいところ
航空戦力で戦艦を沈めることができない
これは間違ってないが、駆逐艦と巡洋艦にとってはこれから航空機は最大脅威になっていくのだろう
このことを基地に伝えなければ
「基地に伝・・「見張りから報告!複葉機が落とした爆弾の内13発が海を泳いで我が艦に近づいてきてます」
「なにいいい!? 爆弾が海を泳ぐだと!?馬鹿な!」
「面舵一杯!回避しろ!」
「間に合いません・・・あ、当たります!!!!」
ズドドーーン!!!!!!!
艦が大きく揺れてに転覆していった
最悪なことに爆発によって艦首の主砲弾薬庫付近にも海を泳ぐ爆弾が当たり
弾薬庫の砲弾が一斉に爆発して艦隊司令、艦長含め全員逃げることもできず亡くなった
ほどなくして、帝国の空母艦載機によって8隻の艦は海を泳ぐ爆弾により全部沈んだ
何事もなかったのように、ダックスフンド帝国の艦隊は首都ネプチューンに向かうのであった
・・・
・・
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アトランティア国 サントリーニ県 海軍基地
トントン
ドアを開けて部下が入ってきた
「失礼します」
「おぉ~待っていたぞ、して帝国の艦隊は殲滅できたんだろ?」
言い淀む部下
「どうした?」
「長官・・戦艦ゴーチンから通信があり
我敵航空機の攻撃を受けている、被害甚大なり、旗艦が敵航空機の攻撃により轟沈
敵航空機は未知の兵器である海を泳ぐ爆弾を使い攻撃してきてる
非常に強力な兵器で旗艦は海を泳ぐ爆弾によって沈んだ
と報告が最後一切の通信が取れなくなっております、おそらく戦艦ゴーチンは沈んだと思われます」
唖然としかいいようがない
航空機が戦艦を倒す?ありえないことだ
航空機の装備では戦艦は倒せない、戦艦を倒すには戦艦
これが常識だったはず
「ゴーチンは最新鋭戦艦だぞ?旗艦のチンボーツだってそうだ
馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な!!!」
「長官、最新鋭の戦艦が沈み現状基地に残存する駆逐艦と巡洋艦では太刀打ちできません
いかがしたらよろしいでしょうか?」
「敵艦隊がこちらに向かってるなら稼働できる全艦持って対応しろ!
こちらに来ないなら、8隻の艦がいた海域に駆逐艦を派遣、生き残りがいるかもしれない救助を優先だ」
「ですが、このまま見逃すということになりますが?」
「基地の将兵に勝てないとわかってて死ねというのか?」
「申し訳ありません」
「いや、私も興奮してたようだ司令として言動に注意しよう
海軍本部に事の顛末を報告、判断を仰いでくれ
場合によっては私の命をもって処遇を受けよう」
・・・
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ご高覧いただきありがとうございます。
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おしらせ
ダックスフンド帝国の艦隊侵攻で残りの距離など矛盾点が出てきてるので
次回までに距離の数値訂正を行います
よろしくお願いいたします。
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旗艦の戦艦チンボーツ、戦艦ゴーチンは巡洋戦艦鞍馬を参考にしていただければ幸いです。
航空機から海を泳ぐ爆弾の投下は九一式魚雷を参考にしていただければ幸いです。
今回登場した複葉機はフィゼラーFi167を参考にしていただければ幸いです。
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