首都防衛1
少々お待ちくださいから、1時間ほどでミネルウァ様は戻ってきた
「遅くなり申し訳ありません
こちらでも確認が取れましたが、ダックスフンド帝国の大型飛行機群に対応するための陸軍航空隊の戦闘機が
事前に破壊されており発進できない状態です、後1時間ほどでこちらに飛行機群が来てしまいます
ですので、お二方は安全な軍施設の地下シェルターに避難をお願いいたします」
「首都防衛に対空機関砲など展開していないのでしょうか?
貴国の技術力であれば実用化して配備されててもおかしくはないと思いますが?」
ダックスフンド帝国とやらの大型飛行機・・おそらく爆撃機かと思いますが
戦闘機じゃないと対応できないわけではないと思いますが
「お恥ずかしい限りですが、ダックスフンド帝国はある程度技術力のある敵対国家という認識ですが
我が国より劣るだろうって認識は意思決定権を持つ機関所属の方の全員の見解です
ですので、まさか戦闘機を事前に破壊した上で大型飛行機を大量に直接こちらに派遣するとは予想だにしてなかったことです
そもそも列強国に戦争を挑む国家など今まで存在してなかったため首都防衛は海軍本部の港に展開してる軍艦ぐらいです
連絡では、高高度を飛んでおり対空機関砲でも迎撃するのは難しいとあり
軍艦に搭載してる対空兵装では当たらない可能性があります
尚且つ、近くの陸軍基地は数十キロ先にあり、首都防衛に間に合いそうにありません」
アトランティア国・・列強国ですが認識が甘くはありませんか?
と思っていても事態が良くなることではありません
せっかくの貿易ができるレベルの国家を下らないことで滅亡なんて流れになれば、日本経済が完全に死に絶えます
この国との国交樹立は日本経済のためでもあります
さてどうしたものか・・・と思ったら三浦先輩から打開する発言が始まりました
「わかりました。ここで一つ提案です
せっかく国交樹立が叶いましたので、港に停泊してる護衛艦に対処を要請してもよろしいでしょうか?
素晴らしい首都の風景を瓦礫に変えられるのを見てるだけというのは酷です
護衛艦であれば、飛行機群に対して対応する用意は可能です」
「三浦さん、他国の領土領海内で護衛艦の対空ミサイルを使うのは法律上難しいのでは?
本国に問い合わせた上で、総理もしくは防衛大臣の判断を仰ぐ必要がある事態かと思いますが」
「それでは間に合わないよ、仁君忘れたかい?
出発前に一定事態が発生した場合総理と防衛大臣から要請があったことを前提に動いて構わないと」
まさか・・・
「自衛隊法の84条の3を適用条件が整ってる、その上で81条の2第1項も適用できる
大型航空機は十中八九爆撃機だろう
首都ネプチューンの破壊を前提で動いてると仮定しても、破壊する行為が行われるおそれに該当する
そうなると、国会承認は不要だ。
84条の3は我々邦人を安全なところまで輸送つまり、国交樹立後に日本までの帰国の安全を担保するための自衛隊だ」
なるほど、その条件であれば護衛艦のミサイル使用は問題ない
「お二方、お話途中なのですが
貴国のゴエイカンとやらの巡洋艦に搭載されてる小さい大砲にそこまでの射程はあるのでしょうか?
非常に懐疑的です」
ミネルウァ様にとってミサイルは未知の兵器ですよね
大砲や通常爆弾が主流というより、剣や弓が主流の世界でもありました
「いいえ、大砲ではなくミサイルで撃退することは可能です」
「ミサイル?それはどういったものでしょうか?」
「遥か遠くにいる敵を攻撃することが可能な兵器です」
「ほぉ?実際に使えるのであれば・・・現在の首都に大型飛行機を対処するすべはありません、少々お待ちください」
ミネルウァ様は小型通信機で連絡を取り始めた
5分ほどで終わり
「それでは貴国のミサイルとやらで対応をお願いいたします
この事態を対処できたとなったら、我が国は貴国との貿易に対して優位な条件をお約束しましょう!」
「貴国の安全をお守りすることを約束しましょう」
そして通信端末を使い、艦隊司令に連絡を取り
大型飛行機群の撃墜要請をした
・・・
・・
・
アトランティア国 海軍本部 港 護衛艦あしがら CIC
「了解した、法令に則り対応する」
艦隊司令が外務省職員との通話を終えてから更に発言をした
「レーダー、目標との距離と数は?」
「距離100、20分ほどの距離です、目標は合計70機になります」
「以外と遅いが多いな、B-29と同じくらいか
目標は、あしがらで対応する
はるさめ、あさひは補給艦おうみの護衛をしつつ対空、対潜警戒を厳となせ」
「了解」
通信士が3隻に対して通信を開始した
「艦長、行動開始せよ」
「艦長!配置に付けます・・・対空戦闘用意!」
あしがら艦長の発声により状況開始した
「対空戦闘用意!」
ピコーン ピコーン
艦内にはアラーム音が響く
「各部対空戦闘用意よし!」
「主砲、SM2、対空戦闘用意よし!」
「レーダー補足完了」
「了解、対空戦闘 CIC指示の第一目標16機に対し攻撃始め!」
「SM2発射始め」
「発射よーい 撃て!」
あしがら護衛艦の16セルのVLSハッチが開き、中に搭載されてる対空ミサイルであるスタンダード・ミサイル2の16発が轟音と共に発射された
イージス艦のレーダーであるAN/SPY-1の誘導によって16発のSM2が目標飛行機群に向かい白い煙を出しながら加速度的に進んでいった
AN/SPY-1レーダーとSM2の組み合わせでは200以上の目標を同時追尾して、同時対処は12~16発しかできない
発射から数秒後に目標に全弾命中
「第一目標撃破を確認、CIC指示の第二目標16機に対し攻撃始め!」
「SM2発射始め」
「発射よーい 撃て!」
そして第四目標攻撃を持って、ダックスフンド帝国の大型飛行機群は首都ネプチューンに来ることなく途中で全機撃破された
その時間数分ほど
・・・
・・
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アトランティア国 首都ネプチューン 北 100km
ヴィラナスドーター王国は帝国の支配下になり、ダックスフンド帝国ヴィラナスドーター州という1州として運営を開始していた
そのヴィラナスドーター州基地からダイレクトにアトランティア国首都ネプチューンに爆撃機を派遣して大規模空爆を行い、帝国への敵対心を折ることが目的だ
アトランティア国は機械文明の国であり、複葉機とはいえ戦闘機を保有してる国家ということで
ヴィラナスドーター州からアトランティア国首都ネプチューンまでの空路を確実に確保するため、事前に諜報部が現地基地の戦闘機の破壊を行う予定になってた
そして破壊に成功したと報告があり完全な制空権を得つつ首都ネプチューンに向かってる
とくに迎撃を受けた、対空兵装によって攻撃を受けたという報告は一切ゼロ
これはある意味ワンサイドゲームになるだろうと
「隊長、この最新爆撃機すげーっすわ
前のポメラニアンは悪くなかったが、このミュンスターレンダーは2倍以上性能が向上されてるから
今回の70機はポメラニアンだったら140機相当と考えるとすげーとしかいいようがないわっす」
副パイロットとして俺の横の座席に座ってる部下の一人が騒ぎ出した
「ふん、俺が優秀だからお前等含めて新型爆撃機乗りとして初陣に出せるんだ
新型すごいだけじゃなく、俺もすげーっと褒めろよな」
「はいはい~、隊長すごいっすわ~」
「感情がこもってないな、だがそろそろ無駄口は慎めよ
後20分ほどで爆撃ポイントに到着するんだ」
「といっても、迎撃機もない、対空兵装からの攻撃もない
それで首都に爆弾投下して帰るだけって日帰りピクニックしてる気分っすよ、集中できないすよ」
後ろの席に座ってる通信士も言い始めた
「隊長、高高度を飛んでて危険ゼロなんですから真剣に任務に集中するのが馬鹿らしいですよ」
「確かにな」
「「ぎゃっははは」」
だが、突然起こった
ズドーン!!
「な!?」
編隊組んでるうちの何機かが一瞬にして爆発して落ちて行ってる
「隊長、03から18番機が謎の爆発!・・・これは攻撃を受けてます」
「見ればわかる!どっからだ複葉機来てないぞ!
機関砲でもこんなに大きな爆発はしない!」
何が起きたというんだ?さっきまでと状況があまりにも変わってる
「前方!高速飛翔体らしきもの発見!」
そして私含めて再度前方周辺を見たら、何か小型なのが10個以上が迫ってきてる
本能で危険と感じた、何かやばいと
「通信士、各機に高速飛行物体が接近!回避行動を取れと!」
「了解」
通信士が急ぎ各機に通信を入れようとしたが間に合わず
ズドーン!
またしても、爆発
なんだこの一方的な攻撃は
「これは、もしかして陸軍兵器局が開発中のロケットじゃ・・・」
部下の一人がロケットというキーワードを言った
「ロケットとはなんだ!」
「空飛ぶ爆弾です、爆弾が空を飛び目標に向かって進んでいくものです
ですが、陸軍兵器局では開発中で高高度で100発100中クラスの精度を出すのなんて夢のまた夢
まだ実現できるわけがないレベルのものです!」
な・・んだと!?
そんなのが我が帝国では開発中なのにアトランティア国は実用化して配備してるだと?
やばいやばい、これはまだ本国は知らない
知らないまま本格的に戦争になったら甚大な被害を受ける可能性がある
生きてこの情報を持って帰らねば
「通信士、残存する全機に通達!帰還せよと、一方的な攻撃を受けてるんじゃ今回の作戦は失敗だ!
海域に展開してる艦隊にも我々の作戦は失敗のため撤退すると伝えろ!」
「了・「高速飛行物体こちらに来ます!」」
「回避してやる!」
俺はスロット限界まで切り回避を試みた、急激な回避だ
例えロケットなるものが高性能であっても外れるであろうと
「高速飛行物体、進路こちらに変更してます」
「なに!?」
「間に合わない!!!」
高性能なロケットは俺たちの乗ってる爆撃機に正確に当てて
おそらく通信士の通信は無理だったかなと思いながら俺たちは爆風で外に放り出されて
作戦に参加してる爆撃機全機がロケットの攻撃で全滅する姿を見たのが最後で
そして意識を永遠に失った
・・・
・・
・
アトランティア国 東部沿岸から50kmの距離
日本が見たら、懐かしき帝国連合艦隊!真珠湾攻撃か!と思うだろう
空母を中心とした16隻の連合艦隊
非常に強力な攻撃部隊が首都ネプチューンに向かって進んでいるのであった
・・・
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