国交樹立2
アトランティア国 首都ネプチューン 海軍本部 会議室
予定通りエスコートの駆逐艦がやってきて
案内のともアトランティア国海軍本部のある港に案内された
海軍本部付近の港に護衛艦と補給艦を停泊させて
国交樹立派遣団の二人は、アトランティア国の海軍の方に連れられて
海軍本部の会議室へと向かった
会議室には若い男が一人座っており
三浦と仁は机の反対側の席に座った
「お忙しい中、わざわざお目通り頂き誠に感謝を申し上げます
私達は東の島国、日本国アトランティア国国交樹立派遣団であります
私は団長の日本国外務省の三浦安金と申します」
「部下の仁王です」
「私はアトランティア国東方大陸課ミネルウァと申します
東方の未開の地からわざわざお越しいただき誠に恐縮でございます
急なことであり、外務省にて対応するのが基本ですが海軍本部の会議室にて対応で申し訳ない」
未開の地・・私達に対して下と見てるようですね
ですが対等こそ外交のモットー
幸い今は夜ですが、この時間でも対応してくれるということはマイナスイメージは持たれてないとみるべきでしょう
「夜分遅い時間とわかってても対応していただきありがとうございます」
「アトランティア国は世界で少数政治である共和制の政治体制を取ってる国です
高圧的な王国や帝国主義の国家だろうと、少数民族の村のような都市国家であろうとも門戸は広く開けておりますので
夜遅くても気にしておりません
話は変わりますが、私から1点気になることがあります
あなた方の乗ってやってきた鉄の船は、どこの国の支援の元で作った船なのでしょうか?」
支援?製造元のメーカーのことなのでしょうか?
「護衛艦と補給艦は我が国の企業が設計して造船した船にございます
他国からの支援の元で作ったということはまずないです。
我が国の軍隊、自衛隊と言いますが、海を管理する自衛隊は海上自衛隊と申しまして
海上自衛隊が保有する護衛艦含めた船は国内で全部設計建造を行っております」
「ふむ、ダックスフンド帝国やアングロサクソン帝国から支援ではないということですね?」
「ダックスフンド帝国とアングロサクソン帝国という国については存じておりませんが、その通りです」
「知らないのですか、二か国について明日説明しましょう。
本日は顔合わせという意味合いで国交樹立の有無の正式な決定などは明日以降に回しましょう」
まず最初の接触は悪くなかったと三浦は感じた
二人は、護衛艦に戻り翌日からの国交樹立に関しての打ち合わせを行い眠りについた
・・・
・・
・
翌日
アトランティア国 首都ネプチューン 海軍本部 海軍港
港で警備中の4人の軍人達が雑談をしていた
「なぁなぁ、ニホン国なる新興国家の巡洋艦見たか?」
「あぁ~、だけど大きさの割には砲が1門しかないんだぜ?
それも120mmクラスの豆砲らしいぞ、おそらく船を造船する技術はあるが大砲技術とか未熟なんだろうな」
「確かに、武装も豆砲1門だけしかないから、平和な場所だったんだろう・・東方だからペペロンチーノの戦列艦に注意さえしてれば
豆砲だけでも圧倒的か」
「ペペロンチーノは列強国だぜ?アトランティア国より劣るが数だけで言えば圧倒的じゃん」
「東方出身らしいが高圧的なやつらじゃないみたいだぜ?もしかしたら俺たちに取り入って技術でも得ようとしてるのか?」
「あるかもな~、だけど外務省だってバカじゃないだろ見極めはできるだろうな」
「とりあえず仕事に戻ろうぜ、またサボってるって上官が騒ぎ出すからさ」
「「「そうだな」」」
雑談していた軍人達は元の巡回ルートへと戻っていった
・・・
・・
・
「これは、車という燃える水を爆発させて動かすタイプの機械仕掛けの馬と思ってください」
顔合わせ翌日に、この国では高級車に当たるだろう黒色の車1台がやってきて
ミネルウァ様は私達を車で案内するんだろうと思ってたが
まさかの車の意味の説明に関して一つわかったことがある
この国は車がない国に対しての車の説明に苦労したんだろうなと内心で思った
「わかりました」
そして私達は後部ドアを開けて乗った
ただし、何も疑問に思わず乗り込んだ姿に対して
茫然としてるミネルウァ様の姿がシュールであった
外交官である私たちは無表情を装ったが、内心では船を作れる国家なのだから車があってもおかしくはないのでは?と思ってしまったそしてミネルウァ様も助手席に乗り出発しました
「ニホン国には車はあるのですか?」
移動中の車内でミネルウァ様から質問を受けた、まさかと思ったが本気で自国以外で車を持ってるとは思ってなかったらしい
「はい、我が国の大部分は自国で製造生産して1家庭に1台程度で車を所有しております
国内での保有台数は・・・何年か前のデーターですが8100万台はあります」
「8100万台!?・・・バカな!?だとしても、そんなに多いとなると交通渋滞が常に起きてるのではないのですか?」
確かに、8100万台も車があることには驚きますよね
私も最初驚いたし実は自動車大国なんだと改めて知りましたので
「いいえ、我が国には信号の整備、車の運転に関して道路交通法という法整備、治安を維持する警察機構の監視など渋滞になる要因は大幅に減らしてますので維持が可能となっております。
国交樹立ができましたら、貴国に信号の整備とノウハウを輸出できたらと思います」
またしてもミネルウァ様は茫然としております。この外交官大丈夫なのでしょうか?と不安になります
そんなこんなで首都ネプチューンの観光も含めて紹介がありました
「ここはネプチューンでもっとも栄えてる場所です、この高層な建物はすごいですよね?
これは高さ52mの12階建てで国内で一番大きい建物になります。
高さが凄い以外にも世界発の人や物を載せて上り下りが可能な機械仕掛けの移動式乗り物で
エレベーターという乗り物を実用して導入しております
これは、あのアングロサクソン帝国にも輸出しており
我が国が魔法なしでも列強国として優秀な証でもあります。すごいでしょ?我が国は」
団長の三浦先輩が感慨深そうに発言をした
「昔、私が学生時代に大江戸首都博物館で明治時代に作られた高層ビルの一つで確か凌雲閣というビルの紹介を思い出します
今はないのですが、現存していればああいう建物なんだろうな~と」
またしてもミネルウァ様が茫然としています
面白い方です
「え・・え!?昔!?今はないということは
高層な建物は貴国にはないのですか?」
「いえいえ、地震で一部倒壊してそれ以降は高層ビルの建設が無くなっただけで
70年代ごろにはまた高層ビルが建てられるようになりました
確か国内で一番大きいビルはどこでしょう・・・総理のハルカスでしょうか
確か高さ300mの60階建と覚えてます
塔になりますが、一番大きいのは首都スカイツリーです
高さは634mの160階建です」
「はぁ!? 300m!? 634m!?・・・嘘ですよね?」
戦前の日本の方がその大きさの建物があると言えば嘘と疑われそうですが
確か戦前はニューヨークなど非常に高層なビルがいっぱい建ってましたから
あながち嘘と思われないと思いますが、こういうのは実際に見せないとダメなのかもしれませんね三浦先輩・・
「百聞は一見に如かずです、国交樹立ができましたら我が国に一度外交で訪れてください
きっと貴国にとって技術や文化の良い刺激になるかと思います」
さすが三浦先輩、こうも相手に対して国交樹立前とはいえ言えるとはすばらしいです
そんな会話をしつつ、アトランティア国の技術力を維持するためには強大な軍事力など必要だと思いますが
いかようにしてるのでしょうか?と話題にしたらミネルウァ様が待ってました!と言わんばかりに
陸軍本部へと向かうのでありました
・・・
・・
・
アトランティア国 首都ネプチューン 陸軍本部
陸軍本部に着きまして滑走路に向かったところ1機の複葉機がありました
「これが、我が国の最新鋭戦闘機シグルーン10型Ⅱです。
戦闘機というのはワイバーンの機械戦闘機にしたモデルと思ってください」
すごく自信をもって説明してますが、複葉機で・・・
私は一応知識として大日本帝国時代の軍事についても最低限知ってますが
これは九五式戦闘機ですよね・・・
「はぁ・・複葉機ですよね、実物は初めて見ますが
昔映画でみた豚の恰好した主人公のアニメ映画を思い出します」
「映画・・ニホン国にも映像を映し出す技術はあるのですね、しかしアニメ映画なるものはわかりませんが
実物を初めて見たということは今現在戦闘機はないのですか?」
アトランティア国に映画・・つまり映像を映し出すものテレビなどあるんでしょうか?
機械を扱う国はアトランティア国のみらしいと調べではわかってますから、1国で作ったとなると
アトランティア国は非常に技術力の潜在的高さは素晴らしいものがあります
我が国の貿易相手として申し分ありませんね
「いいえ、翼が2枚あるのを複葉機といいまして
今は1枚になっており更に発展しておりジェット戦闘機があります」
一瞬だけミネルウァ様の目が細めていました、おそらく向こうも我が国に関して知りたいということでしょうか?
同じ科学を扱う国家だからこそかもしれません
ですが、出せる情報出せない情報以前に防衛省側の価値観は我々は知りませんから何とも言えず
「ジェット戦闘機なるものはわかりませんが、機械で作られたものでしょうか?
シグルーンは時速400kmも出せる最高の戦闘機です
アングロサクソン帝国の戦闘機に比べて若干劣りますが、ワイバーンより圧倒的に早く抑止力でもあり
自慢の兵器の一つであります
貴国のジェット戦闘機なる戦闘機は速度はどれくらいでしょうか?
我が国より若干劣る程度でしょうか?」
ジェット機の概念がない。つまり星形エンジンで技術レベルが止まってるということでしょうか?
更に気になるのはアングロサクソン帝国と呼ばれる国家、おそらくアトランティア国の西側にある世界に最も影響力を持つ国家だと思いますが、その国の戦闘機でもおそらく時速が500~600km程度なんでしょうか?
拍子抜けです
「え~と、我が国の空軍に相当する航空自衛隊が保有してる戦闘機でもっとも早いのは
F-15EX通称スーパーイーグルです
最大速度はマッハ2.5つまり音の2.5倍の速度を出すことが可能です」
またミネルウァ様が茫然としてます
「音速の2.5倍だと!?ばかな・・・・
仮にですが、その音速を超える技術は我々にも提供してもらうことはできるのでしょうか?」
「現在保有してる戦闘機のエンジンの仕組みについてはお教えはできないかと思いますが
ジェット機のエンジンの根本的な仕組みなどは本屋に行けばいろいろとありますので可能かと」
ミネルウァ様の表情は常に茫然が普通なのでしょうか?ってぐらい反応が大きいですね
外交官たるもの無表情にしないと情報が筒抜けですのに・・
そして、航空自衛隊の戦闘機についていくつか説明をわかる範囲で行い
納得したのかどうかわからない表情でしたが、気を取り直した感じです
「ニホン国には私はぜひ行ってみたいものだ、ですがあれはどうでしょうか?
ニホン国には絶対に保有してないものです
無限軌道と呼ばれる悪路や非不整地な場所でも軽々と突破を行い
エンジンは、貴国と最初にコンタクトを取ったシグルーンに搭載してるエンジンを搭載しており
軍人の安全を守り、強力な75mm砲を搭載してる戦車と呼ばれるものを!」
轟音とともに1台の戦車が私達の前にやってきた
あれは・・・
「三浦先輩、あの戦車に見覚えがあるのですが・・・」
驚きの表情をしている三浦先輩、そして
「私もだよ、学生時代にハマっいた戦車ゲームに登場した旧日本軍の試作戦車に似ている
確か・・五式中戦車チリだったかな・・」
「やはりチリですよね、私も昔の歴史書で見た記憶がありましたので、九五式戦闘機といい旧日本軍の兵器に近いのが多いことに驚きです」
二人で話して不安なのか不振なのかミネルウァ様から話かけてきた
「どうしましたか?戦車は貴国では存在してない兵器でしょうか?驚くのも無理はありません
アングロサクソン帝国には人型自在戦闘装甲騎はあります、それに対抗するには同じ兵器がないといけませんが
我が国は機械文明国であり実用化は無理でした、変わりに戦車を実用化することで対抗策になっております
すごいでしょ?我が国は」
ドヤ顔で自慢されても非常に困りますが、アングロサクソン帝国なる国の人型自在戦闘装甲騎には興味が出てきました
「誤解のないように言います、我が国も戦車は実在し保有しております640両ほどはあったと思います」
いつもの茫然とした顔ではなく、普通に驚きと興味の顔のミネルウァ様でした
何かしら思案しつつ、そして解決したようです
「なるほど、貴国にも戦車はあるのですか
640両とは少ないと思いますが、貴国は島国でしたね
それでしたら、その台数でも納得がいきます
ちなみに、我が国の戦車は2800両ほど保有しており、現在は旧ヴィラナスドーター王国を支配してるダックスフンド帝国からの侵攻阻止のため旧ヴィラナスドーター王国国境線上にほとんどが配備されてる状態です」
2800両とはかなりの台数を保有していますね、それだけの生産能力があるということは我が国の経済としてメリットになりますし
輸出などで外貨を稼げるとともに、影響下におけるチャンスであります
気になるダックスフンド帝国に関しては早急に調査が必要な案件ですが・・・
そして私たちは、アトランティア国外務省へ訪れ貴賓室に案内されて、そこで国交樹立を行うという当初の目的を果たすことができました
これで本国に戻れると思った矢先・・・
護衛艦と直接やり取り可能な通信機が反応しました
もともと何かあった際の通信手段として渡されてるもので、それが鳴るということは何かあったということでしょう
そして通信に出たところ、艦隊司令から緊急報告が入った
「失礼、30分前に本国の衛星から大量の大型飛行機が旧ヴィラナスドーター王国と呼ばれるエリア内の多数の空港滑走路でエレファントウォークを行ってる状態が確認できました。
おそらく、侵攻の可能性が非常に高く攻撃目標はアトランティア国になる可能性は大です
あしがら護衛艦のレーダーでも捕捉できる準備は行っております、アトランティア国からは何か対応は行ってるのでしょうか?確認をお願いしたい
もう一つ、旧ヴィラナスドーター王国の沿岸基地らしき場所から16隻ほどの艦隊がアトランティア国へ向かっております
仮に、こちらに来るとなると航空機だと3時間ほど、艦隊は3日ほどでレーダーで捕捉することが可能になるかと推測されます」
なぁ!?
「情報提供感謝します、すぐ確認を取りますので警戒しつつ待機してください」
「了解しました」
ミネルウァ様が不思議そうにしており、通信機に興味を持たれてるようですが
そんな暇はありません
「ミネルウァ様、現在貴国の軍事演習などで旧ヴィラナスドーター王国と呼ばれるエリア行われており大型飛行機の離陸練習もしくは待機訓練や
16隻の艦隊が演習を終えて帰還する予定はありますか?」
「いえ、そんな大規模演習の予定は聞いてはいませんが何かありましたか?」
「先ほど、護衛艦の艦隊司令から連絡があり
旧ヴィラナスドーター王国から大量の飛行機が空港滑走路で待機状態と16隻の艦隊がこちらに向かってると報告がありました
仮に大量飛行機が離陸なら3時間後には、この首都の目と鼻の先まで来ます
16隻の艦隊は3日ほどでこちらにやってくることが可能です」
「な!? 少々お待ちください」
ミネルウァ様は大急ぎで会議室から出て行った
・・・
・・
・
評価者数 46 人
ブックマーク登録 207 件
ご高覧頂きありがとうございます




