国交樹立1
アトランティア国 東 200km
「長旅だったがようやく目的地に到着できるかな?問題なのは最初のきっかけだが
どのようにして接触すべきか・・・」
護衛艦に同乗している外務省のアトランティア国国交樹立派遣団のリーダーである三浦安金
「コアラ大陸の方々から伺った話の通りでよろしいのでは?
黄色と青色の旗をかかげることで、攻撃の意思がないことと、交渉もしくは話合いにやってきたという意味を伝えることが可能ですので」
リーダー三浦の部下の一人、仁王だ
東大法学部出身で国家公務員試験においてトップの成績で外務省に入省した若手である
「まぁ、そうだが向こうはこちらに気づいて攻撃しないで対応してくれるか気がかりだ
この世界は覇権主義国家だらけだからな、突然攻撃する可能性だってゼロではない」
そんな会話をしてたところ、連絡が入った
艦隊前方より未確認の航空機らしきものが2機迫ってきてると
「艦長、攻撃は絶対にしないでください。向こうから攻撃してきてもです。
我々は友達を作りにやってきたのであって、戦争しに来てるわけではありませんので
予定通り、艦に旗を出すように要請してください」
「了解、後我々としても民間人である外務省職員のあなた方を守る義務があります
場合によっては我々も正当防衛にて対応いたします。そこは留意してください。」
・・・
・・
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アトランティア国 東 海域
私はアトランティア国東部海域偵察航空隊所属のエンジェル隊小隊長だ
2時間前に海軍本部に未確認の艦4隻を見つけたと民間漁船から通報を受けた
昨今話題になってるダックスフンド帝国の戦闘艦の可能性があるとのことで
エンジェル隊に緊急偵察の要請がきた
エンジェル隊に配備されてる戦闘機は最新鋭機だ
世界唯一の魔法を使わない人類の知恵たる機械によって完成させた航空機
シグルーン10型Ⅱ
搭載してるエンジンである天9エンジンは、なんと戦車にも採用してる非常に高性能なエンジンだ
最近実用化された航空機向けの最新型7.7mm機関銃を2門も搭載している
偵察任務以外にも対空、対地戦闘が可能となった画期的な戦闘機だ
欠点なのは二人乗りではないため一人で偵察もこなさないといけない点だ
我々エンジェル隊所属の4機は本部の要請に従い目標海域に向かっている
隊長とエンジェル2が不明艦に向かい
基地と不明艦の間にエンジェル3と4が待機する形になる
何かあった際に3と4で対応するためだ
それから、1時間して隊長達は目標海域に到着して見つけた
「エンジェル2いつでも攻撃できるようにしろ、どうみたって鉄の船だ
その鉄の船を作れる国は限られてて敵対してる国家といえばダックスフンド帝国しかないからな」
警戒しつつ近ずこうとしたところ
「隊長!前方の艦に黄色と青色の旗が掲げられてます!」
そしてよく見ると 前方の巡洋艦だろうか大きさの船に黄色と青色の旗が掲げられている
あれは通信を求める信号、つまりダックスフンド帝国ではないのか?
確かに4隻の艦を見る限り大砲は1門しかなく、その大砲すら貧弱な小さい砲であった
ダックスフンド帝国の艦は巨大な大砲が大量に設置してると聞く
もしや・・同じ機械文明の新興国家なんだろうか?
「隊長、艦から通信が来てます!」
「なに!?」
偵察任務中心とする隊中心に戦闘機に配備が開始された空一号無線機から音声通信が入った
「こちらは日本国外務省、アトランティア国国交樹立派遣団です
貴国と国交樹立のためにやってきました
どのようにすれば貴国の外交官にお目通りいただけますでしょうか?」
二ホン国?聞いたことのない国家だ
ダックスフンド帝国と違うのか?
鉄の船はダックスフンド帝国かアングロサクソン帝国ぐらいしかないだろ
「我々は、アトランティア国東部海域偵察航空隊だ
ダックスフンド帝国ではないのか?」
「いいえ、ダックスフンド帝国なる国家は知りません
私達は東の島国からやってきました」
東の島国、ペペロンチーノなどの野蛮な国家群からか・・・
だが、あの国はワイバーンと戦列艦運用で鉄の船を運用してるとは聞いたことがないな・・
「本部に確認を取る、船はそのまま航路を西に進めよ
下手な行動を起こした場合、敵対とみなす」
「承知致しました」
そして、敵対勢力ではないことに安堵しつつもエンジェル3に指示をだした
「エンジェル3!本部に報告、国交樹立派遣団の船団だと、そして外交官に会いたいからどうしたらいいか?と返事寄越せと伝えろ
いくら最新の通信機器とはいえ通信距離が100km程度しかないのが難点だからな
もっと距離があれば俺が直接言えたのだが」
「了解!」
そして時間が少し経過したのち、エンジェル3から通信が入り
本部から国交樹立のための領海内に入ること
首都ネプチューンの港に入港すること
これらが許可されたとあった
エスコートのため駆逐艦2隻を派遣するため現海域に留まってほしいとのことだ
私はそのことを二ホン国側に伝えて基地に帰還した
日本側と言えば
護衛艦の艦橋で望遠鏡を使い偵察機を見ていた隊員の一人がボヤいていた
「あれって・・・九五式戦闘機じゃないか?」
・・・
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アトランティア国 首都ネプチューン 外務省 東方大陸課
アトランティア国にある外務省は対外のありとあらゆる自国と接点をもつ国家に対しての
受付窓口だ
東方大陸課は、ペペロンチーノ超帝国を中心に文明は劣ってるが国家として体をなしてる国が多いため
最低限の窓口のために課を設置している
トントン
ドアを開けて入ってくる男が一人
「失礼します」
男は部屋の配置に慣れてるようですぐ、目の前のソファに座った
「課長、私を緊急に呼び出して何の用でしょうか?」
「ミネルウァ、急な呼び出しですまないが新興国家の国交樹立の対応をしてもらえないか?」
やってきた男の名はミネルウァ
仕事はできるが、研究などが好きな男でなぜ外務省に入省したのかわからず
かといって無能じゃなく優秀なため、持て余し過ぎた結果東方大陸課に左遷
東方大陸課は左遷先として非常に待遇の悪い場所である
なぜかというと奴隷など非人道的な行為が曲がり通ってる国家の対応だから
「確か二ホン国ですよね?鉄の船4隻でやってきたと、ダックスフンド帝国でもなくアングロサクソン帝国でもない
自力で鉄の船を作り上げた新興国家・・気になりますので対応に関してお受けいたします」
「さすが優秀な男だ。一切任せるぞ?」
「了解致しました」
・・・
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ご高覧頂きありがとうございます
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シグルーン10型Ⅱ
旧日本軍の九五式戦闘機 キ10-IIと思ってください
通信機器
旧日本海軍の96式空1号無線電話機に近いものを思ってください




