その5 次の章へのプロローグ
日本国 マウンテンテレビ 報道番組 激ダネ
「おはようございます~! 今日も一日よろしくお願いします
さぁ~日本が新たに異世界の国家と国交樹立するために明け方、使節団が出発しました。
なっちゃんリポーターが明け方撮影を行ってますVTRをどうぞ」
明け方の映像に切り替わり
「おはようございます。今私は、長崎県佐世保市にあります、海上自衛隊佐世保基地に来ています。
本日は2万キロほど先にある科学文明のある国家と国交樹立のため
外務省の外交官数名を護衛艦に乗艦して向かう模様です。
今現在の日本経済は若干回復したとはいえ、転移前に比べれば完全には回復しておらず
経済界から貿易を行いたいという要望が非常に多く、政府は今回科学文明のある国家と貿易を行うことで、経済回復を狙う目的もあり、国交樹立のために向かうことが決まりました。
ですが、成功するかはわからず
護衛艦で向かうということで野党から砲艦外交になるのでは?と非難があります。」
なっちゃんは基地の護衛艦が集まってる乗り場に移動
乗組員の家族や基地の職員が大勢乗り場に集まっている
「こちらに停泊している護衛艦4隻が派遣になります
旗艦である護衛艦いせに関しては相手先に敵対行動と取られかねないと懸念があり、派遣は見送られてます
派遣する護衛艦の4隻を説明します
奥に停泊してる護衛艦から
護衛艦あしがら
護衛艦はるさめ
護衛艦あさひ
そして手前は補給艦おうみになります」
更に場面が変わり
「佐世保基地で開かれた式典には総理大臣が出席し困難を打開できるよう努めてくださいと訓示致しました」
総理大臣の発言
「遠い科学文明のある国家と国交樹立することは
双方の経済発展を可能にするとともに、友好的な付き合いが可能になります
そのため政府の重要な責務であり、この派遣の成功は国民の生活に直結する大きく意義のあることです」
場面が変わり
4隻の護衛艦が出発するシーンが移り、乗り場にいる大勢の方が手を振って成功と無事の帰還を祈ってる映像が映し出されました
VTRが終わり、再びスタジオに映像が戻った
「今回の派遣は成功してほしいものですが・・コメンテーターのランニング富山さんはどう思ってますか?」
「悪くはないと思いますが、護衛艦って戦闘することが前提の船ですよね?
戦闘する可能性があり、船に乗り込んでる方々の生命が脅かされる危険性があるという懸念はあります」
それからいくつかの雑談交えた話が入り
そして芸能人のツイッター炎上騒動へと話題は変わっていった
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ダックスフンド帝国 帝都ドックハウス 帝城ソーセージ 大会議室
1000年の歴史のある由緒正しい帝国、それがダックスフンド帝国だ
異世界に転移して10年、帝国直轄州であるパン州と一緒に転移した
異世界国家のヴィラナスドーター王国の蛮行が皇帝の逆鱗に触れ滅ぼされて
ダックスフンド帝国の支配下となった
そして近隣の国家に対しても準備が整い次第侵略を行い支配下にする予定でいるのだが
もっか最重要警戒国
旧ヴィラナスドーター王国の隣国、アトランティア国
そして海を挟んだ隣の大陸にある自称世界最強国家、アングロサクソン帝国
この二か国に対して警戒するとともに支配下にするための会議がヴィラナスドーター王国を滅ぼしてから
何回か行われており、何回目かの軍事会議が今行われた
皇帝であるヴァイスヴルストをトップに
第一皇子 アラビキ
宰相 プロイセン
陸軍大臣 ヘーア
海軍大臣 マリン
帝国議会議長ビスマルク
帝国の軍事のトップ達がそろった会議が始まった
「プロイセン、状況を報告しろ」
宰相であるプロイセンは立ち上がり報告を開始した
「は! まず旧ヴィラナスドーターに関しては平定は完了しております
主だった貴族と反体制側は血縁者含めて全員処刑は完了しました
後は蛮族国家でギャクハー王国、オレサマ王国
そして我が帝国の数年遅れてる文明国ですが警戒すべきアトランティア国
この3か国に対して攻めるための準備と兵站の確保を行ってる最中です
すでに3か国には宣戦布告済みであり
2か月後ですが、アトランティア国に対しては帝国の力を見せるために
海から空母機動部隊と旧ヴィラナスドーターから新型爆撃機を使い
アトランティア国の首都ヴィーナスに対して攻撃を行う予定です
この攻撃で帝国の強さを見せつけるとともに、全面戦争せず容易に屈服させることが狙いであります」
屈服?制圧や殲滅ではないか?
「ふむ、屈服とは帝国が腑抜けと内外からみられるのではないか?」
予想してたかのようにプロイセンは答えた
「いいえ、情報部からの報告で判明していることですが
相手は文明国で数年遅れとは言え戦闘機と戦車と戦艦を保有してる国家です
蛮族国家のワイバーンと呼ばれる生体航空機、中世時代主流の戦列艦とは違います
帝国軍人を格下国家相手とは言え失うのはもったいないことですので、屈服させることで我々の被害がゼロであれば
軍事的損失、経済的損失はほぼゼロで済みます
帝国による世界統一のためには戦線の拡大と兵站の確保が重要になります
なるべく人的損失、経済的損失は減らしたいというのが本音です」
なるほどの、先も見据えた考え・・さすがプロイセン
「なるほど、その考えは間違ってないな。その通りに進めよ」
「承知致しました」
これは息子にもちゃんと言い含めておくべきだな
世界征服後の世界の皇帝として私の後に君臨するのだから
「アラビキよ、これが戦略だ。目先の感情だけで対応してたら犠牲が出る
必要な犠牲かもしれないが、帝国軍人は私にとっては大切な宝だ
むざむざと失うわけにはいかない。だからこそ、お前もその考えを学んでほしい」
息子のアラビキは非常に感動したのか目をウルウルさせてる
もう少し皇子としての威厳をもってほしいものだ
「父上・・皇帝陛下!私は勝てばいいとしか考えていませんでした。
その考えだけではいけないということをプロイセンの報告から学びました!
この考えを活かしたいと思います」
「うむ、ぞんぶんに成長せよ。ヘーアよ報告はあるか?」
「はい、宰相プロイセン様のおっしゃっていたアトランティア国首都攻撃に関して
転移後にようやく実用化できた新型爆撃機を使い攻撃を行う予定です
現在量産化で生産中に入ってます
2か月後の首都攻撃までには必要機数を揃えて旧ヴィラナスドーターから向かわせる予定です」
「新型爆撃機とは過去の会議でも上がってたが
既存の爆撃機と何が違うのか?」
「既存の爆撃機、ポメラニアン111ですが
爆弾搭載量 2トン分
航続距離 2800km
これが既存のスペックです
この世界は転移前の世界に比べて広いですので航続距離が長く、既存のよりさらに多くの爆弾を搭載できる爆撃機が必要になりました。
新型爆撃機の名はミュンスターレンダー177です
量産試作機のスペックですが
爆弾搭載量 6トン分
航続距離 5600km
これだけのスペックとなり、既存のより倍以上性能になってます
新型戦闘機、新型戦車に関してはまだ、試作段階であり量産化のめどがつき次第報告申し上げます」
「ふむ、我が帝国は無敵ではないか!航続距離が5600km・・
転移前の世界で帝国のライバルであったジェントルマン連合王国全土を蹂躙できる性能ではないか!
期待しておるぞ」
「はっ!」
「マリンのほうは何か報告はあるか?」
「はい、アトランティア国首都攻撃に関しては
空母機動部隊の準備は行ってる最中です
幸いにもアトランティア国には潜水艦は存在しないと情報部経由で判明しており
なおかつ魚雷もありませんので海軍としてアトランティア国海軍に対しては脅威とは見ておらず
容易に首都攻撃は成功すると推測してます」
「ふむ、だが慢心はするなよ?蛮族国ではないだからな
ジェントルマン連合王国の都市攻略する心つもりで作戦に従事せよ!」
「はっ!承知致しました」
プロイセンはふと思い出したかのようにビスマルクに話しかけた
「この場をお借りして、ビスマルク殿
議会ではアトランティア国首都攻撃の予算に関して問題なく通ってるんですよね?」
自信満々にビスマルクは答えた
「もちろんだ、一部反対派議員がいたが帝国を裏切るのか?と脅したらすんなり賛成した
帝国議会議員は全員、アトランティア国首都攻撃に賛成してる」
総括するかのように皇帝が話始めた
「思えば、蛮族のヴィラナスドーターとの最初の付き合いで失敗したのが痛かった
情報収集のためとはいえ、平和的に対応して我が娘であるルイーズを蛮族の次期王の嫁に充てがい
植民地支配として穏便にしようとした私の優しさを、処刑という愚かなことをするとは予想外だった・・
蛮族はやはり蛮族ということがはっきりした
帝国が世界を征服したあかつきには、ルイーズの悲劇を防止するとともに
蛮族を教育してやらないといけないからな
お前たちの行動に期待してるぞ?」
「「「はっ!」」」
2か月後のアトランティア国首都ヴィーナスへの攻撃が正式に決まった
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アングロサクソン帝国 帝都ストロンゲスト 冒険者ギルド本部 酒場ニューヨーカー
世界中に点在する冒険者ギルドの総本部である冒険者ギルド本部
そこが直営で営業してる酒場ニューヨーカー
いつものように様々な冒険者達は1日の冒険(労働)の癒しにやってくる
生ぬるいエールでお疲れの一杯!を求めて
とあるテーブルでの会話
「冒険者掲示板みたか? 隣の大陸のアトランティア国やばいんじゃね?」
「あぁ~確かに、掲示板の情報だとヴィラナスドーター王国が新興国のタックスヘイブン?だったかの国に滅ぼされたんだろ?」
「ヴィラナスドーターって国力ランキングとかあったら中位ぐらいの国家だよな、その中位レベルの国家が新興国に負けたと!?」
「ワハハ、確かあの王国の王子って愚な王子って噂だぜ?」
「自業自得かよ、ワハハ」
「列強国のアトランティア国が対応するから新興国もすぐ終わるだろうな、それに俺たちは世界最強国家のアングロサクソン帝国にいるんだ一番安全だぜ!」
「そうだな!最強国家に乾杯しよーぜ!」
「「「かんぱーい!」」」
別テーブルでの会話
「相変わらず温いエールだ、美味しくなるほうほうはないかの?」
「爺さんしみったれてるなぁ~、美味しいエール情報やろうか?」
「ふん、どうせ大したことのない情報じゃろ?」
「なーにせっかくの一期一会、情報料は無償だ
じいさんはAランク商業ギルドの責任者だろ?情報が本当だったら今度融通してくれればいいさ」
「ふむ、考えておるの~なんの情報じゃい?」
「コアラ大陸って知ってるか?」
「魔物がわんさか、文明下位クラスの国家が滅亡寸前の哀れな大陸と覚えてるぞ、そこがどうした?」
「なんと、アトランティア国らしき戦艦が多数あって、魔導車などわんさかあるとのことだ
そして、その魔物は駆除されて平和になったんだとさ
そこの貿易経由で流れてくるラガービールっていう名のエールがあったんだが
冷えてて非常に美味しかった。今飲んでるエールがションベンレベルの不味さだぜ」
「なんと!? アトランティア国は技術に関して他国に輸出はしないわ
覇権主義じゃないわと中途半端な列強国じゃろ?なんで東方の最果てにある大陸に?
気になるの~」
「さらに、コアラ大陸の冒険者ギルドが閉鎖されるそうだ」
「なんじゃと!? 冒険者ギルドが閉鎖・・?国家滅亡したんじゃないのか?」
「いや、冒険者ギルドそのものが不要になってきたらしいって話だ」
「気になるの~、調べてみるか
良い情報を提供してくれて感謝する、精査して本当だったら
うちの店で働くか?給与は月25万ゴールドだしてやろう、情報通とみてお主
冒険者ギルド所属じゃなく商業ギルド所属の人間じゃろ?」
「ワハハ、わかっちまったか・・期待してるぜ?」
「ワシの名はジョン・モーガン、お主の名は?」
「俺か?俺はマイケル・ポップフェラーだ よろしくなジョン様」
そして二人は固い握手を交わした
いつものように酒場ニューヨーカーは様々な情報がワハハと叫びながら飛び交っていき
周りは常に聞き耳を立てながらエールを飲んでる光景であった
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ご高覧頂きありがとうございます。
間章1はこれをもって終わりで次からは新しい章
アトランティア国編に入ります
よろしくお願いいたします




