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けだし、日本国強し  作者: シバたつ
ダークエルフ
25/43

出会い

ウォンバット諸島 南 10km 旗艦 おおすみ型輸送艦


「作戦の再確認だ、今回の作戦のために援軍として特別警備隊が来てる

目視で発見されるのを防ぐため夜間に作戦行動を開始する

特別警備隊が先行で水中スクーターを使い島に上陸、上陸地点の確保ののち

偵察中隊が周囲の安全を確保、その後本隊がAAV7で上陸を行う。

主目的の一つである、村で虐殺もしくはジェノサイドが起きてるかの確認だ。

確認次第で我々はそのまま撤退か制圧か変わってくる」


水陸機動団長の高田隆太朗陸将補が指揮を執ってる。

本来長崎県佐世保にある相浦駐屯地に勤務してる重要な方が最前線に来ている。

理由はある

初の実戦であるからだ

地球時代含めて、水陸機動団その全身である西部方面普通科連隊の時代から実戦経験がなかったためだ。

そのため水陸機動団長自ら最前線で指揮を執ることになった。


「今回の我々は初めての実戦任務であり、危険が伴う。

だが、日ごろの訓練の結果を見せる機会でもある。

諸君等には期待する、生きて帰ってこい!」


「「了解」」


それから各部隊はAAV7に乗り込みウェルドックが解放されるまで待機を開始した。


・・・

・・


ウォンバット諸島 クオッカ村 東5km 浜辺


バミューダ諸島に観光旅行で訪れたことのある方なら、水陸機動団の上陸地点に関して思い出すだろう

コックス・ベイだと


その浜辺の海から突然数人の人間らしき存在が現れた。

その人間達は浜辺に上陸してから慣れた手つきで周囲を確認した上で通信機器で報告を入れた


「こちらサソリ、上陸地点に敵影なし」


「了解、周囲の確認を継続せよ、偵察中隊を向かわせた」


「了解」


それからほどなくして

数台のAAV7が暗い海の水平線からやってきた。

AAV7・・日本名では水陸両用強襲輸送車7型だ

アメリカ海兵隊が主力で使っている輸送車であり、80年代半ばにアメリカで初導入された非常に古い輸送車である。

AAV7が上陸ののち、後ろのハッチが開き大量の自衛隊が現れた。


「ドルフィン1より各隊へ、周囲偵察を開始せよ

今回は航空支援も海上支援もない我々だけで任務達成が優先される十分注意せよ」


「「了解」」


上陸地点に浜辺の場所が選ばれたのは

周囲に背の高い草木と崖で覆われているため安全に上陸できるためであった


ドルフィン達はサソリと共同して草木崖から先に関して偵察を行い敵影確認がないことを確認した。

ただ、周囲は暗闇・・ではなかった

隊員の一人が報告にやってきた


「ドルフィン1、報告が遅くなったが

上陸地点北側の端にあたるところで人工物の灯りらしきものを発見した。おおすみからの移動中に発見して複数の隊員からも確認が取れたため報告する」


「なんだと!?なにもないところだよな・・・?」


おかしいな・・、クオッカ村のエリーという少女からの報告では

クオッカ村から北側は何もなく人が住んでることもないと証言があった。

事前の衛星画像でも、何かしら建物の確認は取れず草木と崖と岩ばかりのところだったはずだ

何かあるのかもしれないなとドルフィンは1は思いつつ、司令部に報告した

本隊の上陸に問題ないことが確認されたため本隊の上陸ため、おおすみ型輸送艦から随時発進が開始された

本隊からも同様に人工物の灯りに関して報告が上陸後に上がった


浜辺には、本隊である水陸機動団を輸送及び支援を行う戦闘上陸大隊のAAV7がずらーと集結している


「司令部より各隊へ、報告にあった北部方面に関して調査を行うことを決定した。

作戦主任務の目標地点に移動部隊と北部調査部隊の部隊を二つに分ける・・・・」


そして部隊は二つに分けてAAV7でクオッカ村の調査、残り半分は北側に関しての調査で移動を開始となった


・・・

・・


ウォンバット諸島 上陸地点 北 5km地点


2個小隊に臨時編成された水陸機動団北部調査部隊はAAV7で北部方面に向かっている

見知らぬ島、暗闇ともあって通常よりも遅い速度での移動だが

赤外線カメラを使い周囲やその遠方を監視しつつ進んでいった

そして監視してた隊員が何かに気づき報告を開始した


「隊長、10時方向距離1000mほど先に40人ほどの集団が移動を行ってます。

向かう先はクオッカ村方面かと思われます」


報告を受けた隊長は一瞬思案した

40名の島民か敵か何かなのか分からず見過ごしたことによってクオッカ村に向かってる部隊の危険度を上げることは避けるべきではないか?と


「了解だ。各装甲車停止、操縦者は待機!必要な場合火力支援の準備を開始せよ。

残りの部隊は10時方向距離1000の正体不明の集団に対してアプローチをかける」


「「了解」」


そして装甲車は停止を行い、後部ハッチが開き

4台のAAV7から21名づつ隊員が外に出てきた


「各隊前進開始」


2個小隊は暗闇の中での移動となるため個人用暗視装置のJGVS-V8を全員装着している

これによって暗闇であっても明るい場所での移動と変わらない視界を得ることができる

そして移動開始してから20分ほどで目的の集団近くまで到着した

部隊長は集団を見て疑問視した

あれは別部隊の自衛隊か?と

だが、今回の作戦では他部隊は一切派遣されておらず

我々水陸機動団と援軍の特別警備隊しかいないはずである

もしくは、それに偽装した何かしらの理由で一緒に転移した隣国の部隊の可能性の考慮もあった

だが、分からないのではアプローチをかけて対応するしかないだろうと隊長は答えを出した。

無線機を通して各部隊に通達をした


「各部隊は散開しつつ警戒、私がアプローチをかける

ただしこちらからは一切攻撃は厳禁だ、相手が攻撃してきた場合正当防衛の発動のもと対処を行え」


そして各部隊は散開を行い集団に対して銃口を向けつつ警戒準備を行い

完了の報告を受けた


隊長は場合によっては自分は死ぬかもしれない恐怖があるが任務達成が優先であり私情感情を持たないようにした

そして銃口を集団に向けつつ集団の後ろから現れた


「動くな、こちらはお前たちを包囲している、両手を頭の後ろで組め」


そして集団の一人が私の姿を見て驚いた表情をしたとたん


「こっちは同じ自衛隊の自衛官だぞ!」


な・・!?


「どこの部隊だ?今回の作戦は我々しか動いていないはずだが?」


「作戦? ここはジブチだろ!」


ジブチ・・?何を言ってるんだ

更に別の隊員らしき存在が


「すまない、我々はジブチ基地派遣の派遣海賊対処行動支援隊に所属する自衛官だ、まず銃口を下ろしてくれないか?友軍同士で殺し合いをするわけじゃないだろ?」


ジブチ基地!?

まさか一緒に転移してたのか!


「失礼した・・各部隊警戒解除、友軍だ」


そして各部隊は銃口を下ろして支援隊の前に現れた


「友軍に銃口を向けてすまない、我々は水陸機動団北部調査部隊部隊長です。ジブチ基地所属の隊員は転移の際に見つからず

死亡したと上から報告を受けてたが、この場所で1年以上も滞在してたのですか?」


「転移?なにをいってるかはわからんが15時間前に突然あたりが光だして

この島に基地と空港とともにやってきた。こちらのほうが状況を知りたいぐらいだ。」


「15時間前!? 転移の時差とかか?

もしかしてだが、北側に人工物の灯りがあると報告があったが・・・」


「それは空港管制室の灯りだろ、本国に何度も連絡を取ってみてるが通じないんだ。」


時差に伴う転移で、仲間の無事な姿に一瞬喜んだが現状救助する必要性が出てきたな


「そこらへんについては、後で説明しよう司令部に判断を仰いでくる」


そしてイレギュラーな事態を正確に報告を行い対応を仰いだ。


・・・

・・


ウォンバット諸島 南 5km 旗艦 おおすみ型輸送艦


問題なく上陸地点を確保できたため、艦がギリギリ近づける5kmまで近づいて待機している

少し前に北部調査隊からの報告は水陸機動団長の高田隆太朗陸将補を悩ませてる


「ジブチ基地がまさかこんなところに転移してるとは・・

更に時差で15時間前に転移してきたと、地球時代だったら空想上のおとぎ話をするなと激怒してただろう」


そして、防衛省に判断を仰ぎ待ってる状態である。

救助を行いたい、だが作戦行動中でもある

救助がきっかけでクオッカ村に展開してる敵性勢力に対応を与えてしまう可能性など危惧してる


それから首相官邸経由防衛省から正式な追加命令書が送られてきた

・ジブチの隊員の生命に問題ないのであれば、ジブチ基地で待機するように

・北部方面調査部隊に滑走路が使えるかの確認

・滑走路が使えるのであれば、本作戦終了後にチヌークの派遣を行いジブチ基地の部隊の救助を行う


正式な命令とのことで、北部方面調査部隊に調査命令の変更を指示して対応を行わせることが決定した

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