第玖枚 休息と緊張
是非評価の方よろしくお願いします。
会議は終わった。衝撃的な一言を聞いた俺はその場に佇んだ。ほとんど全員がそうだ。 ただ一人、鼓を除いて。
鼓は開始早々「壊そう!」と叫んだ。呆気にとられる俺らの気持ちを代弁して、波裏が呟く。「何を?」すると「決まってんだろ、この分校をだよ!」と言うなり指を鳴らす。そうすると会議室が揺れた。震度3位だろうか。「おいおい飛躍しすぎだろ、お前のその能力。」と俺。「飛躍かなんだか知らんが、俺はこの能力で明日分校を潰す。」
鼓の能力は「災害を起こす」だ。最早地球規模の能力だが、大災害を起こすのはこれが初めてらしい。
そして張りつめた空気の中鼓は準備のために会議を終了させた。そして現在に至る。ただ、これはチャンスなのかもしれない。総島寮には偈ヶ音がいるから、おそらく一番安全な山へ逃げるだろう。そこで俺の能力を使えば、黄田と左真似に重傷を負わせられる。
そういえば俺の能力の説明がまだだったな。実は俺は能力を二つ持っている。
一つは俺自身の能力で、「変化する」だ。簡単に説明すると、動物になれる。
もう一つの能力は「害を及ぼす」。人に不幸が撒き散らせる訳だ。これは移植した右目の能力で、視力を右目に頼りきった状態で発動する。以前いざというとき左目を眼帯で隠す理由を説明していなかったが、つまりはこういうことだ。
「聞いてる?田原君?おーい!」その声で我に帰る。元々我ではあるが。舞妻だった。「えっと…。」「はいアウトー。ちゃんと聞いとかなきゃ結婚できないぞー」「それはないだろ!というかそもそも結婚しないし!」「えーじゃあ私と結婚しようよ。」「それは爆弾発言だ!幼稚園児のおままごとか!」「そもそも聞いてないのが悪いんでしょ?」図星だ。「ごめんなさい…。もう一度お願いします…。」「…」「え?」「何も言ってませんでしたー。」「またか!」
「相変わらず仲良さそうだな。」甲木だ。「仲はいいと思うよ!」まて舞妻誤解されるようなことをいうな。「ちょ、ちょっと待て!別にそういう関係じゃないからな、甲木。ほら、腐ってもルームメイトだし?」「田原…。俺はお前が今とても憎い。」そうだった甲木は舞妻が…。「私は将来田原君と付き合うからね。奪わないでね。」「しねえよ!待て甲木勘違いするな…」「田原、後で来い。」
舞妻は甲木を同性愛者だと思ってるし、甲木は甲木で面倒くさい。さて、どうしようか…。
彼らは今、明日起こる本当の脅威を知る由もなかった…。