第陸枚 地震
この話には地震が関わります。予めご了承を。
財部ゼネラルプレースに着いた俺ら。偈ヶ音は調子が悪いらしい。木ノ葉が支えつつ中に入り、Bグループと別れる。いきなり矢真野が「でけー!」と言いながら空中浮遊している。「なんで飛んでんの!?」と海月。「簡単だよ。上にある埃と入れ替わってんの。勉強教えてやろうかぁ?」「結構です!第一ほとんど変わんないし!」「日本史は月とスッポンだけどな!」矢真野は日本史が大得意で、200点中200点と大爆発。対して海月は55点とやばかった。「ぶー…じゃあ日本史だけ!」「そうこなくっちゃ!」「あのー盛り上がってる所すまないが…」と俺。目の前に秋田が見えたからだ。秋田というのは矢真野の大親友で、海月の好きな奴でもある。その秋田が好きなのは本校まかぎ寮の千手で…まぁその話は置いておこう。ちなみに能力はない。というかある方が珍しいのだが、総島寮に偶然集まった。話を戻そう。秋田に気づいた海月が「あ、秋田!おーい!」「ようジェフ!何してんの?」「皆と満喫中~!」「ってもまだ来て10分たってないけどな。」と矢真野。「うるさい矢真野!」と海月。「おう、すまんすまん!」「あ、ジェフ、俺行くわ。じゃな!」「バイバイ!」そして秋田が見えなくなった後、矢真野が「お前秋田についてったら?」と言うと、海月が「駄目!今日は矢真野達と回るって決めてるから!」そう言われた矢真野が「そうか。よし、じゃあ行こうぜ!てか菓子食いてぇ…。」その一声で俺らは5階のデパート玄武へ行くことに。総面積東京ドーム38個分というゼネプレ(なんか略してみた)の中からまず5階へ行くのも一苦労。さらにデパート玄武を探す時間を入れると20分かかっただろうか。ようやくお目当ての場へたどり着いた。はしゃぐ矢真野、呆れる海月、支えられつつも興奮している偈ヶ音、天井を見上げる木ノ葉。見ていても面白かった。しばらく立ち尽くしていると、後ろから肩を叩かれた。「鹿伊?どうしたの?」左真似だ。「あぁ、なんでもない。」「ふーん、まぁいいや、行こ?」「おう。」そして菓子売り場に到着。ずらっと菓子が並ぶ中から皆思い思いの物を購入した。俺は暑かった(4月なのに今日だけ31℃である)からラクトアイスを買った。すると横から海月が「それ美味しそう!私もアイスにしよ。」結果俺以外も全員アイスを買った。飲食スペースで食べきったあと、偈ヶ音がぼそっと「皆ちょっといい?」と言った。「どした?」と木ノ葉。「実はね…。」その後偈ヶ音が発した一言は衝撃的であった。「マジで?」「ホントなのか?」「うん。もうすぐ…。」「どうする?」「とりあえず神谷達に報告しないと…!」「あいつら信じるか?あと一時間で大地震が来るとか…。」そう、偈ヶ音が言ったことは「あと一時間で大地震が来る」というものであった。災害を予知できる偈ヶ音が言うことだから間違いはない。調子が悪い時点で少し予想はしていたのだが、まさか本当になるとは。「とりあえず電話しよう!」と左真似。そして神谷の指示は「直で寮に戻ろう。集合はそこでする」というものであった。偈ヶ音の調子もまずまず戻ったので3kmの道のりを走って引き返すことに。だがやはり体力に限界がある。そこで考えられた案は「矢真野によって瞬間移動を繰り返す」だ。矢真野の能力は半径300mまで有効だから、10回で着く。結果大成功し、神谷達より先に寮に着いた。とりあえず荷物をまとめる。途中で神谷達が帰って来たので、話を進める。すっかり忘れていたのだが、時間まであと5分しかない。とにかく壱深山方面へ向かう。あと1分。後ろを振り返る。いつもと変わらない望月市が広がっている。一番大きい総合施設ゼネプレ、分校、総島寮、掲示板とは名ばかりのビッグモニター、全部見える。あと30秒。走れ、走れ、走れ!あと5秒。飛び立つ烏。あと4秒。動き出す動物。あと3秒。電気が今点いた分校。あと2秒。分校の丹槻寮と最座寮。あと1秒。秋田、無事で!「…来る!」偈ヶ音の合図と共に地を唸る轟音と爆発的な縦揺れがやって来た。その時の揺れで頭を打ってしまい、そこからの事は覚えていない。だが山の上で目覚めた時眼下に見えた、炎、煙、瓦礫、叫ぶ人々は脳裏に焼き付いてこれからも忘れることは無いだろう。そしてあと二つ忘れないのは、周りを見渡した時目に飛び込んできた、頭から血を流した左真似の姿と、青い眼帯をした黒フードの男…。
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