第弐枚 始業式
「鹿伊!」そう呼んだのは左真似亜宮。簡単に話すと俺の彼女だ。中学1年のときから4年間続いている。「掲示板行こ?」「ん?ああ。」掲示板というのは分校にある馬鹿デカい掲示板のことで、いろんな事が書いてある。今日は高2のクラス分けだ。と言っても1クラスしかない。何故なら分校の高2が40人しかいないからだ。それでも掲示板の前にいく理由。それは始業式があるのだ。いつもの朝礼は分校長が前に立って話すのだが、たまに本校の校長が来る。これは苦痛でしかない。聞けば分かる。「それでは始業式を始めます。まず始めに本校の備前丸校長にお越しいただいております。」説明していなかったな。この学校の創立者、備前丸は本校の所在する市の名前となった人物だ。市をまるまる3つ買収して1つの市にしたから名前の権利を手に入れた!とか言ってたな。「それでは、どうぞ。」始まる。「やぁ、『分校』の諸君。備前丸だ。元気にしてるか?してないだろうなぁだって君達は『分校』なのだから。でも本校の生徒には手本になっているよ。『分校になっていいのか?嫌なら先生に従順になりなさい』とね。感謝しているよ。君達の様な下階層がいるお陰で将来有望な本校の生徒が真面目に、必死に勉強に取り組んでいるからね。おっと失礼、君達には到底関係が無かったね。そういえば…」いつもこれだ。分校の生徒は下階層と考え俺らを蔑む。この堪えきれない苦痛に耐えていると脳内に声が聞こえた。「もういやだ…帰りたい…」左真似だ。あいつの特殊能力は「テレパシー」。人に脳内でメッセージを送れる。俺は生物と脳内でコミュニケーションをとれるから、左真似となら脳内で色々会話が出来る。「耐えるんだ…あと2年…」俺は脳内でそう呟いた。「頑張るけど、話が長い…」そう。あの蔑み丸は1時間以上平気で話し続ける。よくある漫画ならこの辺りで得体の知れない先生が出て来るのだろうが、そんなことはない。結果俺は途中日射病で保健室へ。帰ってきたら何人かが出迎えてくれた。紹介していく。一番背の高い奴が木ノ葉。こいつは周囲の景色に擬態して透明化したり、壁や床に溶けることが可能だ。だから休み時間になるとすぐ廊下の天井に溶けていなくなる。因みに溶けている間は動けない。木ノ葉の彼女が偈ヶ音。災害を予知出来る。残りの奴らも紹介したいが、生憎授業が始まる。それじゃあまた今度。