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第十八話
傍観者
「なあ、賢者。自分の分身を男にして学園に入れて楽しいの?」
「・・・。楽しい」
賢者が生徒会役員として学園にいたときは驚いたなあ。
しかも本人とは似ても似つかない容姿だったし。
「何が目的かは知らんけど、俺の邪魔はしないで下さいね」
「・・・。私は見るだけ」
「そっか。賢者なら分かってるだろうから言わなかったけど、俺思考読めるから、言葉はいらないですよ」
「・・・。・・・」
はやく言って欲しかったって?
ハハハ。
「・・・。・・・」
これ絶対周りから見たらずっと見つめ合ってる変人にしか見えないだって?
ハハハ。俺だけしゃべっていたら、それこそ変人じゃん。
「・・・。・・・」
ハハハ。ひどい。




