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第十三話
「なんで、お前はいつも思い出してしまうんだよ」
声が聞こえてきた。
これがレイアの声か、と思う。
「歴史を繰り返すことは避けたい。ここは引いてくれないか」
このやりとりもう何回目だろう。
何回目?まあいいか。今気にすることではない。
「無理だ」
「やっぱり駄目なんだな。では記憶を消去する」
それは不可能だ。オレの記憶は永遠に残る。
「訂正。思い出せなくする」
ああ、そういうことなんだろうな。
「じゃあな」
・・・・・・
「いつもお前はそう言う。私が間違ってるとでもいいたいのかよ!」
この声をオレが聞くことはできない。




