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第十七話
どうやら、ありすの卒業が決まったようだよ。
優秀な子だな、とは思っていたけど、この学校の創立以来一番早く卒業してしまうとは。まあこの学校自体歴史は少ないんだけどね。
それはともかく卒業式の前に卒業するのだし、お別れ会をしたい。
「ありす、お別れ会をしてもいい?」
「いいですよ。眼鏡どうしたんですか?」
「ああ、まあいろいろあって壊れたんだ」
ありすはわたしが起こしら出来事に気付いていない。あそこまで騒がしかったのに、なんで気付いてないんだろうね。そんなところも可愛いけどさ。
「青電さん、由美さんってこんなに美人だったんですね」
「あたしも初めて知ったわ。傾国も夢じゃなさそうね」
そういえば、なんでウチの母親はわたしに眼鏡なんてくれたんだろう。




