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第六話
伯爵令嬢
田中さんが立ち止まった。
「え、由美さんどうしたんですか」
「なんか不穏な空気な気がする」
「それは、どういう・・・」
最後まで言えなかった。それは赤電さんが倒れてしまったから。
「ありす!ねえ、どうしたの」
田中さんが動揺している。
「菫さん。落ち着いているようだけど、何か知っているの?」
下手なこと答えたらころされそうですわね。
「あたしの回復魔法を舐めないでいただきたい」
「《エクストラハイヒール》」
治った。
「これでじきに目を覚ますわよ。さっさと部屋に運びましょ」
「あ、うん」
何を驚いているの?これくらいあたしにもできるわよ。




