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第十話
まあ、灰電だけど。
あたしにしか見えないように紙を向けて、
『この人は貴女のお父様の主の次くらいに権力を持ってる。本人は気付いていようだけどな。実は王族と天使を結婚させるのはそんなに優先事項ではない。貴女のお父様は、他の命令から大きく違反しない限り有権者に逆らうなって命令を受けている。あきらめてくれるはずだ』
長い。どうやってこの短時間でこの文章を書きあげたのよ。
まさかこの展開を予期していたとか?
ないな。うん。
『じゃあ、頼んでみることにするわ』
『ありがとうございます。頑張りますね』
『いい判断だと思う』
今更だけど、灰電のキャラが変わりすぎている気がする。
でも、笑顔は変わらないわね。




