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王道ヒロインは頑張っている。  作者: 121
悪役令嬢《天使》
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第九話

「いくらあまり人がいないからといって、本を読んでいる人の邪魔はしないでください」


灰電が息を潜めて言った。

その隣にローズ・グレイが眉を顰めて本を読んでいるのが見えた。


あたしを助けてくれたとかとんでもない勘違いだったようね。

どう考えてもローズのためだ。


少し恥ずかしいわね。


「分かりました。静かにします」


「あたしも静かにすることにする」


「そうしてください」


ありすは紙に文字を書いてきた。


『私が説得いたしましょうか』


『あんたに出来るとは思えない。なんで?』


『なんか出来そうな気がするんですよ』


はあ?あのお父様はそんな簡単には説得されないわよ。


『この人は出来るぞ。俺が保証する』


え、誰?と思ったら、ある意味完璧な作り笑いが見えた。


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