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New Another World !!  作者: 子ハルコ
6/19

5

夕方5時頃。

今日は、白い空間に行くことは一回きりだった。

酷い日には、2回から4回ほど行くこともあった。

そのメカニズムは全くと言っていいほど解明されていない。

ただ、彼の体調や、精神の具合によるものと曖昧にはわかっている程度だった。

それでも、1日に1回は必ずその世界に引きずり込まれる。

しかし、それも今日で終わりのようだった。

だんだんと夜は近づいてくる。

いつの間にか、外は赤みを帯び、太陽はもう沈み切ろうとしていた。


夜の9時頃。

消灯の時間が迫ってきているのか、昼のような慌ただしい看護婦の声も聞こえない。

夜の病院と言うのは、基本的に閑静で静寂が支配するものである。

故に、灰海はそれがとても恐ろしく感じ、いつも夜は嫌いだった。

それは入院する前からのことで、今更だったが『病院』というステージで余計に苦手になった。

ぶっちゃけ、嫌いだった。


自室のカーテンを少し開ける。

今日はどうやら満月らしく、月が神々しい様である。

少しの隙間でも大変明るく照らされた。

彼の病室からは月がよく綺麗に見えるのだった。

数分してから灰海は床に伏せようとした。

瞬間、脳裏にあの世界にいた青年の言葉を思い出した。


ドクン


心臓が跳ねる。


ドクンッ


次は大きく跳ねた。

「はぁっはぁっ…!」

息が詰まるような感覚に陥る。

しかし、心臓の方はお構いなしに早くなる。

ドクンドクンと、止む気配はない。

次第に意識は薄くなり、すべてを放棄したくなった。

(あぁ、俺はここで死ぬのか…)

それを最後に灰海昇の思考は停止し、彼は意識を放棄した。

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