ユータロウとマクマ
土埃を上げ突進しながら、紅の剣士、カオリは剣をユータロウに向ける。
「何であんたが居るのよッ!!」
「その言葉そのまま剣で打ち返して、テメェを殺す!!」
周囲の兵士も呆然とする程の大バトルが始まった。
紅と蒼の閃光が目まぐるしく飛び交う。強烈な勢いで火花が飛び散り、まるで暴発した花火のようであった。
「授業もマトモに受けられないバカ学生がッ!!親に詫びてついでに死ねば!?」
カオリは右で薙ぎ払うと見せかけて右脚で蹴った。
「そんな事思うってやっぱテメェ思った通りの腹黒女だな!
やっぱお前あれだわ、キ・リ・ン!!だな!!」
カオリの強烈な一撃を左手で防ぎ、ユータロウは後方に飛んだ。
鮮やかに一回転をすると、ユータロウも間髪入れずカオリに向かって突進し、目にも止まらぬ早さで連撃を開始した。
「ハァ?どーゆー意味?」
「K彼女I居ないR歴IイコールN年齢だクソ女!!」
K「彼氏」I居ないR歴って言うべきだった。「彼女」ッてなんだよ「彼女」って……
ユータロウは言い間違えた自分を恨んだ。
「彼女居ないって自己紹介してんじゃねーよ単細胞!!」
「単細胞は自己分裂するから良いんだよ!!」
突きを入れたがすんでの所でカオリはかわした。
戦いは3時間に及んだが、決着は付かず、指揮官から撤退の命令がかかった。
ユータロウとマクマは蒼の街戻り、古くこじんまりとした飲み屋に入った。
中は白で統一されており、インテリアは青い鉱石が置かれている。
金髪をしたお姉さんが炭酸と緑のゼリーの入った、ハーブ臭のきつい飲み物を持ってきた。
ユータロウとマクマは白い木で作られたテーブル席に座り、
コップに口を付けた。
マクマは、不思議そうに言った。
「紅の奴と何か言葉を交わしていたようですが」
ユータロウは上の空で答える。
「いつも通りのことさ」
マクマはそうか、と言うと、溜息をついた。
「ここ最近は一緒に飲みに来ることがありませんでしたからねぇ。
貴方が訓練生時代はよく来たものですが」
ユータロウも懐かしむ。
「あんときはまだわりかし平和だったもんな……」
ユータロウは机に突っ伏すと、金髪のお姉さんをみた。何か落としたのか、屈んでいる。
「おい、マクマ、今日のお姉さんのパンツは黒だぜ」
マクマもすかさず突っ伏しニヤリと笑う。二人で顔を見合わせヘラヘラ笑いあってると、お姉さんの投げたメニュー表がマクマの脳天にヒットした。




