イエローの頭は"みたらし"のことでいっぱい
「子供の日に向けて、柏餅フェアをやりたいと思う。」
いつもは、まとめ・調整役のレッドが珍しく提案をした。
「といっても、うちの店だけでやったんじゃつまらない。
だから、それぞれの店でオリジナルな柏餅を出すんだ。
一口サイズの柏団子を、買い物のサービスとしてつけてもいいかもしれん。」
葉の準備がちょっと面倒だけどな、と付け足すレッド。
「なるほど。GWにあえて買い物に来てもらう作戦ですね。」
と、今日もにこやかなブラック。
「確かに買い物のサービスに、というのはありだね。わざわざ買うのも…って一人暮らしの人もいるから」
GWはどうしても客足が落ちるから…とブルー。
「洋風柏餅なら、うちで取り扱っても問題ないわね。」
さて、どうしよう?とさっそくレシピを考え始めるピンク。
「じゃあ、うちはみたらし味で!」
何が何でもみたらしなイエロー。
正式に町内会へ提案し、採用。
かくして、商店街のミニ柏餅プレゼントフェアは始まった。
「風味が重複してはつまらない」ということで、どの店がどの味を出すかも調整済だ。
結果として、商店街全体の売り上げが伸びた。
・期間限定である
・買い物をすればサービスでもらえる
・店では売っていない風味
・ミニサイズで食べやすい
という4点が好評となった理由だった。
特にお年寄りに人気で「年を取ると、あんまり食べられないからねぇ」
小さいから色々食べられるのが嬉しい、ということらしい。
ただし、イエローの実家が経営する煎餅と団子の店・米菓屋では、みたらし団子のみ売り上げが落ちたとか。
「まったく、みたらし団子のことしか考えてないんだから」
とイエローが母親になじられたのはここだけの秘密だ。