イエローは新しい味に挑戦したい
「みたらし団子はそのままでも素晴らしい!素晴らしい甘味だ」
イエローがいつものようにみたらし団子を賛美する。
「しかし!もっとバリエーションを増やしてもいいと思うんだ。より多くの人の支持を得るために。」
そうイエローは力説する。
「一理あるな。」
頷き、厳かに同意するレッド。
「ショコラの世界でも、進化は大事にされていますよ?」
あくまでにこやかなブラック。
「まぁ…醤油系スイーツって流行ったからねぇ。」
なんとも言えない笑みを浮かべ、曖昧に肯定するブルー。
「でも、だからといってコレはないんじゃないの?」
うんざりとした表情を隠そうともしないピンク。
テーブルの上にあるソレに、誰もが手を伸ばすことに躊躇していた。
あまーいココア粉末がたっぷりかかった、みたらし団子に。
後日、ブラックの経営するチョコレート専門店・ショコラから新しいスイーツが販売された。
ビターな味のチョコレートで作られたトリュフだ。
トリュフの中にはみたらし餡が入っており、その絶妙な味わいが若い女性に大人気となった。
「アイディアをもらいましたたから」
とにこやかな顔で、ブラックから1箱プレゼントされたイエロー。
「どっちもカカオなのに…」とイエローがしょぼくれたのは、言うまでもない。