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東方狐想記  作者: 畏無
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プロローグ

 日本の人里離れた山奥の辺境の地に存在し、僅かな人間と多くの妖怪等の人外が住む忘れられたモノが集う場所『幻想郷』。

 その幻想郷の様々な幽霊が駐留する場所──『冥界』に大量の桜の木が庭に植えられている広大な日本屋敷『白玉楼』。

 その屋敷の庭に、白に近い灰色の短髪に短めの白いYシャツのような服の上に緑色の上着とスカート、更に胸元と頭に黒い飾りを身に付け、左腰と左肩から右腰に二本の刀を背負い、白い何やら判らないような幽霊が浮遊しながらついている白玉楼の庭師の少女──魂魄こんぱく妖夢ようむが手慣れた動きで庭の手入れをこなしていた。


「今日はこれ位に……?」


 庭の手入れを終わろうとした時、地面に何か引き摺ったような跡が庭の隅の方へ続くようにあるのに気付いた妖夢は即座に二刀を鞘から抜き、警戒しながら跡の続く先へと進む。

 すると、跡の先にある庭の隅には──


「妖怪、ですか……」


 腰まであると思われる毛先が跳ねている灰色の髪と頭のてっぺん辺りから灰色の狐の耳のような獣耳が生えており、全身は傷だらけかつ赤く染まっている襦袢じゅばんと赤黒い着物に黒っぽい青紫色のはかまを身に付け、尻の辺りからは髪と同じ配色で髪より酷く跳ねている灰色の尻尾の生えた顔つきが中性な青年が開花していない桜の木の根元に倒れていた。


「(この怪我は……何かに切られたような傷。しかもかなりの出血……)って、冷静に状況把握してる場合じゃなかった!?」


「何してんだい?」


 慌てていると後ろから声を掛けられたので妖夢は後ろを振り向く。

 後ろには赤い髪を二つに分けて束ねた青と白を配色にした上着とスカートを茶色い帯のような物で腰辺りで縛ったような服装で、左肩に鎌の柄を乗せた死神の女性──小野塚おのづか小町こまちが首を傾げながら立っていた。


「寧ろ貴女が何してるんですか!? 仕事はどうしたんですか!?」


「それよりもソイツを手当てとかしなくていいのかい? 何ならあたいがソイツを運ぶよ?」


 いつの間にか白玉楼内に居た小町に対し半分怒鳴るように言う妖夢だが、小町の言葉を聞いて冷静になり、二刀を鞘に納める。


「……では済みませんが、運ぶのお願いします」


「任せときな」


 小町は答えた後に狐の青年を右肩に担ぐと、妖夢の案内で屋敷内へと入って行った。


◇◆◇◆◇

 一週間が経ち、妖夢と小町に屋敷へ運ばれた狐の青年は白玉楼にある幾つかの部屋の一室で、青い服と服の中を全身包帯で巻かれた状態で布団の中で静かに眠り続けていた。

 その隣の部屋では一人の人物がお茶を飲んでいた。

 肩に掛かる程に伸びている綺麗な桜色をした髪に淡い水色が配色の着物を身に付けた白玉楼の主にして、 冥界に住む幽霊たちの管理人である女性──西行寺さいぎょうじ幽々ゆゆこである。

 幽々子は隣の部屋で眠っている狐の青年の事を考えつつも湯呑みに入ったお茶をゆっくりと飲み干すと、ふと呟いた。


「……一週間も寝てるなんて、余程おねむな狐君なのかしらー?」


「──誰がおねむな狐君なんだ?」


 後ろから聞こえてきた声に幽々子が見上げるように頭を上げると、隣の部屋で眠っていた筈の狐の青年が幽々子の顔を見下げるように立っており、視界の端で隣の部屋との障子が開いているのが微かに見えた。


「あら、やっと起きたの? おねむな狐君」


「だから、誰がおねむな狐君なんだっての……てか、あんた誰だ?」


 自分の隣の空いている所を叩きながら言うマイペースな(?)幽々子に溜め息をつきながら狐の青年は幽々子の隣に座る。


「私は西行寺幽々子。此処白玉楼の主にして、冥界の管理人よー? おねむな狐君」


 幽々子が狐の青年に自己紹介をすると、狐の青年は耳をチョコンと曲げつつ首を傾げる。


「白玉楼……? 聞いた事が無い場所だな……一体此処は何処なんだ? それとおねむな狐君と呼ぶな」


 狐の青年の質問に幽々子は何処からともなく取り出した扇を開いて口元を隠しながら答える。


「此処は幻想郷──外の世界で失われ『幻想になったもの』が集まる場所よー? おねむな狐君」

























































皆様初めましての方々も、お前の挨拶はテンプレか!? という方々も初めまして!(?)

畏無と言います。


取り敢えず後置きとかは月にでも投げ捨てまして(ぇ


それではこれからも宜しくお願いします。

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