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プロローグ
「誰か意見のある人はいませんか。」
私は何度おなじ言葉を言えばいいのだろう。
このクラスの人は積極性がないか面倒くさがっているかのどちらかで、はっきり意見が言えるのは学級委員の私くらいだろう。
しかし、話し合いの進行役である私が意見を言うというのは好ましくない。クラスの中の勇気ある誰かが発言するのを待とう。
「誰か意見のある人はいませんか。」
私がもう一度言った時、横山叶斗が立ち上がった! 横山くんはクラスの中でもしっかりしていない方なのだが、意見を言うなんてすごい。少し見直した。みんな、横山くんが何を言い出すのかとじっと彼を見つめている。
「横山さん、意見を言う時は挙手をしてください。」
いきなり起立するというのは学級委員として見逃すわけにはいかなかった。
「俺は意見なんか言わないよ。」
「えっ・・・横山さん!」
私が反論するすきもなく横山くんが教室を出て行ってしまった。