笑ってて
あなたの笑顔って眩しすぎる・・・・
ほら、初めて会ったときあなたは、とてもニコニコしてて
私には、若干というか、かなり苦手だったことを覚えているよ。
中学生の時だったかな?
私ね、男子におかしなあだ名をつけられてイジメられてたの。
言い返してしたくても、後でもっと言われるんじゃないかと思うと
黙って耐えるしかなかった。
それからかな?男子には、敬語を使うようになって、機嫌を悪くさせないように
嘘をついて、嫌なやつでも助けてあげて・・・
自分でもね、感じたんだ。もう普通に男子としゃべることができなくなってしまったんだって
普通にタメ口でしゃべるって勇気がいるってことだったって・・・
でもね。そんな根暗な私を笑わせてくれて。私の話を聞いてくれたのがあなただった。
最初のうちはね、昔のことがあるから、いつ悪口を言われ始めるんじゃないか、
いつ変なあだ名をつけられんじゃないかって、とってもビクビクしてたことを
今でも覚えてる。
告白された時だって、なにかの罰ゲームじゃないかと、思ったんだ。
今思えばそのときの私って、性格歪みすぎてるよね。(笑)
告白のあと、私、いっぱい、いっぱい悩んだよ。
本当は、断ろうとも思ってたんだ。
けどね、あなたが言ってくれた言葉・・・
「俺はちゃんとおまえを信じるから」
その言葉を言われたから、私もあなたを信じることに決めたの。
それからの2年間、私は毎日が楽しくて楽しくて、幸せだった。
あなたと会わせてくれたのは、神様がくれた最後のご褒美だったんだね。
☆
ああ、もう少し病が進めば、体が動かせなくなってしまうでしょう。
この手も動かせなってしまうでしょう。
これがあなたに書ける最後の手紙です。
この手紙を読んだら、今まであげたすべての手紙をこの手紙と共に
燃やすなり、破いて捨てるなりして処分してください。
あなたは強くてやさしい人だから、どんな時でも前を向いて歩いてね。
過去を振りかえらずに笑顔の似合うあなたのままで・・・・・
☆☆☆☆
「んっ?これは・・・?」
書かれた日づけは、ちょうど1年前
そして、差出人は・・・・
「っ!」
急いで、封を切り、手紙を読む。
最初のほうはあいつの昔話だったが、胸が痛む
そして、どんどん読み進めていくうちに涙が止めどなく、あふれていく
最後まで、頑張って戦って、美しく散ってった恋人
俺は自分の部屋へ行くと引き出しの中に保管されてた数十枚の手紙を取り出し
庭で火をつける。
(なあ、おまえって中学のころ、どんな奴だった?)
(秘密♪)
(はあ?なんだよそれ)
(いつか話すよ。だからそれまで、「信じて」待っててね)
「教えてくれて、ありがとう。
ちゃんと前を向いて笑顔でいるよ・・・だからおまえも空で笑っててくれよ」
風が燃えた手紙を空へ運んでく。
まるで、俺の言葉をに届けるように・・・
名前なし短編小説第2弾です。
ごめんなさい。今回も悲しいお話です・・・
少女が不治の病にかかったお話です。
今度は明るいお話書きたいな~