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旅の記憶  作者: Yuki
1/2

あそこ国編(1) 〜どこか村〜

【お知らせ】

《あなたの投票で連載開始!?》


Yukiとベル(相棒の妖精)の物語が感想で「読みたい!」という声がいくらか挙がれば書くかもしれません。


!投票方法!


感想で「Yukiベル物語」と、どういう系(日常・ファンタジーなど)の二つを送ろう!

〈注意〉

・返信の仕方には期待しないでください

・読みたい場合のみ投票してください

・投票は一人一回でお願いします

・お答えしていただいた◯◯系が当選しない可能性もございますご了承ください

 ろくに整備もされていない道を猛スピード突っ切っているのは、沢山の荷物を積んだバイクだ。

 

「ちょ、バカ。もっとゆっくり走れ!」


 切迫感のある声で叫んでいるのは、赤い首輪の付けた茶色い猫のクッキー。荷物の上に乗っていて今にも落ちてしまいそうだ。

 

 「はいはい、わかったよ。」


 残念そうにスピードを落とした運転手は、服装はシャツの上に茶色いコートを着ている。右ももには、コルト・グリズリーがホルスターに収まっている。名は、ルミエール。世界各地を旅する旅人だ。

 

 「そういえば、どこに向かっているんだい?」


 いつの間にか体勢を立てなおしたクッキーが聞く。

 

 「“どこか”だよ。」

 「まったく、計画性がないなぁ。」


 クッキーは呆れた様子だ。


 「ああ、“どこか”という村の事さ。」


 クッキーはルミエールの顔をまじまじと見たが、嘘をついているようには見えなかった。


 「え、そうなの?ややこしい村もあるもんだ。」


 そんな会話をしているうちに、“どこか村”に着いたルミエールとクッキーは、バイクを降りて、歩き始める。

 しばらく歩くと、切り株に腕を置いて、木の棒で腕を叩いている少年が居た。


 「大丈夫なのか?」


 クッキーが心配そうに言うので、ルミエールは理由を聞くことにした。

 ルミエールとクッキーは少年にゆっくりと歩み寄る。


 「ねえ、君はなんで腕で腕を叩いているの?」

 「叩くのを止めると気分が良くなるからだよ。」

 

 クッキーとルミエールは同時に虚を突かれたような表情をしてから、顔を見合わせる。

 

 「気分が普通の時を、”ゼロ”とするだろ?腕を叩くと気分が悪くなって”マイナス”になる。でも、叩くのを止めると”ゼロ”へと戻る。つまり気分が上がるように感じるんだ。」

 

 少年は自信満々に答える。「天才だろ?」とでも言わんばかりの雰囲気だ。

 

 「「あはは……」」


 一人と一匹は呆れて言葉が出ない。続いた沈黙をクッキーが破る。


 「楽しいことをして、気分を良くすればいいだろ。」

 「なるほど!ありがとう猫さん。早速試してみるよ!」


 そう言い残してどこかへ行ってしまった。


 「きっと彼は将来、マッドサイエンティストになっているだろうね。」


 ルミエールは心配と呆れと嬉しさが混ざった声で言ったが、夕日で表情は見えなかった。

 取り残されたルミエールとクッキーはその場をあとにし、宿へと向かった。

 その頃には、静かに微笑む星々が空を覆っていた。

 ルミエールは、宿でコーヒーを飲んでいると、昼間のことを思い出した。


 「変な人も居るもんだ。」


 クッキーがふと呟いた言葉はルミエールにはすぐに誰なのか分かった。


 「うん、その通りだ。これだから旅は辞められない。」


 ルミエールは少し満足気に、少し楽しそうに笑った。

 次の日、彼らはまた新たな目的地へ向かうバイクには、新たな思い出も積まれている。

 沢山の思い出を乗せたバイクは毎日、世界のどこかを走っている。彼らは今日という一日を、最高の思い出として記憶に残してゆきながら。

皆さんどうも。Yukiです!

今回は初の日常系となりました。(そもそも投稿が二回目なのはナイショ)


まだまだピカピカの初心者マークを付けていますが、何卒よろしくお願いします。

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