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えるだ~すとりあ -ゆうしゃと まおうの ものがたり‐  作者: 秋山静夜
どれいのくに と まほうつかい
15/23

第15話 どれい の おうさま

ふむ、ころすなとは どういったかぜのふきまわしかな、ゆうしゃよ。


『どれいのくに』のおうさまは しょけいだいのまえに あらわれたのが ゆうしゃだと すぐにわかりました。


そのこどもを ころさないでください。


あらためて、ゆうしゃは おうさまにいいます。


おうさまは、まゆに ふかいしわをよせて いいます。


りかいに くるしみますな。このこどもは まぞくですぞ。


……わかって、います。


ゆうしゃは こたえました。


まぞくは、われらをくるしめたのですぞ。


……りかい、しています。


ゆうしゃは くるしそうに こたえました。


そもそも、この こどもの おやたちをころしたのは、あなたではないですか?


どれいのおうさまは、ゆうしゃにとって いまいちばん めをそむけたい じじつをつきつけました。


っ、そのとおりです。わたしが、ころしました。


ゆうしゃは、むねをかきむしりたくなる しょうどうをこらえながら、かおをあげていいました。


こまったものですな。われらは いちどあなたに たすけられた。ゆうしゃの たのみをいちど きくくらいは やぶさかではないが。─────さて そこの こぞう、たすけられたいか?


どれいのおうさまは、これから ころされる まぞくのこどもに ききました。


まるで そのこどもが、なんてこたえるか わかっているかのように。


……ない。たすけられたくなんてない。ぼくは ゆうしゃなんかに たすけられたくない!


まぞくの こどもは、めに なみだをためて いいました。


そのめに、にくしみをこめて いいました。


だ、そうですぞ。ほんにんが あなたに たすけられくないと いっているのです。『しょけい』をやめる りゆうもないでしょう。


どれいのおうさまは、もういちど『しょけい』の あいずをしようとします。


まて、そのこどもをころさせるわけには いかない。


こんどは まおうが こえをあげました。


しつれいだが、どなたかな?


どれいのおうさまは、ギロリとつよい しせんをむけます。


おれは、まおうだ。まおうが まぞくのこどもをたすけるのに りゆうが いるか?


まおうの はつげんに、しょけいだいのまわりに あつまっていたへいしたちが おどろき、ぶきをてにします。


ですが、どれいの おうさまは どうようしません。


ほう わかくみえるが、ゆうしゃが ここにあらわれた いじょう、なにかしらの ゆかりがあっても おかしくはないか。


どれいのおうさまは しろいひげをさわりながら、めのまえにいるのが まおうだとなっとくします。


それで、だ。まおうが まぞくのこどもをたすけるのは たしかに どうりであるが、そのあとは どうするつもりかな?


しろいひげをさわりながら、どれいのおうさまは いいました。


まぞくのこどもをつれながら、わがくにの へいしや みんしゅうをけちらしながら このくにから にげるつもりか?


だったら なんだっていうんだ?


まおうは しせんに ちからをこめて、どれいのおうさまをにらみかえします。


しかし、どれいのおうさまは どうようしません。


いやいや、まぞくのおうが にんげんに きがいをくわえるというのなら、そちらの ゆうしゃに たいじをいらいするだけの はなしだ。


はっきりと、ゆうしゃの めをみて どれいのおうさまが いいます。


──────────え? 


ゆうしゃは どれいのおうさまの ことばに おどろきます。


なにをおどろいておられるのか、ゆうしゃよ。あなたが これまでしてきたように、まぞくをたいじして いただきたいのです。あなたは、われら にんげんの ゆうしゃでしょう?


どれいのおうさまの ことばには、うむをいわせない ちからづよさが ありました。


だけど それいじょうに、おうさまのことばをただしいと おもっているのは ゆうしゃじしんです。


みんなのゆうしゃになること、それだけをもくひょうに いきてきたのは かのじょじしんなのですから。


なのに、おうさまのことばをただしいとおもいながら、ゆうしゃは まよっています。


みんなが ただしいと いっていることと、ゆうしゃが ただしいと おもうことが ずれてしまいます。


そんなとき、ひとは どうすればいいのでしょう?


さて、『しょけい』のじゃまは もうおわりでよろしいかな?


どれいのおうさまは れいせいに いいました。もし まぞくのこどもをたすけたのなら、そのさきに まっているのは めもあてられない ころしあいです。


ゆうしゃも まおうも、うごきたいのに うごけません。


そのとき、とおくから ものおとが きこえてきました。



どっご~ん! がっしゃ~ん!



いいえ、ものおと というよりは はかいのおとです。


あつまっているみんしゅうたちの いちぶをふきとばしながら、だれかが おおひろば までやってきました。


おお~、やってるやってる。もりあがってんねぇ。


あらわれたのは くろいローブをみにまとった おんなのこ。


まほうつかいの、おんなのこです。

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