頭がおかしくなりそう
私は、ある日突然、頭がおかしくなった。
きっかけは、いつものように通勤電車に乗ったときだった。いつもの席に座り、新聞を読みながらぼんやりと窓の外を眺めていたら、突然、目の前に大きな穴が開いた。
穴は、まるで地獄の口のように、深く暗く、底が見えない。私は、その穴に吸い込まれるように引きずり込まれていく。
気がついたら、私は見知らぬ場所にいた。そこは、荒涼とした砂漠のような場所で、何も生えているものはなかった。
私は、周囲を見回すが、誰もいない。ただ、遠くに、何かが燃えているのが見える。
私は、燃えているものに向かって歩き出す。
近づいてみると、それは、巨大な炎だった。炎は、天を突くほど高く、激しく燃えていた。
私は、炎に近づくと、その熱さに耐えられず、後ずさりをする。
すると、炎の中から、声が聞こえた。
「お前は、ここに来るべきではなかった」
私は、声のする方を見たが、そこには誰もいなかった。
「誰だ?」と私は叫んだ。
「私は、お前が恐れているもの」
声は、再び聞こえた。
「私は、お前が嫌っていること」
私は、恐怖に震えた。
「私は、お前が逃げ出したいもの」
声は、さらに強く響いた。
「私は、お前自身だ」
私は、その言葉を聞いて、恐怖で気を失った。
気がついたら、私は、病院のベッドにいた。
医師によると、私は、精神病を患っており、幻覚や妄想を見ているとのことだった。
私は、しばらく入院し、治療を受けることになった。
治療は、なかなかうまくいかず、私は、幻覚や妄想に苦しみ続けた。
ある日、私は、また、あの穴を見てしまった。
私は、穴に吸い込まれるように引きずり込まれていく。
そして、私は、また、あの砂漠のような場所にいた。
私は、あの炎の前に立った。
「どうして、お前は、ここにいるのか」
私は、声に尋ねた。
「私は、お前を助けるためにここに来た」
声は、答えた。
「私は、お前が、本当の自分を見つけるのを助けるためにここに来た」
「本当の自分?」
私は、尋ねた。
「そうだ。お前は、本当の自分を恐れている。だから、逃げている。でも、逃げても、お前は、本当の自分から逃げることはできない」
声は、言った。
「私は、お前が、本当の自分と向き合うのを助けるためにここに来た」
私は、ため息をついた。
「よし、お前と向き合ってみよう」
私は、声に答えた。
そして、私は、炎の中に歩き入った。
炎は、私の体を焼き尽くすように感じたが、私は、それを耐えた。
そして、私は、炎の向こう側にたどり着いた。
炎の向こう側には、何もない。ただ、真っ暗な闇だけがあった。
私は、その闇の中に立った。
そして、私は、自分自身と向き合った。
私は、自分の弱さや恐怖と向き合った。
私は、自分の本当の自分と向き合った。
そして、私は、自分自身を受け入れた。
私は、炎の中から出た。
炎は、消えていた。
私は、砂漠のような場所を歩き出した。
私は、もう、恐怖や不安を感じなかった。
私は、本当の自分を見つけていた。
私は、もう、頭がおかしくなったりはしないだろう。