未だ見ぬ明日に
●「余り物の寄せ集め」だと侮るなかれ。
【収録曲】
1.脈打つ生命
2.サイエンスフィクション
3.ムスタング
4.深呼吸
5.融雪
6.未だ見ぬ明日に
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメジャー初となるミニアルバム。今作はどうやら『ワールド ワールド ワールド』の選曲から漏れた楽曲を集めた作品のようで、そういう事情もあってか、アルバムを通してのコンセプトはさほど感じられません。全体的に見ると、『君繋ファイブエム』や『ソルファ』に近い雰囲気でしょうか。
意地悪な言い方をするならば「余り物の寄せ集め」ということになりますが、そうであっても楽曲のクオリティの高さは相変わらず。要点をしっかりと押さえたメロディとシンプルなロックサウンドの組み合わせは聴いていて心地良いものがあります。特に、『ムスタング』においては、繰り返されるアルペジオと中盤の盛り上がる展開である種の抑揚を表現しており、『ワールド ワールド ワールド』の収録曲に引けを取らないほどの「ドラマ性」を持った曲になっていると思います(まあ、どちらかというと暗い曲なので選曲から漏れた理由も何となく分かるのですが)。
曲数が少なめなのである意味「サラっと」した感じになっていますが、良い意味で「手軽に」彼らの楽曲が持つ魅力を味わえるアルバムになっているのではないでしょうか。
評価:★★★★★