ソルファ
●ブレイク時の「勢い」とメジャー2作目にしての「安定感」を同時に感じられるアルバム。
【収録曲】
1.振動覚
2.リライト
3.君の街まで
4.マイワールド
5.夜の向こう
6.ラストシーン
7.サイレン
8.Re:Re:
9.24時
10.真夜中と真昼の夢
11.海岸通り
12.ループ&ループ
2004年にリリースされ、バンド初のチャート1位を獲得したASIAN KUNG-FU GENERATIONのメジャー2ndアルバム。全体的な雰囲気としては、ハイテンポで焦燥感のあるギターロックを主軸にした構成で、その点からは前作『君繋ファイブエム』の延長線上にあると言えるでしょう。『振動覚』~『リライト』のような「短めのナンバーでアルバムの幕を開け、その次に同じテンポの楽曲を繋げる」という流れに関しては、前作の『フラッシュバック』~『未来の破片』の流れを彷彿とさせるものがあります。
ただ、ミドルテンポで広がりのあるサウンドを聴かせる『マイワールド』や、パーカッションを入れた穏やかなナンバーの『真夜中と真昼の夢』、春の風景を叙情的に描いたバラードの『海岸通り』のように、前作には無かった雰囲気の曲もあり、そういう意味では音楽性がやや広まったように思えます。もっとも、そういった楽曲であっても、しっかりとツボを押さえたエモーショナルなメロディは相変わらずで、ハイテンポな楽曲に引けを取らない出来になっているのではないでしょうか。
個人的には、11曲目の『海岸通り』で締めた方が作品として良く収まっているように思えますが、最後の『ループ&ループ』はボーナストラックのようなものと捉えればそこまで不自然ではないでしょう。彼ららしさを維持しつつも程良く新しさを取り入れた作品といった感じで、「安定感」と「勢い」を同時に感じられる仕上がりになっていると思います。
評価:★★★★★




