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ホームタウン

●良く言えば「堅実」だが、「どっしりと構えた良作」とまでは行かないか。

【収録曲】

１．クロックワーク

２．ホームタウン

３．レインボーフラッグ

４．サーカス

５．荒野を歩け

６．UCLA

７．モータープール

８．ダンシングガール

９．さようならソルジャー

１０．ボーイズ＆ガールズ

　ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメジャー9thアルバム。今作は収録曲のテンポが全体的に遅めで、5thアルバム『サーフブンガクカマクラ』の作風をさらに推し進めたような印象を受けました（『サーフ～』ほどの明確なコンセプトがあるわけではありませんが）。

　その影響か、「地味」に感じられる曲が少なくありません。良く言えば「堅実なロックサウンドを聴かせてくれる」ということになりますが、どうもフックが効いていないところがあり、街中のＢＧＭとして流れたらつい聞き流してしまいそうなところがあります。

　ただ、明確なサビを用意せずに味わい深いメロディを聴かせる『荒野を歩け』や『ボーイズ＆ガールズ』、サビでテンポが速くなる『UCLA』、メランコリックなラブソングの『ダンシングガール』と、特にアルバムの後半において印象深い楽曲が増えていく感じで、それらに関しては良い意味での「引っ掛かり」を感じられました。中でも、『ボーイズ＆ガールズ』は派手ではないものの心に染み入る名曲だと思います。個人的には、そういう曲がもっと多く収録されていれば「どっしりと構えた良作」になったかもしれず、その観点から色々と「惜しさ」を感じられるアルバムでした。

評価：★★★★