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2.


 次の日、ポンは砂丘へ行くことにしました。

 昨日親方がさらりと言っていた“虹のしずく”というのが気になります。ポンが森を抜けて砂丘へ向かう途中で物知りの村長に会いました。

「村長さんおはようございます」

「おや、ポン。おはよう。今日は工場はお休みかい?」

「はい、僕は今日ちょっと用事があって。あ、そうだ。ちょっと聞きたいんです」

 ポンは、物知りの村長ならば“虹のしずく”のことを知っているかと思って聞いてみました。

「虹のしずく?ふむ、わたしもよく知らないがね、虹のかかるふもとに、そのしずくが落ちると聞いたことがあるよ。だけど、それがどんなものなのかは知らないねえ」

「そうですか」

 虹のふもととはいいことを聞きました。でも物知りの村長でもそれ以上は知らないようです。ほかの人に聞いてもわからないでしょう。虹のしずくのことはあまり期待しない方がよさそうだと思いました。

 ポンは村長にお礼を言って、砂丘へ向かいました。


 その日はお日様が柔らかく降り注いでいて、とても爽やかな日でした。砂丘の砂もキラキラ光っています。

「うん、これはきっといい石が見つかるぞ」

 ポンは少しわくわくしながら、さっそくきれいな砂粒を探し始めました。

 砂粒といっても、小人のポンが探せば自分の鼻と同じくらいの大きさもあります。キラっと光るものが見えるたびに、ポンはどんな砂粒か、手に取ってみました。

「これは半透明。これは真っ白。これは黒いけれどツルツルでとてもきれいだ」

 探せば探すほど、きれいな粒がたくさん見つかります。うっすらと桃色に見えるものや、緑の宝石のようなものもありました。

「だけど、なにか物足りないなあ。彼女は笑うととっても可愛くて、やわらかい光があふれるようだもの。彼女に似合う石はないかな」

 そうと意識していませんでしたが、ポンは昨日親方に言われた通りに探しました。それは「相手のことを真剣に考えた時に気持ちを込めて贈ることのできるもの」です。彼女に似合って、彼女が喜んでくれるようなものを贈りたいのです。


 ポンが彼女のことを考えながら、砂を探していると、どこかからクスクスと笑い声が聞こえるような気がしました。

「なんだろう?」

 気になって顔をあげると、ポンのそばに妖精が2人、飛んでいました。秋の羽を金色に震わせてキラキラと光っています。

 あまりの美しさにポンは見とれていました。そして、あの妖精のように優しく光る石はないかな?とまた探し始めました。

 彼女のことを考えながら探していると、妖精はもっとポンに近づいてきました。

 かすかに楽しそうな笑い声が聞こえます。それは、妖精の言葉なのです。妖精は、ポンが幸せそうな顔をしているので、何をしているのか気になったのでしょう。

「僕は大好きな彼女に、結婚の申し込みをするんだ。そのために、彼女に似合う石を探しているんだ」

 ポンが顔を赤らめながら、そっと口にすると、妖精は大きく手を開いてふわりと飛びました。まるでポンの言ったことを喜んでくれているようです。それを見てポンはますます嬉しくなりました。

 そこでポンは、思い切って妖精に聞いてみました。

「砂丘には“虹のしずく”があるかもしれないって聞いたんだけど、君たち、知らない?」

 本当は自分ひとりの力で探して見つけたかったのですが、たくさんの砂を見ていたらわけがわからなくなってしまったのです。

 すると妖精たちは、顔を見合わせて嬉しそうにクスクスと笑いました。

 それからポンの方を見ると、おいでと手招きするようにして向こうへ飛んでいきました。きっとついて行ったらなにかヒントがあるかもしれません。ポンは急いで立ち上がって、妖精のあとを追いました。



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