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光と。
枝を踏みしめ、茂る草をかき分け、エリカは一日中食料を探し続けた。吹き出る汗などものともしなかった。ただ今日を生き抜き、明日もこの世に存在するため、懸命に探した。しかし、食べ物となりそうな果実や木の実は一向に見つからなかった。
見上げると、木々の隙間から見える空は暗くなりかけていた。森も不気味さを増し、ざわざわとエリカの恐怖心を煽った。一刻も早く帰らなければ。そう察知した瞬間、彼女はハッとした。自分がここまでどうやって来たのか、思い出せないのだ。
途方に暮れる彼女の周りに何処からともなく白い光が集まってきた。その光はやがて一筋になり道を作った。彼女は奥へと続く光に導かれ、無我夢中で歩いた。そのうち、
「おいで。」
という声がかすかに聞こえてくるようになった。光を辿って歩くにつれ、その声は大きくなっていった。まるで声の主に近づいているかのように。