=第弐章= 世界の起源と崩落の起源
なんか乱雑な文章でした。
そこは倉庫のところ。
大翔は一度死んだことに気づいていない。
「くっ。。。!コスプレ野郎がこんなに強いとは。。。!」
「アクラエルよ。俺はここまで弱いとは思わなかったぞ?」
ベルゼビュート。彼は地界を制する大悪魔。
現代のサタンと呼ばれており、悪魔のなかでも有力な悪魔だ。
「俺をここまで来させる理由があったんじゃないのか?」
「なんの話だ!わけわからないこというんじゃねえ!」
「全く、話の分からねー奴だな。」
そういうと黒剣を振るう。
空気が高い音を上げて叫ぶ。
「うわっ!武器なんて卑怯だぞ!」
「ふっ。俺がそのようなことを気にすると思うか?さぁ死ね。」
ベルゼビュートはある魔法陣を創り出す。
悪魔乃門『デビルゲート』の魔法陣だった。
「ダークパペットよ。奴を始末しろ。」
ダークパペットと呼ばれたもの。
それは魔装人形。
主が自身の魔力を注ぐことで動く。
つまり魔法も動きも主と似る。
「目標、ハッケン、始末スル。。。!」
「な、なんだよこいつら!?どうなってんだ!?」
そう言って逃げかけた瞬間だった。
あたり一帯に白く輝く槍が無数に現れダークパペットを一掃した。
「ベルゼビュート!そこまでにしてもらうぞ!」
鋭い声がベルゼビュートに向けて発せられた。
それは聖天使マザーの声だった。
「人間の子を巻き込むとは、なんということだ。」
「おいおい。ガブリエル。こいつはアクラエルだぜ?俺らが狙うのも無理ねえだろ?」
「何を言っている?人間がどうやったら堕天使になれるのだ。」
「とぼけんな。それにあいつは「魔」天使だ。「堕」天使じゃねえ。」
「魔天使だからなんだ?アクラエルは世界を救う唯一の希望だ。邪魔をすると返り討ちにしようぞ?」
「ふん。おもしれえじゃんか。やってやろうじゃねえか。」
そういうとベルゼビュートは黒剣を引き抜く。
戦闘状態に入る。
「あ、あの。。。あなたたちは誰っすか。。。?コスプレイヤー。。。?」
「少年、いや『救世主』よ。今は逃げろ。」
「え、あ、いや、え?」
ベルゼビュートが呪文を放つ。
魔法陣が形成され、その真ん中から出てきた黒い物体。
「魔装暗黒巨神兵ダークネスアーマードギガンテスよ。奴らを消せ。」
出てきた物体。
それは悪魔の王のみが使える力。
自分の魔力を数百倍まで引き上げ物体を形成する。
とてつもない力を送るために、普通の悪魔が数秒使えば疲弊して戦闘不能にしてしまうともいわれる技。
だが、ベルゼビュートの魔力保持量と魔力保持能力は聖天使マザー以上。
彼が使っても彼には瞬発力が少し鈍くなるだけで、他には何も影響が出ない。
「さぁ。死ぬがいい。なんならこの辺りを消してやろう。」
「な、なんという。。。に、逃げろ!早く!」
聖天使マザーが大翔に叫ぶ。
「おいおい。人間の相手するならこっち見ろよ。」
そういうとベルゼビュートは黒剣を振り下ろす。
黒剣に纏っていたオーラが大きな刃になる。
「「聖天使マザー!」」
結界が張られて攻撃が弾かれる。
防御魔法を展開したのはゼフィエルとララエルだった。
「。。。私たちが守ります。。。」
「修行の成果、お見せします!」
彼女たちの魔力保持量は聖天使マザーでも敵わない。
「。。。さて。私も行くか。」
そう呟くルシフェル。
ララエルとゼフィエルの後ろから複合魔法をかける。
それは属性吸収魔法。
ある特定の属性を吸収し、自分たちの魔力にする。
その魔力を聖天使マザーへと送ることで聖天使マザーは攻撃魔法を展開できる。
「ありがとう。みんな。」
「ったく。タイマンで行きたかったのによ。まぁいい。相手してやる。」
するとまた剣を振る。
しかし属性吸収がされない。
攻撃は結界によって弾かれたが。
「な、なに!?なぜだ!?」
「ルシフェル、知らねえのか?これは「無」属性だぜ?」
「む、無属性だと!?」
。。。つまりただの剣の攻撃だ。
それをかっこよく大げさに言っただけだ。
「。。。ベルゼビュート。久しぶりだな。。。」
「え?」と、ララエル。
「え?」と、ゼフィエル。
「なに?」と、ルシフェル。
「ま、まさか。。。!」と、聖天使マザー。
その声の主。
それはさっきまで逃げ戸惑っていた大翔だった。
ただし意識はアクラエルそのものだった。
「。。。一度引け。じゃないと私がお前を殺す。」
「ふっ。はは、ははは!不完全体のお前に何ができる!?はははっ!」
不快な笑い声を上げるベルゼビュート。
「。。。」
大翔、いや、アクラエルはただ黙っていた。
「いいか天使たちよ!終焉乃戦争ハルマゲドンは近い!ふははは!」
そう言い残してベルゼビュートは姿をくらました。
「。。。聖天使マザー。。。申し訳ありません。。。私が不甲斐ないばかりに、サタンを永久に封印できませんでした。。。」
アクラエルは顔をうつむける。
「アクラエル。。。!何を言うのだ!充分世界の均衡を保ったではないか!」
「あ、あの。。。お取込み中悪いのですが。。。」
そう言ったのはルシフェルだった。
「彼が言った終焉乃戦争ハルマゲドンとは。。。?」
「君がルシフェルか。よろしく。で、終焉乃戦争ハルマゲドンのことだが。。。」
アクラエルはちらりと聖天使マザーを見る。
聖天使マザーは俯いていた。
「。。。終焉乃戦争ハルマゲドンの発端は。。。聖天使マザーが。。。」
「。。。え?」ルシフェルは首をかしげる。
「。。。ここからは私が説明しよう。」
聖天使マザーはそう言って話し始めた。。。
―この世界が生まれたとき。
私は宇宙樹イグドラシルの芽を育てた。
そこは永遠に続く砂漠。
そこでぼろぼろの服を着た幼い姿だった私はひたすらその芽を守り続けた。
宇宙樹イグドラシルはすくすく育った。
世界を支える幹ができて神は「魂の輪」を創った。
魂の循環システム。死ねばまた新たな生を受ける。
私は世界を作った。
天界、地上、地界。
だが世界の幹であるミスをしてしまったのだ。
世界を構築するシステムのプログラムを誤ってしまった。
宇宙樹イグドラシルは崩壊の危機に立った。
神は早急にプログラムの欠陥を直したが、崩壊は免れなかった。
一度世界はぼろぼろになり、世界の80%が崩壊した。
その崩壊と同時に生まれたもの。
それがサタン。
サタンは世界を崩壊させる終焉乃戦争ハルマゲドンとして宇宙樹イグドラシルによりオートプログラムされ、神でさえも直すことができなくなってしまった。
いつしかサタンと終焉乃戦争ハルマゲドンの事案は忘却の彼方へと消えてしまった。
なぜならアクラエルが終焉乃戦争ハルマゲドンを一度阻止したからだ。
だが。。。
また。。。
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「。。。それが世界の起源であり、崩落でもあるのだ。。。」
聖天使マザーは苦しそうに言った。
「。。。すみません、聖天使マザー。。。もうすぐこの少年の意識が戻ります。天界でまた会いましょう。。。」
そういうとぱたりと大翔の体が倒れる。
「い、痛!」
「あ、アクラエル!?」聖天使マザーは叫ぶ。
「ん、んあ。。。?」
「じゃないか。。。少年、一度家に帰るのだ。」
「い、今のは。。。?だれ。。。だ?」大翔はそう呟いて歩き始めた。
「少年よ。深追いはするな。まっすぐ、家に戻れ。」
大翔はその言葉にただ頷いて歩き始めた。
家の方角に向かって。
もう日はとっくに暮れていた。
少しでも伝われば幸甚です。