親愛なるあなたへ、愛をこめて。
オリジナル小説初投稿です。どうぞ、よろしくお願いします。
こんにちは、お久しぶりです。
前回の手紙を送ってからちょうど一年も経ってしまっているなんて、いやはや時の流れというものは恐ろしく速いものなのだと感じずにはいられませんね。
気がつけば高校生のころは脇の下くらいまでの長さしかなかった私の髪が、いつのまにか洋式トイレに座るとうっかり水に浸しかける長さ(未遂ですから!汚くありませんよ!)になってしまいましたし、それに比例するように胸の方もみるみるビックなアメリカンサイズに…………はならなかったですけど、ちょっとは成長しましたし、あなたと一緒に過ごしたあのときから、それくらいの変化が現れるくらいには長い時間が経ってしまったということなのでしょうね。信じられないことに。
――さて、この手紙をあなたに送るのも片手では足りない回数に突入したことですし、もうこの手紙がどんな意図で送られたものかはおわかりだと思いますが、その予想は大当たり。今年も例にたがわずアッツアツのホットなラブレターです。いい加減しつこいって?そんなの、知ったこっちゃないです。
大体、私が毎年毎年ラブレターで愛を伝えなきゃいけなくなったのは、全部あなたのせいじゃないですか。誰にも相談せずに、いきなり死んじゃうから。よりによって、自分の誕生日に。
……まあ、恨み言は一番最初の手紙で語彙が尽きるまで散々書きなぐったので、今更蒸し返すつもりはありませんけども。一枚の便箋に書ける文字の量も、限られていることですし。
思えば、私とあなたが初めて出会ったときよりずっと昔。どんなに頑張っても指先が掠りもしないくらいの昔に、あなたがこうなってしまうことは決まっていたんでしょうね。5年以上経ってからやっと気づくなんて、我ながら遅すぎる気がしますが、それくらいショックを引きずっていたんですから多めに見てやってください。
ですが、そのことに気づいた今でも、全力で悩んだこと、苦しんだこと、そして悲しんだことに、なにひとつとして後悔していない自分に、正直驚いています。同時に、納得もしています。
きっと私は、その努力が無駄なものであると知っていても、最終的にはこの“私”に収束するのでしょう。だって、あなたのことが誰よりも好きだったから。……諦められるわけがないから。
この際だから言ってしまいますけど、私今でもあなたのこと諦められていません。きっとあなたのよく知る素直じゃないあの人たちだって同じ気持ちです。
みんな、あなたのことが大好きでした――いいえ、大好きです。間違いありません。
そして、私はあなたのことを愛しています。多分、死ぬまで。
……そう、あなたに直接自分の口で伝えられていたなら、私はこうして生きずに済んだのかもしれませんね。
ごめんなさい、暗い話になってしまいましたね。
便箋も残り少ないので、今年はこれくらいにしたいと思います。また来年も、懲りもせずに手紙を送りますから、頑張って読んでくださいね。
可愛い後輩からの、お願いですよ?