伝説は斯くも謳えり……
今ここに、最強魔法を引っ提げて?少女が冒険の旅に出る……のか?これはその序章である。
神秘と不思議の世界、幻想世界「ネブラルフィア」
この世界には、どんな種族にも謳われる一つの伝説がある……。
曰く、
―――ドジっ娘が世界を救い、ドジっ娘により世界は滅ぼされる。
幻晶歴102年。
それは大きな災いとなってこの世界にその存在を知らしめる事となった。
場所は人族の支配する、ヴァスィリオ大陸中央部にあるロワイヨム王国その城下町。
ある時そこに、大きな奇声が響き渡った。
「あ―――っ! またやっちゃいました―――っ!」
―――ゴッフォ―――ンンッ!
直後、城下町の一角を中心として巨大な爆発が巻き起こった。
膨大な灼熱の白球は街だけに留まらず城をも呑み込み、巨大な破壊の球体がその姿を消し去った後には、一切の物を残していなかった。
―――ただ一人を除いて……。
謎の大爆発により一夜にして消失したロワイヨム王国の惨事は、即座に近隣諸国の知る処となり、唯一の生き残りであった少女だけが保護された。
手掛かりを知るであろうその少女を保護したのは、隣国に位置するイムペリウム帝国であった。王を前にした御前会議の場に連れ出された少女に、帝国騎士長や大司教、執政官等の高官から矢継ぎ早に質問が飛んだ。
「ふぇ……わた……私、何も知りませんー……」
怯えた少女が幾度となくそう告げても、周囲の者から質問が止む事は無かった。
「……これこれ、この者も怯えておるでは無いか。少しは……」
「へっぷしっ!」
少女がか弱く余りにも不憫に見えたのか、皇帝はいきり立ち少女に詰問する配下の者を宥めようとした。しかしタイミング悪く、少女は皇帝の言葉を遮る様にクシャミをしてしまったのだ。
「おい、貴様っ! 陛下の言葉を遮るなど、無礼が過ぎるぞっ!」
堪らず執政官が少女に注意の言葉を飛ばした。
―――ゴトリ……。
額に青筋を浮かべて少女に注意していた彼の隣から、何か重い物が床に落ちる音が聞こえた。それと同時に、何か異様な空気が謁見の間を包み込んでいる事を、執務官は漸く気付いたのだった。
彼が恐る恐る自身の隣に目を遣るとそこには……。
首の無い、鎧を着た男が立っていたのだ。
いや、首が無いのではない。たった今首を跳ね飛ばされたのだった。
―――少女の……クシャミによって!
異様な空気は、明らかに畏怖を含んだ雰囲気となり謁見の間に渦巻いた。
居並ぶ一同の目には驚愕が浮かび上がり、その目は一様に少女を見ていた。
「ま……また私……やっちゃいました―――?」
―――ゴッッッ!
地の底から何かが湧き起こる様な、地鳴りとも爆発とも取れる恐ろしい振動と音が湧き起こる。
「む、娘っ! それ以上―――っ!」
「ご……ごめんなさ―――いっ!」
―――ドゥッガ―――ンンンッ!
その直後、イムペリウム帝国はその存在を地上のどこにも示す事は無くなり、それ以降歴史の表舞台にその名を現す事は無かったのであった。
この物語は、究極とも言える魔法「ドジっ娘魔法」をウッカリ身に付けてしまったが為に、人類の命運をかけた戦いに身を投じるしかなくなった……、
ドジっ娘達の戦いを記した物語である!
伝説の中に存在する魔法「ドジっ娘魔法」この魔法は世界の救済となるのか?破滅を呼ぶのか?




