表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/23

2

今どこにいるのか、と言われれば、森の中と答えるしかない。


深い森だ。


少なくとも周りに見えるのは木、木、木。

足元には枯れ葉が積もっていて歩きにくい。


そういえばタカヤンが言ってたような気がする。

ゲーム開始時の転送先はバラバラだから注意しろと。

ただ、近くには必ず街があって、その街に辿り着き、街のギルド支部に足を踏み入れれば、チュートリアルが終了するとかなんとか。


近く、というのは目の前という意味ではなかったらしい。

周囲のどこにも街は見えない。


何処に向かえばいいかも分からない。

メニューでも見てみよう。

マップくらいはあるかもしれない。


メニューを表示しようと頭で思えば、目の前にポップアップが開く。


メニューの中には、プレイヤー情報とステータスとアイテムボックス、環境設定の4つだけだ。

どこにもマップはない。


アイテムボックスは当然空だ。

お金もゼロ。

残りはプレイヤー情報とステータスだ。


プレイヤーの名前だとか性別だとかはステータスには入らない。

そういうものは全てプレイヤー情報として纏められる。


このゲームにおいて、ステータスとは紋章のステータスということになる。

プレイヤーの能力から各パラメーターの数値は全て紋章依存になる。


それもあって、さっきの最後の質問には期待もしているがちょっと恐怖もある。

一つのパラメーターに全振りだったりしたら相当なハードモード確定になってしまう。

特別の意味合いが分からない現状では、不安はどんどん膨れ上がってしまいそうだ。


ステータスを開くと、現在保持している紋章が二つ表示された。

一つは戦闘職で一つは生産職、ということだが、どっちがどっちだろう。


一つ一つ上から見ていこう。

一つ目は『眠る神魔の収集人』。

おお、レアっぽい。

初期スキルは《アイテム鑑定》《魔錠開封》《神魔具作成》《アイテム変換》。

鑑定はいいとして、他3つはかなりのレアっぽい。

《魔錠開封》と《神魔具作成》はよくわからない。

《アイテム変換》は素材を他の道具に変換できるようだ。

何にしても、今のところはできることはなさそうだ。


二つ目は・・・見なかったことにしたい。

二つ目が戦闘職のようだ。


『眠る神魔の大英雄』


末期だ。

中二病StageⅣ感全開だ。

ぼくのつくったさいきょうのもんしょう、みたいな感じだ。

うん、すごく作り直したい。


レアなのは分かる。

強いのもわかる。

でもこんな紋章ぶら下げて歩くなんて、恥ずかしくてできないよ。


どうにかできないかとあれこれ見てみたら、環境設定に紋章の開示方法設定があった。

自分が認証した者以外見せないように設定した。


いくらなんでもこれはタカヤンにも見せたくないが、見せなきゃ見せないで面倒くさいしどうしようか。


そのときになったら考えよう。


今は、この二つ目を見ていかなくては。


初期スキルに《瞬斬》というものがある。

指先を動かすだけで、認識している対象を斬ることができる、らしい。

これが今のところ一番使えそうだ。


他にも二つスキルがある。

一つは《神魔召喚》。

一つは《寝所創造》。

うん、見なかったことにしよう。



とりあえず、現状は《瞬斬》のみで街まで行かなくてはならなそうだ。

まずは威力がどれほどあるのか、試してみたい。

かといってぶっつけ本番で魔物では、使えなかった時窮地に陥る。


まずはそこらに生えている木で試してみようか。


どれでもいいんだけど、一番近いこの木にしようか。

えーっと、じゃあ、《瞬斬》!


・・・・・・・・・・・・・あれ?


発動・・・・したよね?


木に触れてみる。

ギッ、という音がして気が後ろに倒れた。

倒れた木が後ろの木に当たると、後ろの木も倒れる。

ドミノのように10本ほど続けて倒れた。

後には切株が10出来上がる。


凄い威力だ。

チートだ。

これが初期スキルだなんて。

怖くて他の2つを使えないじゃないか。


それだけに、街に着くまでにせめて範囲をコントロールできるようにならなくては。

危なっかしくておいそれと使えやしない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ