汗を掻き
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靴底をすり減らして頑張るという刑事、未だにいるのだろうか?テレビドラマや小説などにはそういった警官が登場するのだが、今の警察官って、もっとスマートに捜査していると思う。つまり捜査のため、街を歩き回る警官自体、昔ながらで、遠い過去に警察社会にいた人間たちだ。
確かに足で稼ぐ刑事も所轄などにはいるだろう。だが、程度問題だ。そういった刑事がゴロゴロいたら、警察署内での庶務などに滞りが出る。刑事は捜査だけじゃなくて、課内庶務や武道の鍛錬、逮捕術の訓練などもやっている。ずっと捜査をしている刑事など、いないに等しい。
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警察官は確かに激務。それに命懸けだ。凶悪犯などがいても、逃げずに面と向かって相手する必要がある。拳銃や警棒などは携帯しているのだし、危ないことの連続だ。
日本人はテレビドラマや映画など、映像を通じて、警察社会を見ている人が圧倒して多い。だが、刑事関連の話もおかしなところは多数ある。現に「こんな設定、ないんじゃないか?」とか「こんな警察官いないよね?」といったものがある。個人的にどう楽しむかは別として、だ。
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刑事は大変な仕事で、国家公務員Ⅰ種試験合格者――いわゆるキャリア組という人間たちだが――でも、上に行くのは相当大変なのだし、いくら警部補からスタートでも、かなりきつい。普通の役人とまるで違うのである。例えばキャリアだと、前述したⅠ種試験合格後、大学を卒業し、警察学校で警官として所定の訓練を受け、それから勤務だ。
話を戻すのだが、汗を掻き、靴底をすり減らすタイプの刑事もいるにはいるだろう。だが、数は少ないと思う。別に警官でもネットや街の防犯対策、科捜研などがあれば、それから犯罪の容疑者等を割り出すことは簡単である。ましてや映像作品などのように、刑事があちらこちらに登場することはない。警察も縦社会。役人だから、不用意な捜査などは避けるよう通告される。
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まあ、どうだろう?これだけ世の中が変わり、危なっかしいことが増えてきても、まだ刑事に憧れる人間がいるだろうか?単なる3K労働同然に見られているから、避けられる職業じゃないだろうか?職務規定に違反しなければ首にならないというだけで、それだと、一念発起して司法試験を受け、弁護士などになる方がよほど高い給料を取れる。公僕の世界などそんなものだ。
警察官は命懸け。特にこれから年末ぐらいまでは、街が騒がしくなる。刑事がパトロールなどに出てきて、防犯をする季節となるのだ。別に警官だけじゃなくて、他にもいろんな人間たちが街をうろつくことになり、秋冬というのは一際厄介なシーズンなのだが……。
話がだいぶ逸れましたが、ひとまず一筆書かせていただきました。
ではまた。
(了)