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白い雲  作者: 白木
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白川老人

 川上氏より、香月に電話が入った。


「いよいよ明日、大レースの放鳩になるようだ。天候からして、早朝の6時~7時になるに違いない。帰舎タイムも相当に遅くなると見てよい。夕方6時前後だろう・・」


 この予想は的中した。放鳩当日小雨で霧が立ち込める最悪の空模様であったが、ここより南の帰路は、徐々に天候が回復との予報の下、西岡放鳩委員の「放鳩!」

の合図と共に、3万数千羽の大羽数は、一斉に飛び立った。一直線に飛び立った鳩達は、霧の中に見えなくなったかと思えば、叉放鳩車の真上に戻って来る。幾つもの一団は、巨大な雲となって、旋回する。放鳩時から20数分。鳩の群れはやっと見えなくなった。明日になれば又天候が崩れると言う気象予報であった。この何十にも分かれた鳩群。そして余りにも放鳩してからの旋回時間が長い。この事から難レースが想像された・・。結果は夕刻には判明するのだ。放鳩タイミングは経験でしかない。この放鳩委員長に掛かる責任は非常に重い。しかし、日本中を探しても彼以上の適任者はどこにも居なかった・・。

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