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白い雲  作者: 白木
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白川老人

「やはり!そうか!」


 川上氏は大声を出した。そして同じ言葉を繰り返した。


「やはり!そうだ・・ああ・・病気にかかっている・・」


 沈痛な表情になり、川上氏は言葉を続けた。


「なんと言う不明・・日頃から、あれほど、健康には気をつけていたのに。もう少しで大事な選手鳩を失う所だった。許してくれ・・私の不手際だ」


 薬を与え、隔離鳩舎にその鳩を移すと、香月にこう言った。


「香月君、私の大失態だ。今シーズン、今の鳩に期待する所が大きかったので、ついこんなレースに訓練のつもりで出したんだ。今春、この鳩はレースを断念しなければならない。鳩に申し訳ないよ・・。」


 川上氏の鳩舎には何百羽も居るのだし、こんな小さな異変に気付かないのは仕方が無いでしょうと、香月も言ったが、川上氏は、我が子が病気したように、自分を責めていた。川上氏とは、こう言う人物なのだ。尊敬して止まない競翔家なのだ。香月はこの川上氏の一貫した愛鳩家の姿勢が嬉しかった。

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