白川老人
「僕が白竜と、ネバーに夢中になってるから。それが原因で・・秋には産卵の気配はありましたが、無理でした。当分中断しようと思っています」
「そうか・・それは仕方が無い。老鳩だからねえ・・だが、君と白川さんの健康とは全く関係が無い。むしろ君の訪問を喜んでいた位で、私からも礼を言うよ」
川上氏は頭を下げた。
「いえ・・実は、凄く気になってた事なんですが・・じいちゃんは、どうして、ネバーを酷使したのでしょうか?」
おお・・と言う顔に川上氏はなった。白川宅での話がつながったのだ。
「・・なんで、そう思うのかな?」
「白竜号のGNは2年連続で好天気に恵まれ、スピードバードの白竜号は、勇敢なその血と、優れた方向判断力でどの鳩よりも鳩舎までの最短距離を選び、それも最遠隔地でありながら脅威の2年連続総合優勝をしました」
「その通りだ。白竜号については君の主観通りだ・・私もそう思う」
「一方ネバーはその恵まれた天性の体、特に体を覆い隠せるほどの副翼を駆使しながら、高空まで浮かび気流に乗って、最適の条件を探しながら、鳩舎に向かう典型的な長距離鳩です。むしろ、この日本の地こそ狭すぎると思える、超長距離鳩だと思うのです。優れた状況判断力も備わって居ると思います」
「・・そこまで、君は鳩に触っただけで、分かったと言うのか・・まさに!私も同感なのだが、一体君って子は・・」




