白川老人
「言おう・・。わしは、自分の競翔人生の中で、一方は白川ベルランジェ系と言う目標と、もう一方の中で、超銘鳩『ミィニュエ号』を作ろうとしていた。それは、オペル系の真髄と言われた『ダブルB』の3重近親の交配の中から生まれた突出した一羽のメス鳩によって、念願が適うか・・と言う期待を抱かせたのだ」
「それは・・しかし、白竜号と言う」
「いや・・白竜はわしの猛訓練の中から育った優秀な血かも知れないが、伏兵に過ぎなかったのだ」
「・・・・」
川上氏は黙った。天下の比類なきGCHの超銘鳩を・・?伏兵と言うこの老人を・・。
「わしの悲願はCH、N、GCH、GNの4大レースに一桁入賞を果たす事だった」
「・・それはGNで白竜号による、2年連続優勝を果たされてるじゃないですか。この長距離不利と言われる東神原連合会において、最遠隔地でありながら、2年も連続総合優勝など、奇跡と言われる偉業ですよ」
「それも、天佑・・そのレースはネバーが参加予定だったのだ」
「ネバーは記憶によりますと、その年は余市の1000キロNレースに参加してますね、確か総合256位だったような」
「そんなもんじゃなかった・・ネバーの実力は」
「・・この後も次年度にGCH・・以降、124位、245位、189位、287位、146位、275位と6年連続総合上位入賞。こんなメス鳩でありながら、飛びぬけた素晴らしい成績を・・」
「ネバーが取るべきだったのだ・・GNは」
川上氏は少し、白川氏の頭がおかしくなったのか?と顔を見上げた。




