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白い雲  作者: 白木
512/545

紫竜号

「新放鳩地のせいですよね」

「ああ、もの凄い羽数になるんじゃないかな。25連合会で、23000羽は超すようだ」

「そうなんですか!それは凄いなあ」

「何で、君は400キロに全部持って来たの?」

「調整が、そこしか無かったからですよ。何しろスタートが400キロなんで」

「色々大変そうだね。ま、明日は天気も良さそうだしね」


 そう言って、この夜は帰路につく香月であった。明日は芳川も、帰舎を同時に待つ事になる。

 連続投入となったカズ・エース号だが、今期のこのレースで、引退。やはり種鳩として鳩舎を移される事に決まっていた。400キロレースでは、この鳩が初めて着外に沈んだが、短距離の銘鳩に位置するような素晴らしい成績をこれまで収めていた。5つの優勝、一つの総合優勝。近未来の競翔は、中距離主体になって行くだろう。香月、川上氏の一致した意見だった。だが、香月は自ら、超長距離系を目指す。

 絶好の晴天の中、7時に放鳩された鳩群・・。予想通り素晴らしい高分速続出のレースとなり、香月鳩舎の一番手はやはり、カズ・エース号だった。芳川の興奮した声が響く。タイム寸前上空には50羽程の群れが、一分間隔で通り過ぎて行った。香月鳩舎にも続々と鳩が戻り、2時までに8羽が帰舎すると言う、スピードレースになった。香月は、カズ・エース号一羽だけタイムを打った。

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