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白川老人
「よさんか・・川上君・・今はもう、そんな昔は忘れて好きな鳩とのんびりしてる身だ」
しばらく無言であった、彼等だが・・突如香月はこう言った。
「白竜号とマイロード号の交配の卵を僕に下さいませんか?」
突然の無謀な提案に、白川氏も川上氏も笑って言った。
「何を言う。この鳩達はもう老鳩。まして、説明を聞いていなかったのか?マイロード号は酷使のせいで卵も産めないメス鳩になってるんだよ」
川上氏の言葉に、更に説明をするように白川氏が言う。
「君のような洞察力の鋭い子なら、どれか一番をあげても良い。それを種鳩にすれば良い」
川上氏が白川氏の顔を見た。決して、そんな事は自分であっても言ってくれる事はなかった氏であるからだ。川上氏は、白川ベルランジェ系を使翔したい夢を長年持っていたのであった。
この香月の提案は・・まさに彼の今後の人生と、まだ生まれぬ奇跡の鳩に翻弄される出来事になる事を・・この日の誰もが想像もしなかった・・。




